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【今、一番熱いイカスポット】石廊崎のスルメイカ攻略法全解説!(とび島丸/西伊豆 土肥恋人岬)

隔週刊つり情報編集部

南伊豆石廊崎沖のスルメイカ釣りが注目され始めてどれくらいたつだろうか。

昔から南伊豆の夏の釣りメニューとしてはあったものの、夏の日中の沖イカといえば相模湾や三浦半島が注目されがちで、あまり南伊豆には目が向いていなかった。

それがご存じのようにここ数年、相模湾~三浦半島の夏のイカ釣りは低迷している。

そこへ石廊崎沖での爆釣劇が徐々に広まり、夏のスルメ釣りを楽しみにしているファンが足を向けるようになっていった。

今回取材した西伊豆土肥恋人岬のとび島丸、鈴木健司船長に話を聞くと、石廊崎のスルメ釣りに参入して今年で4年目とか。

夏の定番だったカツオが釣れなくなってきたことがきっかけだったそうだが、以来ポイントの開拓、
仕掛けや釣り方の研究を重ね、今では夏の看板メニューになっている。

その石廊崎沖のスルメイカ、昨年はやや不調だったようだが、今年は今のところ出船すればトップで50~80杯前後は釣れている模様。

サイズも胴長30cm前後と良型ぞろいで、好反応に当たるとそれこそ電動リールが悲鳴を上げるような重量感たっぷりの多点掛けが味わえる。

ただし、石廊崎沖は釣り場の水深が170~250m前後と深い、潮の流れが速く二枚潮になりやすいなどの特徴がある。

それらを加味したうえで道具や仕掛けを準備する必要がある。

釣り船

この夏、スルメイカ釣りを満喫したいなら石廊崎沖へ。

タフコンディションに耐えられる と仕掛けを

まずタックルに関しては、基本的には一般的なイカ用で大丈夫。

ただし多点掛けしたときの重量感、速潮による高負荷、場合によって200号まで使うオモリの重さなどが加わるため、竿はなるべく強度のあるタイプを使いたい。

ちなみに取材日はワンピースのグラス系イカ竿を使っている人が多かった。

リールは糸巻き量との相談にはなるが、シマノ3000番、ダイワ500番クラスが安心。

巻いておく道糸は、とび島丸ではPE4~5号400mを推奨。

PE3号でも構わないが、オマツリ時や巻き上げ中に高負荷がかかると高切れしてしまうことがあるので、必ず予備のリールか道糸を用意しておきたい。

もう一つ、リールとともに忘れてならないのがバッテリー。

高負荷がかかるので容量の少ないバッテリーだと一日持たないことがある。

もちろん船電源や貸しバッテリーの用意はあるが、乗船人数が多かったりすると電力供給が安定せず、リール本来のパワーを発揮できないことがある。

念のため予備バッテリーを持参しておくと安心。

仕掛けは直結で釣る人が多いが、ブランコ仕掛けでもOK。

ただしブランコ仕掛けだとサバにつかまったり、オマツリしたときにほどきにくいなどデメリットもある。

好調時には1杯2杯落ちても気にならないくらい乗ってくるから、慣れない人でも練習と思い、ここでは初心者でもツノ数を減らすなどして直結仕掛けでチャレンジすることをおすすめしておく。

プラヅノは18cmがおすすめ。

14cmでも乗らないことはないというが、アピール力が違うのか、釣果に断然差が出ることがあるという。

プラヅノのカラーはピンク、ブルー、ケイムラをベースに黄色やグリーン、ガス糸巻きの赤白などをアクセントとして入れておくと効果的なことがあるそうだ。

幹糸は前述のように多点掛け、高負荷を考慮すれば太めの12~16号が船長のおすすめ。

また、18cmのプラヅノは直結環付きのタイプが多いと思うが、船長は幹糸は直接カンナに結ぶことをすすめる。

何回か使用したツノだと、直結環のプラスチックの部分が折れてしまう事例がけっこうあるそうだ。

オモリは潮の速さや乗船人数などにより150号、180号、200号を使い分けるので、各号を用意しておき船長の指示に従おう。

そのほか仕掛け周りであったほうがいいのはイカ用ヨリ取りリングと中オモリ。

そして仕掛けをたぐるときのために指サックや滑り止め付きのグローブも忘れないようにしたい。

道具立て

釣行の写真

リールはPE4号が400m以上巻ければベスト。予備のバッテリーを持参しておくと安心。

釣行の写真

オモリ200号以上の負荷に耐えられるイカ竿を使いたい。

釣行の写真

(左下)オモリは150~200号までを用意。(左上)中オモリやイカリングもあったほうがいい。(右上)ハリスは強度、さばきやすさとも太めが吉。(右下)イカ釣りに慣れない人はグローブ着用がおすすめ。

釣行の写真

プラヅノは18cm、ケイムラ、ブルー、ピンクの基本色をベースにしておけば間違いない 。 使い古したツノだと直結環が破損する可能性がある。

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ただ巻くだけでイカは乗ってくる

石廊崎のスルメ釣りも船長が魚探やソナーを駆使して反応を追って狙っていく。

潮具合によりひと流し1投になることもあれば、3~4回入れ直せる流しもある。

いずれにしろ船長がアナウンスする指示ダナの範囲を探っていくが、おおよそ底反応と宙層反応の2パターン。

宙層反応の場合はリールのカウンターを目安に指示ダナ下限まで仕掛けを下ろしてから指示ダナ上限へと探っていく。

底反応の場合は「下からやって」などとアナウンスがあるので、オモリが着底するまで下ろしていく。

石廊崎ならではの釣り方といえるのがここから。

船長が「早巻き掛け」というように、オモリが着底したら、すぐに電動巻き上げを開始する。

あとは指示ダナの上限まで巻き上げ、乗りがなければもう一度底まで下ろして巻き上げる、を繰り返す。

巻き上げ速度は状況にもよるが、おおよそ中速の15くらいが目安。

巻き上げ中はアクションを入れないタダ巻きでもいいし、時どきシャクリを入れながら巻き上げてもいい。

ただ、シャクリを入れるときは巻き上げ中に仕掛けが下がらないように注意。

この、巻き上げだけでイカが乗る理由を鈴木船長に聞くと、おおよそ次のようなイメージ。

まず仕掛けが着底するときにはすでにイカが仕掛けの周りにいるか、ツノを抱いている。

しかし、二枚潮になりやすい石廊崎沖では着底時に糸フケが大きく出て乗りが分かりにくい。

場合によっては仕掛けが底を這うような状態になっている。

このまま待っていてもイカがツノを放してしまうので、仕掛けが着底したらすぐに電動巻き上げで糸フケを巻き取り仕掛けを立てていく。

これでツノを抱いていたイカが掛かり、さらに巻き上げ続けることで周囲にいたイカが寄ってきてズシッ、ズシッ、ズシッと多点掛けのでき上がり、というわけ。

底付近でシャクリを繰り返したり、大きなシャクリを繰り返しながら巻き上げると、逆にせっかく近くにいるイカを散らしてしまうという。

上級者は仕掛けがタナに入る前にサミングしてイカの触りを取って掛けていったりもするが、慣れないとなかなか難しい。

それよりも、船長が投入合図を出すときはイカの群れを直撃していると信じてズドンと仕掛けを下ろし、グイグイ巻き上げ乗せていく。

そんなシンプルな釣り方を心がけていたほうが釣果はのびるはずだ。

釣行の写真

(左)水深210mで底から 140mまで立ち上がるような反応。こんなときは底から探っていくと多点掛けが期待できる。(右)水深200mで140~180mに浮いた反応。こんなときは底まで仕掛けを下ろしてもイカは乗らない。

釣行の写真

竿先を海面へ向 けながら電動の中速で巻くだけでイカは乗ってくる。

出典:隔週刊つり情報

トラブル回避が釣果アップのコツ

石廊崎のスルメイカは、フレッシュな群れが多いためか乗せるまでは比較的簡単。

釣果をのばせるかどうかは、その後が大切。

取り込みについては直結仕掛けだけに慣れるしかないのだが、初心者はツノ数を少なくして、イカが乗っていればとにかく仕掛けを船内にたぐり込んでしまう。

ツノを投入器にしまいながら取り込むと、そのときに仕掛けが下がってイカがバレてしまいがちだ。

釣果をのばすためにもう一つ大切なのが、なるべくオマツリでのトラブルを回避すること。

潮が速く水深も深いため、乗船者が多いときはどうしてもオマツリしてしまうが、なるべくタイムロスを減らすためには、投入時(再投入含む)にツノを投入器へしまって、オモリをなるべく遠くへ投げること。

仕掛けが入る位置をほかの人とずらすことで多少なりともオマツリを減らすことができる。

オマツリ回避という点では、巻き上げスピードの調整にも気を配りたい。

例えば潮によっては仕掛けが巻き上がってきたときにトモやミヨシ方向へ流されたりする。

もし仕掛けがトモ方向へ流されるとき、イカを乗せたタイミングが同じだとして、ミヨシ側の人がトモ側の人よりゆっくり巻き上げていると、仕掛けが上がるころにはトモ側へ流されてオマツリしやすくなってしまう。

そんなときには巻き上げスピードを少し速めてトモ側の人より先に仕掛けが上がるようにすると、オマツリを減らすことができる。

なかなか自分で状況判断するのも難しいから、取り込みでオマツリが頻発するときには船長や仲乗りさんに巻き上げスピードはどれくらいがいいか聞いてみるといい。

適切なアドバイスをしてくれるはずだ。

釣行の写真

イカが乗っていればとにかく仕掛けを船内へたぐり込んでしまう。

釣行の写真

オモリを遠くへ投げ込んでオマツリを回避。

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