8月1日、相模湾のコマセ釣りによるカツオ&キハダ釣りが解禁した。
今年の状況を占う第1戦はファンとして大いに気になるところだが、相模湾3号ブイ付近でカツオとキメジの混成反応をとらえると、開始から両魚が顔を出して無事に幕を開けた。
取材した相模湾小坪港の洋征丸でも開始からヒットが続いた。
カツオは3kg前後とサイズがよくバラシが続出したものの、初日は顔を見られるかどうか出てみないと分からないものだけに「今年のカツオはいけそう」との前評判どおりの魚影に一安心。
その後は群れが沈み食いが止まってしまったものの、後半には再びカツオがバタバタ上がるシーンもあってトップ3本が2人、2本が5人と初日にしてはまずまずの釣果だった。
今年はカツオでお土産を作り、キハダも狙うという理想的な展開を期待できそうだ。
「食ったぞー!」
「こっちはカツオだ」
「いいキメジだ」
2024年8月1日。
コマセ釣り開幕を迎えた相模湾では開始早々に良型カツオとキメジが姿を出した。
ここ2年ほどはカツオが少なく、シーズン後半は特大サイズのキハダが出てはいたが全体的に盛り上がりに欠けた。
今シーズンの事前情報では相模湾内にはイワシが多く、それを追ってカツオ、キハダの群れが入り込んでいたし、ルアーや一本釣りでは好調に釣れていた。
だが、今までイワシを追っかけていた群れがいきなりオキアミコマセを食うかというのが開幕当初の不安要素。
ある程度コマセをまいているうちにエサと認識して慣れてくるが、それがいつからなのか。
ところが今シーズンはそんな不安は全くなかった。
![釣行の写真]()
▲朝イチに5.1kgのキメジが交じった
出典:
いきなりコマセに好反応
今回乗船したのは相模湾小坪港の洋征丸。
20人の釣り人を乗せて相模湾中央部を目指す。
トビウオの姿を眺めながらしばしクルージング。
するといきなり船速が上がり水飛沫を上げながら突き進む。
前方には10隻ほどの船が集結している。
1日は葉山は定休日、小田原も休みとあって通常の3分の1以下の船しかいない。
場所は相模湾3号ブイ(パヤオ)が見えるが、パヤオに着いているという感じではない。
「どうぞ、タナは20くらい」と高木洋征船長のアナウンスでスタート。
皆さん素早くコマセをまいてタナにセット。
するといきなり両ミヨシでヒット。
左舷ではカツオ、右舷はカツオのバラシ、すぐに左舷胴の間でキメジが上がる。
カツオは3kgクラス、キメジは後検量5.1kgだった。
カツオのサイズがよく3kgオーバーがほとんどだったので、ハリスは16号前後、ハリは13~14号程度の使用がおすすめだ。
周りの船に目をやるとあちらこちらでタモ入れシーンが。
すぐに次の反応を追って移動する。
「すぐに入れられるようにしておいて」と船長。
この場合、コマセはもちろん付けエサもセットし、合図と同時に投入できるようにしておく。
これがまず第1のカギだ。
その後すぐに右舷ミヨシでキメジがヒット。無事ランディングされたが、この後2連続でバラシ。
ここから胴の間にアタリが集中するも、皆さん久しぶりすぎてドラグが緩んでいたり、取り込みで手を滑らせたりでほとんどバラしてしまう。
オマツリしながらもどうにか4kg近いカツオが上がった。
カツオにバラシは付きものだが、残念なバラシが多かった。
胴の間にアタリが集中したのは、一番コマセの濃い場所に群れが突っ込んできたからと思われる。
群れを追いかけて釣る場合、カツオ、キハダともに胴の間にアタリが集中することが多い。
1回戦は15分ほどで終了も船中でカツオ2本、キメジ2本が上がり、誌面はできそうだと一安心。
この時期、お盆進行なるものがあり、印刷所がお盆休みに入るため締め切りが前倒しになる。
取材チャンスは今日の一回こっきり、この日の取材はすごいプレッシャーだと船長は言うが、まずは安堵の表情を浮かべた。
船団は少しずつばらけだし、再び群れを探してクルージング。
反応を見付けて投入しても、カツオの下にキメジの反応があり、船下を避けたり深く潜ってしまうことが多いようだ。
船長はソナーで船の周囲にいる群れを探す。
その群れが船下を通過するように船を回し、タナを見極めて投入の指示を出す。
「キメジと一緒の群れは動きが変ですね。うまく船下を通過してくれないです」と船長は嘆く。
ハリスを張った状態で待つ
と、ここで船長のすすめる釣り方を紹介する。
カツオ、キハダともに一番重要なのは、ハリスがある程度ピンと伸びた状態で、付けエサがコマセの中にあることだという。
ハリスがたわんだ状態では食ったとしてもアタリが出るまでにタイムラグがあり、掛かりどころも悪くなるのだという。
ハリスがある程度張っていれば、エサが口に入ってすぐに竿先にアタリが出るため、すぐに合わせを入れられるのだ。
この状態を作るには、例えば全長2mのカツオ仕掛けを使用していて指示ダナが海面下20mだった場合、24mまで落とす。
そこでストップしたらすぐに2m巻き上げる。
ここですでにハリスは少し真っすぐになっている。
その場所から2~3回に分けてコマセをまき、20mまで上げて待つ。
これを素早く行うことでアタリを出やすくする。
ハリスが長い場合もハリスの倍の長さ分落とし、ハリス分巻き上げてからコマセをまく。
こうすることで、コマセと付けエサが同調しやすくなる。
また、ドラグ調整は「カツオが走っても出ず、キハダが掛かったときに出るくらいがベスト」とのことだが、自分で判断が難しいときは一度船長に見てもらうのがいいだろう。
昨年、一昨年とカツオが不調だったっため、この日カツオを掛けるのが久しぶりという人が多く、ドラグが緩いがゆえのバラシが目立った。
とくにカツオメインのときは投入前にチェックして締めておこう。
この日はキメジの反応は多かったが、キハダらしき反応はなかったようだ。
しかし、翌日はキハダの群れを多く見られたという。
キハダがいる場合は船長から「カツオの人は20m、キハダの人は40m」などと、分けて指示が出ることもある。
キハダ狙いのときは、仕掛けをチェンジしておく。
シーズン初期、キハダのサイズが30kg未満の場合はフロロハリス20~26号を4~6mほど。
念のため10mほどの長めの仕掛けも用意しておくと安心。
キハダを狙っていても、次の反応ではカツオ狙いになることもある。
臨機応変にどちらの仕掛けもすぐに交換できるよう準備しておこう。
![釣行の写真]()
▲後半、キメジが抜けてカツオのみの群れになると食いが急上昇
出典:
翌日は爆釣!今年は期待大
群れが深く潜ってしまい、しばらくクルージングタイムが続く。
船が急加速したのは11時半近くのことだった。
再び朝イチに食った周辺のポイントに船が集結。
海面ではカツオがポコポコと姿を現している。「15m、もっと上でもいいかも」のアナウンスで第2ラウンドがスタート。
コマセの船に加えてルアー船も合流。
いきなりこの周辺だけ気温が上がっているような雰囲気だ。
「食ったー」左舷胴の間でヒットすると、右舷ミヨシでもヒット。
フライングブリッジで操船する船長が釣り人のもとへ飛んでいく。
まさに飛んでいくという表現が正しいと思える電光石火ぶりだ。
ここで3kgオーバーのカツオが流しのたびに2~3本ずつ上がる。
相変わらずバラシも多いが、アタリは多くなってきた。「キメジの群れと離れてカツオだけになったんで、素直に船下に入ってくれるようになりましたね」と船長。
先回りしたら想定したとおりに船下を通過するようでだれかしらにアタリがある。
周りの船でもちょっとしたお祭り状態だ。
やっぱりカツオ釣りはこうでなくっちゃ!
いったん群れが消えてしまったものの大きな反応をとらえたのはラスト1時間を切ったころ。
ここでは船中満遍なくアタリが出て2~3本釣る人も。
5~6人に同時ヒットするシーンもあって、初日にしてはかなりコマセへの反応がよかった。
このラストの盛り上がりでそれまでボウズだった人も多くの人が顔を見ていった。
結果はカツオ、キメジを0~3本、船中21本でキメジは朝イチに出た2本だった。
残念ながらゼロも出てしまったが、4回ヒットしてすべてバラしてしまった人もいるなどアタリ多かった。
顔を見られるかどうかという初日にしては上々のスタートと言えるだろう。
翌日はさらに食いが上昇して4~8本。
他船では20kg前後のキハダも顔を出し、シーズン初期の「本来の姿」が復活したようだ。
湾内にいる群れだけでなく、沖から新群れが入ってくれば今後も大いに期待できそうだ。
いやいや、できそうじゃなくて、期待できる!と言い切っちゃう。
![釣行の写真]()
▲カツオは3kg前後主体で最大は3.7kg
出典:
![釣行の写真]()
▲ラストに盛り上がりを見せた
出典:
INFORMATION
相模湾・小坪港
洋征丸
0467・23・9517
▼備考=予約乗合、6時出船
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