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[吉岡進の新世代沖釣り方程式(第8回)]東京湾のシーバスジギング(つり幸/神奈川県川崎)

隔週刊つり情報編集部

東京湾にシーバスがいて、本当によかった。

シーバスは船でのルアー釣り入門に最適な魚だ。

理由はいくつかある。

①数が多い。

東京湾はシーバスだらけと言ってもいい。

最近はやや減少傾向との調査報告もあるが、釣りやすい魚なのは確かだ。

②ジギングは簡単! 

落ちてくるモノに反応するシーバス。

金属製の細長いルアー、メタルジグを落とし込むだけで食いついてくれる。

素直で陽気なキャラクターのシーバスなので、活性が高いとバタバタッと釣れ盛り、船中が賑わうシーンもしばしば見られる。

③引きが強い。

小型のシーバスでさえ、グイグイと竿を引き込むファイター。

エキサイティングな引きを味わえば、「ルアーフィッシングっておもしろい!」と思えるはずだ。

④タックルを選ばない。

竿は、軟らかめのものならなんでもいい。

バスロッド、シロギス竿、汎用竿など、手持ちの竿で試してみよう。

ジグを落とす動作が基本なので、ベイトリールがオススメだが、投げたほうがいい場面もあるので、スピニングリールもアリだ。

もちろん船宿のレンタルタックルを利用してもいい。

⑤仕掛けがシンプル。

道糸のPEに直結した先糸(リーダー)の先に、ジグを付けるだけ。

ビギナーでも扱いやすい。

⑥沖で釣ったシーバスは食べてもうまい。

上品な白身は刺身、ムニエル、フライ、味噌漬けなど、どんな料理でもおいしくいただける。

⑦最も重要なのは、②と矛盾するようではあるが、適度な難しさがあることだ。

その日・その場所のヒットパターンというものがあって、よく釣れる人・そこそこ釣れる人・あまり釣れない人の差が出る。

簡単なようでちょっと難しいから、熱中できる。
 
12月中旬、東京湾奥川崎・つり幸のシーバス船に乗り込んだヨッシー&取材陣。

平日だというのに多くの釣り人で賑わっている。
 
当コーナーでは前回、シーバスのコノシロパターンを紹介した。

これはデカいルアーを投げ、一発大物を狙うちょっとマニアックな釣りだった。
 
コノシロパターンが落ち着き、冬が深まるにつれて、シーバスは群れをなして深場へと落ちていく。

こうなるとジギングの出番。

簡単で数釣りが見込める人気の釣り物として、多くのファンを惹きつけているのだ。
 
本格シーズンの幕開け、というタイミングではあったが、シーバスの食いは活発だった。

朝イチは千葉沖に出向き、水深10m前後の浅場を狙う。

ナブラが発生し、シーバスが完全に魚体を見せてジャンプするシーンもあり、瞬く間に船中の竿が大きく曲がる。
 
ここのところシブい釣りを繰り返していたヨッシーも、「やっぱり魚が釣れるって、素晴らしいことだね!」と笑顔だ。

フォールでのアタリを瞬時にとらえ、鋭い合わせで釣り上げる。
 
陽気なシーバスとはいえ、やはり食い渋る時間帯はある。

そんなときでも狙うタナを変えたり、誘い方を変えたりしながら、ポツリポツリと拾う釣りを見せるのがヨッシーの真骨頂だ。
 
今回は、3月にジャッカルから発売予定のSLJ(スーパーライトジギング)ロッドのプロトタイプと、バンブルズジグTG SLJ30gという、文字どおりスーパーライトな組み合わせも試した。
 
良型シーバスにバットまで竿を曲げられながら、「このスリリングなヤリトリがたまらないんだよね~」とシーバスの引きを堪能していた。
 
ビギナーでもエキスパートでも、ルアーフィッシングのだいご味をたっぷり楽しめるシーバスジギング。

東京湾にシーバスがいて、本当によかった!

船の写真

釣り場は千葉沖や東京湾アクアライン、海ほたる周辺

プロフィール

先生◆よしおか すすむ

新型コロナウイルスの感染予防に最大限配慮しながらも、忙しく全国の船に乗り、多くの沖釣りファンたちとの交流を楽しむヨッシー。

船を下りてからもそのまま竿を担いで陸っぱり。

タックルさえあれば永遠に釣りし続けているのではないかという、夏休みの少年状態。

今日もどこかで竿を振っている。

生徒◆たかはし ごう

幼稚園のころから沖釣りをしているはずなのに、いつまでたっても上達しない「永遠の初心者」。

釣りそのものより海に浮かんでいることに喜びを感じている様子で、うまくなる気配なし・・・。

シーバスジギングってどうやって釣るの?

シーバスは落ちてくるものによく反応する魚。

基本は金属製のルアー「メタルジグ」を海底まで落とし、巻き上げ、また落とす・・・の繰り返しだ。

ロッドアクションもほぼ必要もないので、とてもお手軽にルアーフィッシングが楽しめる。

とは言っても、シーバスも魚。

気まぐれなこともある。

落とし込むだけでは食わないときもあり、その際はロッドアクションなど色いろ試す余地がある。

魚の写真

主に小魚をエサとするフィッシュイーター。ルアーフィッシングの対象魚として、 船釣りでも陸っぱり釣りでも人気

タックルの方程式

基本=ベイトリール&竿=自由

竿をさほど選ばないのがシーバスジギングのいいところ。

専用ロッドもあるが、バスロッドやSLJ(スーパーライトジギング)ロッド、タチウオジギングロッド、さらにはシロギス竿やライトゲームロッドなど、とりあえず手持ちの竿を使ってみよう。

長さは1.8m前後、60g前後のジグを背負えて、なおかつ軟らかめの竿ならなんでもOKだ。

落とし込み(フォール)が中心の釣りなので、クラッチを切るだけでジグを落とせるベイトリールが便利。

ポイントによってはキャストすることもあるので、用意できればスピニングタックルとの二刀流だと幅広い状況に対応できる。

釣り人の写真

ベイトタックルが基本だが、 スピニングタックルも用意できれば釣りの幅を広げることができる

釣り人の写真

道糸はPE0.8~1.5号、リーダーは道糸に合わせて選ぶ。PE0.8~1号ならフロロカーボン3号、PE1.2~1.5号なら同4号が最適だ

ヨッシーのシーバスジギングタックル

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ルアーの方程式

シーバス=フォール=リアバランス

落とし込みで食ってくるシーバスだけに、専用メタルジグはリアバランスで素早くフォールするようにできている。

ジャッカルの「シーバスアンチョビメタル」は東京湾でも実績のある専用ジグで、迷ったらとりあえずココからそろえておけば間違いない。
 
今回はSLJ用の「バンブルズジグTG SLJ」も持ち込んでテストしてみたが、非常によく釣れた(笑)。

活性が上がればこだわりなく食ってくる陽気な魚なので、色いろなジグを好みで持ち込むとおもしろい。

重さは60gを中心に、30~100gあればまず対応できる(船宿指定の重さがある場合はそれに従うこと)。

カラーは、潮が澄んでいるとき用のシルバー系、濁っているとき用のチャート系、その中間に位置するゴールド系の3種類を用意しておきたい。

フックはテールへの装着が基本。

安全面からバーブレスにしよう。

ルアーの写真

(上)東京湾でも定評のあるリアバランスの専用品(下)ジャッカルの「シーバスアンチョビメタル」はシーバスジギング専用フックを標準で装備。スペアフックも販売している

ハリの写真

安全面や、魚体をなるべく傷付けないためにも、カエシは潰しておく

ルアーの写真

(上)東京湾では60gがメインとなる(中)3種用意すれば空や潮の明暗に対応できる(下)スリム&ライトなSLJ用でも食ってきた

先生が教える基本釣法

巻き上げ~フォールが基本。工夫次第で釣果をのばせる

海底まで、または船長の指示ダナまでジグを落とす。

3~5m巻き上げて、また落とす。

この繰り返しでOK。

「そんな簡単に釣れるの?」と思うかもしれないが、釣れます(笑)。

底付近で群れていることが多いシーバスに対し、巻き上げでジグを追わせ、ジグがヒラッと落ちたときに食わせる。

シーバスの習性にマッチした釣り方が、たまたま簡単だった、というわけだ。

フォール中のアタリを逃さずに合わせたいから、やはりベイトリールが有利だね。

食い渋ったときは、巻き上げスピードを早くしたり遅くしたり、ジギングの基本であるワンピッチジャークをしてみたり、少しキャストしてカーブフォールさせたり、巻き上げからポーズを入れるストップ&ゴーなど、色いろな手を試してみよう。

ジグのフォールスピードやカラーによって食う・食わない場合もあるので、重さやカラーチェンジはまめに。

ヒットパターンを見つければ釣果をのばせるぞ!

シーバスジギングの基本釣法

釣行の写真

船下を探ってアタらないときはアンダーハンドで投げて広く探る

リールの写真

(左)フォール時は親指でスプールを軽く押さえるとアタリが分かりやすい(右)巻き上げの基本はタダ巻き。アタらなければスピードを変化させよう

生徒なりのお気付きポイント

永遠の釣り下手にも釣れてくれる貴重な魚

序盤はスピニングタックルを試してみた。

フォールのアタリを取るのが難しくて、かえっておもしろい・・・。

後半は食い渋るシーンもあったので、ベイトタックルに替えピンクのジグを早巻き→フォールにトライ。

周りが今イチ釣れない中、一人でヒットを連発させられた。

このように、永遠の釣り下手=オレでもしっかり釣れてくれるシーバスは本当にありがたくも貴重な存在。

久しぶりにたくさんの引きを味わう癒やしのひとときとなった。

取り込み&リリース方法

釣行の写真

(左)竿で抜くとフックが外れたときにジグが飛んでくることもあるので危ない。リーダーをつかんで取り込もう(右)リリースする際はジグを持ち、なるべく魚体に触れないようプライヤーなどを利用してフックを外そう

ヨッシーの実釣レポート

釣れてくれるヨロコビと多彩な外道のうれしさと

改めて思った。

シーバスジギングは楽しい! 

このところトリッキーな釣りばかりしていたので、素直に釣れてくれることがこんなにうれしいものかと再認識した。

今回は千葉沖の浅場でナブラが沸き盛り上がったのを皮切りに、ストラクチャーをタイトに攻めたり、20m前後のやや深場を探ったりと、バラエティに富んだ釣りとなった。

どこでもそれなりに釣れてくれたシーバス。

良型シーバスに加え、イナダやアジといったうれしいゲストも交じり、うれしい楽しい一日だったね!

釣り人の写真

シーバスと同じポイントでイナダも回遊中

東京湾のシーバスジギングの解

フォール+バリエーション=ヒット率

シーバスジギングの場合、正解は極めて明快だ。

それは、フォール。

このひとことに尽きる。

巻き上げて落とすことさえできれば、ひとまず釣れる。

タナが多少ズレても大丈夫。

とりあえず海底まで落とすつもりでいれば、シーバスのいる層を通過するので、食ってくることが多い。

・・・と言いつつ、正解がすべてじゃないところがおもしろい。

食いがパタリと止まったと思ったら、巻き上げやポーズに反応することもあるから、釣り方のバリエーションは多く持っていたほうが楽しめるよ。

でもまあ、そんなに難しく考えずに、臨機応変さを携えながらチャレンジしてほしい釣りだね!

釣り人の写真

食い渋り時にバンブルズジグTJ SLJに交換し、ゆったりとしたワンピッチジャークでシーバスを釣り上げたヨッシー

船宿インフォメーション

東京湾奥川崎・つり幸

044・266・3189

川崎駅から約3km。

クルマでも電車でも良好なアクセスがうれしい(電車利用の場合は送迎アリ)。

シーバス船の舵を握る水野船長は、ちょっとシャイだけど実はとっても親切。

アナウンスではていねいにタナや釣り方を教えてくれるし、良型を掛ければタモを片手に飛んできてくれるからビギナーでも安心して釣りができるはず。

こまめなポイント移動からも「お客さんに釣らせたい!」という熱意が伝わってきて、冬でもホットな気持ちにさせてくれる船長だ。

安心の船宿でシーバスジギングにトライ!

船長の写真

親切に釣り方を教えてくれる水野聡船長(写真中央)

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隔週刊つり情報(2021年2月1日号)※無断複製・転載禁止

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