お手軽ライトキンメ
美味で人気のキンメは、深海釣りの経験がほとんどない私にとって憧れのターゲット。
タックルもなければ釣り方も分からない私のような初心者が一人でも楽しめるのが、相模湾小坪港の太郎丸、葉山あぶずり港の長三朗丸、愛正丸、三崎海外港の伊三郎丸で出している乗合船。
各船とも貸し道具が充実しており、釣り方を教えてくれる。
主な釣り場は三浦半島と大島の中間付近にある沖ノ瀬の水深300~400m前後。
深海のターゲットを狙う釣りとしては比較的軽量なオモリ300号前後の仕掛けを使うライトなスタイル。
今回キンメ・ムツ五目乗合で出船する相模湾小坪港・太郎丸の高橋良至船長に相談すると、「うちでは初心者大歓迎、貸し道具もそろってます。クーラー一つ持って遊びに来てください」とのこと。
乗船した12月14日は14名のお客さんが集まり、私のほか2名がレンタルタックルでの初チャレンジ。
6時10分に出船すると、航程1時間ほどで釣り場の沖ノ瀬に到着。
水深300~400mで釣り始めるとなんと1投目から28cmのキンメが釣れ、2投目に32cmのキンメを追釣。
初チャレンジの方もキンメとクロムツ(ムツ)のダブル。
3投目は数名のベテランが30~40cm前後のキンメを3~6点の多点掛け。
終盤になると船中45cmのクロムツ(ムツ)や34~45cmのアカムツも交じり皆さんのクーラーが賑やかに。
沖揚がりの14時までに28~43cmのキンメをトップが8枚釣り上げた。
釣り方は船長が出船前にレクチャーしてくれるだけでなく、釣り場でも分からないことがあれば教えてくれる。
投入や回収などは指示があるので安心。
これまで難しく感じていたキンメ釣りがグッと身近に感じられた。
ここからは今回の取材で太郎丸の高橋船長から教わった沖ノ瀬のキンメ釣りについてのタックルや仕掛け、釣り方などを紹介しよう。
初めてならフルレンタルを利用しよう
沖ノ瀬のキンメ釣りで使うタックルは、竿は全長2m前後、オモリ250~350号を背負える7:3調子の深場竿やキハダ対応の青物用ワンピースロッドなど。
リールはPE6~8号の道糸を500m以上巻いた中大型電動リール。
深海釣りの道具をそろえると10~20万円以上の出費となるため、未経験者はもちろん、年に一度の釣行であればレンタルタックルの利用がおすすめ。
太郎丸のレンタルタックルは竿、電動リール、ロッドキーパー、マグネット板、オモリ(船宿標準250号、速潮時350号、紛失時は有償)。
予約時に申し込むと当日は船長が釣り座に準備してくれる。
ほかにクーラーボックス、オマツリしたときに枝スを切るためのハサミ、歯の鋭い魚が掛かったときに口からハリを外すペンチ、取り込み時のケガを防止する指サックを持参すればOK。
仕掛けは胴つき5~10本バリで、太郎丸のオリジナル仕掛けは幹糸18号、枝ス10号、ムツバリ17号の6本バリで初心者でも扱いやすい仕様。
ひどいオマツリさえしなければ何回でも使い回せるので受付で1組購入し、修復不可能な状態になったら船で買い足せばいい。
出船前の準備は、仕掛けを道糸側のサルカンに接続してハリをマグネット板に並べていく。
オモリを付けたら転がらないように置き、 投入時、スムーズに道糸が外れるようロッドキーパーの糸止めに下から止めておく。
釣り場は沖ノ瀬の水深300~400m
出典:
キンメの煮つけ。釣りたてを味わえるのは釣り人の特権
出典:
キンメダイ基本仕掛け
釣り座のセッティング例
(仕掛け)太郎丸の船宿仕掛けは全長約12mの6本バリ(オモリ)標準オモリ250号、潮が速いときは350号(エサ)船宿支給のエサはサバの切り身。付け方は皮側から先端中央にチョン掛けにする
出典:
あると便利なアイテム
快適に釣りを楽しむため、仕掛けなどを切るためのハサミ、歯の鋭い魚の口に掛かったハリを外すためのペンチ、取り込み時にケガしないための指サックを持って行こう
出典:
投入はミヨシから順番に合図と同時にオモリを投入
キンメ釣りは投入から巻き上げまでロッドキーパーに竿をセットしたままでいい。
釣り場に着いたらまず投入の準備。
道糸が竿先に絡んでいないか確認。
また、投入時のトラブルを避けるため足元に物を置かないようにする。
続いてエサ付け。
付け方はチョン掛けで、サバの切り身の端の中央に必ず皮側からハリを刺し、マグネット板に並べていく。
投入はミヨシから順番に行うので、仕掛けが足に絡まらないようにマグネット板の端に立ち、オモリを持って投入の合図を待つ。
自分の番となり、船長から「どうぞ!」と合図があったら、オモリを軽く投げ入れる。
投入後、すぐに動くとトラブルになるので、仕掛けがすべて海中に入るのを待ってから竿側へ移動し、リールのクラッチを切る(投入前にクラッチを切るとバックラッシュしやすい)。
全員の投入が終わると船長から水深がアナウンスされるので覚えておく。
実際の水深より道糸が出るのでリールのカウンターを見てアナウンスされた水深になったらスプールを親指で軽く押さえて道糸が入っていく海面を注視。
勢いよく出ていた道糸がたるんだり、道糸の出が止まったら着底の合図だ。
キンメ釣りは着底が分からなければ始まらない。
当日は潮が速く、オモリ250号では着底が分かりにくいため、350号で統一した。
初めてで着底が分からないと思ったら船長に聞いてみよう。
投入時にオマツリしない理由を船長に聞いてみると、船を後進させながら順番に投入することで仕掛けが扇状に広がるからとのこと。
船長の合図と同時に投入できないときはオマツリしてしまうため1回休みとなる。
オモリを持ってマグネット板の端に立ち、船長の合図と同時に前方へ投入
出典:
リールのカウンターが船長がアナウンスした水深になったらサミングする
出典:
投入時の船の動きと沈む仕掛け
船長は船を後進させながら指示を出すのでミヨシから順番に投入していく
出典:
底上5mで待ちアタっても巻き上げない
キンメの反応は底上10~20mに出ることが多い。
6本バリ仕掛けは全長が約12m、オモリを底から5m浮かせればタナの半分以上をカバーできる。
仕掛けが着底したら糸フケを取り、まずは底ダチを再確認する。
道糸がしっかり立ったら、道糸のマーカーを目印に5m巻き上げて待つ。
船長から指示があるのは、水深がだんだん浅くなったり、深みへ落ちていったりする急な崖のような場所を探るとき。
「だんだん浅くなります」というアナウンスがあれば、根掛かりしないようオモリが底に着いたら5m巻き上げる。
逆に「だんだん深くなります」というアナウンスがあったときにそのまま待ち続けると、仕掛けがタナから外れてしまうので、2分に1回くらいタナを取り直す。
船長の指示で中速で巻き慌てずゆっくり取り込む
キンメが掛かると小刻みに竿がたたかれる。
ただし船長から指示がない限りはジッと追い食いを待つ。
巻き上げは片舷ずつ一斉に行い、「右(左)舷の方から巻き上げてください。(しばらくしてから)続いて左(右)舷の方も巻き上げてください」といった具合に指示がある。
巻き上げ時のオマツリを防ぐため、魚が掛かっていてもいなくても中速で巻き上げる。
レンタルタックルの場合は、あらかじめ巻き上げ速度がセットされているので電動リールの巻き上げボタンを押すだけでOKだ。
巻き上げの時間を利用して、取り込み時にケガを防ぐため指サックをはめて、取り込んだ魚を入れる海水をくんだタルを足元に準備。
このタルは取り込みが終わったら再投入の邪魔にならない所に置く。
取り込みは、巻き上げが止まったら竿を立て、道糸をつかんでロッドキーパーの糸止めに掛けてから仕掛けをたぐる。
ハリはマグネット板の竿側から順番に並べていくが、1本回収するごとに一歩ずつトモ側へ移動し、仕掛けを絡ませないようゆっくり行う。
キンメは取り込み時のハリ外れも多いので、掛かっていたら船長や隣の方がタモでサポートしてくれる。
取り込んだ魚は足元などに置くと暴れて仕掛けが絡まるので、先ほど用意したタルにいったん入れておき、オモリまで回収したあとにハリを外す。
取り込んだ仕掛けがヨレていたら、いったんオモリから仕掛けを海に下ろし直して、枝スのヨリを取りながら再び回収し、マグネット板にハリを並べていく。
このときは慌てずにゆっくりやればいい。
サルカンの上部をつかみ、もう片方の手でハリをつかんで引っ張ると簡単にヨリを取ることができる。
キンメ釣りは巻き上げを待つ間に、何点掛かっているのか、もしくは何が掛かっているだろうと想像するのが楽しい。
今回私はレンタルタックルを使い、船長に教わったとおりに釣ることでキンメを手にすることができた。
次はアナタの番、ぜひ挑戦してください!
レンタルタックルのリールは、左側の丸いボタンを押すだけで中速で巻き上げられる
出典:
取り込んだキンメはいったん海水の張ったタルの中に入れておき、先に全部のハリを回収する
出典:
キンメダイの釣り方例
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隔週刊つり情報(2022年1月15日号)※無断複製・転載禁止