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味覚極上!深海の帝王 北茨城でアブラボウズ連発

隔週刊つり情報編集部

近年、食味のよさから深場釣りをやらない人にまでその名を知られているアブラボウズ。

専門に狙えるエリアは少ない中で、茨城県平潟港の第15隆栄丸ではスポットながら専門船を出して人気を集めている。

釣り場は航程2~3時間の範囲で水深は350~700m前後。

取材日は超大型こそ出ないものの数釣れるポイントを狙いトップ3尾、10~30kg級を12人で船中21尾と大釣りに恵まれた。

当地のアブラボウズは周年狙えるとはいえ海況の穏やかな夏場がベストシーズン。

ビッグワンにチャレンジするなら今がチャンスだ。

釣行の写真

これだけアブラボウズに期待できるエリアはそうはない

アブラボウズの煮付けと西京焼き

煮付けはおろした切り身をそのまま煮てもいいが、脂質が多くしつこさを感じる人もいるので、最初に軽く湯がいて余分な脂分を抜いてから煮付けるとしつこくなく仕上がる。

西京漬けは酒とミリンを加えた西京味噌に3~4日漬け込んでから焼く。

焼くときのポイントは表面に付着している味噌を落とすこと。

味噌を付けたまま焼くと、必ずといっていいほど焦がしてしまう。

またアブラボウズは身が柔らかく身崩れしやすいので、網などで焼くよりも、フライパンにクッキ
ングシートを敷いて焼くほうがきれいに仕上がる。

アブラボウズは本州中部以北の太平洋岸沖の深海に生息する魚で、30~50kg級は当たり前、大型は体長1.8m、重さ100kg以上にもなる。

その大きさもさることながら、刺身はもちろん煮付けや味噌漬けにして抜群の食味のよさから、ここ数年で市場価値も一気に上昇。

一躍高級魚として知名度の上がった魚でもある。

しかし水揚げ量も少なく、釣りにおいてもアコウダイ(メヌケ)やベニアコウ釣りで時折交じってくる程度。

専門に狙ったところで釣れる確率は極めて低く、それでも狙ってみたければ船を仕立て、シャレではないがボウズ覚悟のチャレンジとなる。

そんな希少魚ともいえるアブラボウズだが、茨城県平潟港の第15隆栄丸では乗合での専門狙いを受け付けている。

遡ること30年以上も前のこと、マダラ釣りで乗船した折に船長に見せてもらったGPSプロッターの画面には金華山沖から銚子沖にかけての400~1000mの水深域にも無数のマークが打たれていた。

聞けばアブラボウズやコウジンメヌケ(ベニアコウ)のポイントだそうで、釣り船を開業する前のトロール船の船長時代に開拓したポイントだそうだ。

常連さんらにせがまれスポット的にアブラボウズ狙いで出船するようになってから15~16年。

当初は常連さんを中心とした裏メニュー的な釣り物だったが、好日に当たれば船中全員安打、トップ4~5尾なんてことも珍しくないほどの釣果が上がれば、いつしか口コミが広がり今では出船予定が掲げられればすぐさま予約が埋まる人気の看板釣り物となっている。

釣行の写真

アブラボウスを釣りたいなら今がチャンス

アブラボウズは高級魚

バラムツやアブラソコムツと混同され、食用禁止の魚ではないかと誤解する人もいるが、アブラボ
ウズの脂質の主成分であるトリグリセリドは普通の魚と同じ。

市場においても1kg当たり1000~2000円で取引される高級魚、立派な食用魚である。

だが脂質が多い魚なので、食べ過ぎると人によってはお腹を下すことも。

刺身で食べるなら一人3切れまでで我慢しよう。

魚の写真

おいしいからといって生食での食べ過ぎには注意

基本は2本バリだが1本でもOK

隆栄丸が操業する釣り場は航程2~3時間の範囲。

北のいわき沖から南は那珂湊沖にかけての水深400~500mを中心に350~700m前後を狙う。

キンメやアコウを上回るヘビーな釣りゆえ、仕掛けの扱いもさらに難しそうなイメージを持たれる方もいるかもしれないが、アブラボウズ専門狙いの仕掛けは胴つき2本バリ。

投入も掛け枠などは使わず、エサを付けたハリを船ベリに並べ、船長の合図でオモリを放り込む方式。

ハリ数が多いキンメやアコウ釣りより仕掛けの扱いははるかに簡単だ。

タックルと仕掛けのスペックについては図のとおり。

水深500~600m、オモリ500号または600号を使用することを踏まえ、リールはミヤマエ9番クラスにPE12号を巻いて使用する人が多いが、ダイワ1200番、1800番、シマノ9000番、12000番クラスのリールでもOK。

取材した当日も乗船者12人中5人がこのクラスのリールを使用していた。

ただし、道糸がPE8~10号となると高切れアクシデントのリスクもあり、巻き糸量によっては釣りを続行できなくなる場合もあるので、可能であれば予備リールか予備糸を用意しておくことをすすめる。

仕掛けは2本バリが基本だが、下バリにくることがほとんどということで1本バリで勝負している人も。

1本バリなら仕掛けの扱いやオマツリ対処もさらに楽になり、当日もビギナークラスの人が1本バリ仕掛けでチャレンジし3尾の釣果を上げていた。

アブラボウズ釣りでは光り物は有効アイテム。

5号サイズの夜光ベイトをハリスに通したり、縦半分にカットしてハリに掛けたりのほか、それに夜光チューブやマシュマロボールを併せるなど、一工夫加えている人も。

ただし水中ランプはサメを寄せるため禁止されているので注意。

オモリは500号と600号を用意。

釣り場の水深やそのときの潮の速さによってその都度船長より指示が出る。

基本のエサはスルメイカ

エサのスルメイカの付け方は胴の先端部にチョン掛けでOKだが、ハリをしっかり刺せる位置に刺すと胴先がハリ先に被ってしまう。

なので私はエンペラの中心部辺りで胴先をカットしハリを掛けている。

ムツバリはハリ先を出してこそ掛かるハリなので、ハリ先にエサが被らないようにするという理由が一つ。

もう一つの理由が、これにより胴先に開口ができ、海水が通り抜けることで内臓のエキスも流出して集魚効果につながるのでは?と思っているから。

エサのスルメイカの一日分の必要量は2本バリで投入回数6~7回として12~13杯は持参したい。

イカのほかにはマイワシもOK。

イカも買えば高い昨今。

メインの下バリにはイカ、サブ的な上バリにはイワシといった具合に狙えばエサ代を抑えることができる。

また、釣り上げたアブラボウズがオキハモ(イラコアナゴ)を吐き出すことがよくあるが、それをエサとして使うのも一手。

普段アブラボウズが捕食しているエサだけに食いは抜群にいい。

船長はオキハモを吐いたらそれを付けろと必ず言うくらいだ。

まめに底ダチを取り直しドラグを効かせて巻き上げる

投入は大ドモから船長の合図(ブザー)で順番に行う。

投入前は今一度仕掛けの絡みがないか、自分の足元に仕掛けが引っ掛かるものはないかを確認。

自分の番で合図が出たら軽く前方にオモリを投げ込めばOK。

アブラボウズのタナはほぼベタ底だ。

ナギとはいえ、緩やかながらもウネリはある。船がウネリの谷間に下がったときにオモリが海底に着き、道糸に少したるみが出るくらいに設定。

とくに大きな誘いはいらないので釣り方としては至って簡単だ。

とはいっても海底はそれなりにカケ上がったり、下がったりと変化していくので最初に底ダチを取ったきりで竿先を眺めているだけでは仕掛けが浮いたままになってしまうか、底を引きずって根掛かりしてしまう。

海底の変化に合わせながらの操作、いわゆる底ダチの取り直しをこまめに行うことが大事だ。

アタリは竿先がククッと引き込まれる程度に意外と小さく出ることが多い。

この時点ではまだエサを飲み込んだだけの状態。

ムツバリはその形状のとおり、エサを飲み込んだ魚が動き出すことで喉奥からハリが引きずり出され、口角部に掛かるようになっているハリ。

この時点で合わせを入れたり、リールを巻き出してもスッポ抜けるだけ。

そのまま置いておくと口元にハリが掛かり、大きく竿が引き込まれるのでひと呼吸置いてからリールの巻き上げスイッチを入れればよい。

アブラボウズは小型ほど最初からアタリも大きく、巻き上げ途中の引きも元気がいい。

逆に60kgを超えるような大型は最初のアタリは小さいが、グイーンと重緩く引き込んでくる。

巻き上げ途中も比較的おとなしいが、やはり重量感はまるで違う。

時折襲ってくる巨体をウネらす抵抗は屈強な深海ロッドもグリップ先からひん曲げられるほど。

アブラボウズは口周りが意外に脆い面もあるので、ドラグを効かせながら慎重に巻き上げる。

取り込みはギャフを使用するが、身の軟らかい魚なので背や腹には打たない。

大口を開けて浮上してくるので、口内に差し込み掛けるか、口内でなければエラ下部分に掛ける。

15kgくらいまでなら1本、30kgくらいまでなら2本、それ以上であれば3本ものギャフを打ち、協力し合って船内に引き上げる。

北茨城のアブラボウズ狙い目 まるで異次元の釣れっぷり!!

7月下旬、12名のコアなファンを乗せた隆栄丸は深夜1時半に平潟港を出船。

一路北沖のポイントを目指す。

航行することおよそ3時間、東の水平線から朝日が昇り始めたころに釣り場に到着した。

「準備はできたかい?オモリは600号でやりますよ。では後ろから投入していきます」のアナウンスに続き、ブーッとブザー音が鳴る。

「600mです。浅くなっていくから底ダチをこまめに取ってね」

「いいところに乗っかってんだけどアタんねぇけ?」

2流ししてみたが潮が速く、船中アタリもないことから移動となった。

20分ほど移動した500mダチ。

ここでは潮が流れず、1流し目は着底前に仕掛けを回収。

投入する位置を修正しての仕切り直しは、着底とほぼ同時に左舷ミヨシ2番の山田さんの竿が引き込まれる。

このアタリを皮切りに右舷ではミヨシの二宮さん、3番の江光さん、左舷ではミヨシの岩井さん、胴の間の君さん、大ドモの小島さんらの竿に次つぎとヒット。

右舷で左舷で、ミヨシでトモで、せーの!のかけ声とともに暗灰色の魚体が次つぎに取り込まれる。

いやはやあり得ん光景だ。

釣れ上がったアブラボウズのサイズはいずれも15~20kg級。

「この場所は数は出るけどチンチャイのが余計なんだよ。さっきの場所ならいい型も出るけどあの潮ではなあ」と苦笑いを浮かべる船長。

それでも左舷大ドモで上がったサイズは30kg近かった。

釣行の写真

10~20kg級が多かった

食べておいしいサイズ連発

次の流しでは私の竿にもアタリ到来。ククッと竿先が揺れたのに続いてズーンッとグリップ先から絞り込まれる強いアタリ。

ひと呼吸置いてから巻き上げを開始。

最初は底を離れまいと重おもしい抵抗を見せるが、ジワリジワリとそれを交わせばそれからは比較的おとなしく上がってくる。

あとは海面でスムーズにギャフを掛けるのみ。

大口を開けながら上がってきたアブラボウズの口中にギャフを差し込み掛ける。

引きずり上げたアブラボウズは20kg級。

一発大型も魅力だが、このくらいのサイズが食べても一番おいしく、何よりクーラーに入る!?

胴の間の君さんは2尾目となる25kg級を追釣。

「アブラボウズ釣りは初めてですが、こんなに釣れてビックリです。もうクーラーに入らないのでこれで打ち止めです」と早々に竿仕舞い。

その後も流すごとに30kg級交じりで船中4~5人の竿が絞り込まれ、まるで異次元の釣れっぷり。

当日は7投をこなして12人で10~30kgを船中21尾、トップ3尾は3人と驚愕の釣果。

私も15~20kgを2尾ゲットできた。

当地のアブラボウズは年間を通して釣れるが、釣り場が遠方なので海況が穏やかな夏シーズンが狙い目。

船宿HPの出船予定カレンダーを要チェックだ。

釣行の写真

当日は船中21尾と驚異的な釣果だった

釣行の写真

当日最大は30kg止まりだったが60kg以上の大物も珍しくない

アブラボウズの保管について

相模湾のキハダ船のように釣れた魚を保管するカメなどはないので、各自のクーラーでの保管となる。

また、出船前に一貫目氷が配られるが夏場に30kg以上の魚を冷やすには心許ない。

魚を大事に持ち帰るためにもクーラーは可能な限り大型を用意し、氷も余分に持参したい。

私の場合は160lと80lのクーラーを持参しているが、80lのクーラーには持参氷を満杯に入れてきている。

釣れたアブラボウズは160lのクーラーへ入れ、持参した氷を適度に入れて保管している。

大袈裟に見えるが、やはり大事に持ち帰り、おいしくいただきたいものだ。

船宿information

茨城県平潟港第15隆栄丸

0293・46・3980

▼備考=タックル、仕掛け、エサなど各自持参が受付条件。ヒラメ乗合も出船

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