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【テンビン快釣!テンヤは激ムズ】タチウオ

隔週刊つり情報編集部

東京湾のタチウオがジワジワと調子を上げてきている。

ここ数年のように乗っ込みのドラゴンフィーバーとはなっておらず、テンビンとテンヤで明暗が分かれているのが現状だ。

船のルールを確認のうえ釣行しよう

一時は一年中釣れるようになった印象のある東京湾のタチウオだが、今年の春~初夏にかけてはかなり模様が厳しく出船を中止する船も多かった。

それが6月に入ったころからジギングで釣果が上がり始め、いい日は130cm前後のドラゴン級交じりでトップ50~60本釣れるようになったのは前号既報のとおり。

そして7月に入ってからはテンビン仕掛けでジギングに負けず劣らずの釣果を出す日も出てきている。

今のところ釣り場は走水~猿島沖、観音崎沖、富津沖と分かれており、アタリは少ないが比較的良型が期待できるのが走水~猿島沖、60~80cm前後が多いものの数が望めるのが富津沖、観音崎沖といったところ。

浅場でお土産を釣ってから型狙いに移行したり、数より型で終日走水~猿島沖を攻めたりと、状況により、船により、狙い方は様ざまだ。

また、乗合船はテンビン仕掛けのエサ釣り、ルアーのジギングを専門にする船をベースにルアー船の場合はテンヤがOKの船、エサ釣りの場合はルアーOKの船、テンヤとルアーOKの船とに分かれる。

さらに船ごとに使用できる道糸の号数、オモリの重さ、釣り方によって席を分けるかどうか、途中で釣り方の変更が可能かどうかなど、細かいルールを定めている。

釣行に際しては各船の規定を確認のうえ、自分の目的に合った船を予約するようにしたい。

釣行の写真

船によって狙うポイントも変わってくる。

釣行の写真

ポイントによって釣れるタチウオのサイズも違う。

テンビン&テンヤのタックル&仕掛け

ここからはエサ釣りに絞って話を進めていこう。

まずテンビン釣りのタックルと仕掛け。

最初に確認しておくべきは船ごとのルール。

道糸号数をPE2号まで、1.5号以下など定めており、道糸の太さによって使用オモリを変更する船もある。

オマツリでのトラブルを避けるため、道糸の太さは船の基準に合わせるようにしよう。

オモリ号数に関しては、浅場も狙うようになった現在は40号、60号、80号を使い分ける船が多い。

必ず各号数、予備も含めて準備しておきたい。

テンビンについては腕長25~30cmの小さめが基本。

大きすぎるテンビンは潮の抵抗を受けるし、アタリも分かりづらくなってしまう。

ハリスは5~8号全長2m前後の1本バリを推奨する船が多い。

船によっては2本バリOKとするところもあるが、これも船のルールに従うようにしたい。

ハリのサイズはポイントによって大小交じるので、1/0~3/0まで各号用意しておき、状況に応じて結び替えるのが理想。

タックルに関しては、食い込み重視で軟らかめの7:3調子、仕掛けをキビキビ動かしやすい操作性重視の8:2調子のどちらかが使われることが多い。

その人の釣り方や海況によって有利不利も出てくるので、硬軟2本の竿を用意しておくのがベスト。

リールは超小型電動が主流だが、比較的タナが浅めの夏場は手巻きの両軸でもいい。

一方、テンヤ釣りのタックルと仕掛け。

ここ数年のブームでテンヤ専用竿を購入した人も多いだろう。

もし専用竿を持っていなくてこれからテンヤの釣りに挑戦してみたいという人は、テンビン用の7:3調子では軟らかくて合わせ遅れるため不向き。イカ竿や硬めの餌木タコ竿などを流用したほうがいい。

ちなみにテンヤ用の貸し道具はほぼ用意されていないのでご注意を。

テンビン仕掛けと違って、テンヤの釣りでは必ず道糸にフロロカーボン8~10号前後のリーダーを2~3結んでおくこと。

取り込み時に細いリーダーを手にするとケガをする恐れがある。

テンヤの号数は40号または50号で、船の指定があれば従うようにする。

浅場の場合は状況によって30号以下のテンヤも使用OKとする船もある。

なおエサのイワシについては、テンヤ専門船は少ないので、別途購入する船が多い。

船によってはイワシの用意がないこともあるし、船上での追加購入が可能かどうかも変わってくるので、事前に確認しておきたい。

釣行の写真

(左上)テンビン仕掛けは幅広いオモリ号数を用意しておこう。(左下)大型に備えて太めのハリスも用意しておきたい。(右)ハリのサイズも小型主体のときは小さめ、型狙いでは大きめと使い分けたい。

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釣行の写真

テンヤの場合はイワシエサの有無も確認しておきたい。

シャクリながらタナを探り上げていくのがテンビン仕掛けの基本

テンビン仕掛けの釣り方は、船長が指示するタナの範囲を下から上へシャクリながら誘っていく。

底からの指示以外では、反応が散ってしまうので指示ダナ下限より下ろさないこと。

下限のタナまで仕掛けを下ろしたら、まずは素早くハリス分の2mほど巻き上げてハリスを張る。

仕掛けがたるんだままシャクリ始めてもアタリが伝わらないことがあるからだ。

シャクリ方はおおよそ2パターン。

基本となるのは竿先を海面へ向けて下げ、30~50cm幅でキュッとシャクリ上げる方法。

シャクリ上げたらピタッと数秒止めてアタリを見る。

アタリがなかったら竿先を下げつつリールのハンドルを1/3回転ほど回す。

これをイチ、ニー、イチ、ニーのリズムでテンポよく繰り返す。

もう一つはノーテンションフリーフォールと言われるシャクリ。

こちらもシャクリと止めを繰り返すのは一緒だが、竿先でシャクるのではなく、竿全体を持ち上げるようなイメージでシャクるのがコツになる。

基本のシャクリがハリスが張ったままエサがスーッ、スーッと上がっていくイメージなのに対し、ノーテンションは竿先を止めたときに一瞬ハリスにたわみを作るイメージ。

このたるみがスレたタチウオに効果的とされる。

いずれのシャクリ方でも止めの間、シャクリ幅、シャクリの強弱などに変化をつけることでアタリが出やすいパターンを探っていくのが鉄則。

目安としては、ルアー船でよく釣れているようならシャクリは早め強めで止めの間も短め。

食いが渋くなかなかアタらないようならシャクリは弱め小さめ、止めの間も長め。

そのほか周りでよく釣っている人がどんなシャクリでアタリを出しているのか観察することも大切になる。

釣行の写真

テンヤ用の竿をテンビン仕掛けに使うのもあり

テンヤに反応しないときの奥の手

一方、現況厳しいと言われているテンヤ。

とくに浅場狙いでは手も足も出ないことがある。

テンヤ有利とされる型狙いの走水~猿島沖でも、なかなか厳しい日が多い。

名手と言われる人でも一日10回アタリがあればいいほうで、うち取れるのは2~3本なんてこともこれまではあった。

7月に入っていくらか様子がよくなってきたとはいえ、厳しいことに変わりはない。

では、そんな状況でどう釣っていけばいいのか。

東京湾でのテンヤの釣り方もあらかた確立されてきており、おおよそストップ&ゴー(トゥイッチ)系、デッドスロー系、バイブレーション系の3パターンの誘いがある。

とくに最近はバイブレーション系の誘いが人気で、船上を見回すとシャカシャカ動かし続けている人が多い。

それでアタリが出れば問題ないが、そうはいかないのが今の東京湾。

その理由について、三石忍はこう話す。

「冬の産卵期はリアクションバイトでアタった魚を掛けにいくことができるためノンストップバイブレーションなどが有効でしたが、夏の産卵期は魚がナーバスになりがちなので、どちらかといえばステイを長めに入れる誘いが有効になります」そのため夏場はトゥイッチ系の誘いが効果的なことが多い。

とはいえ、上へ上へ追ってくることも少なく、かといって定点を狙い撃ちできるほどタナも定まらない。

そこで三石忍が取った戦略が「3m定点」。

反応の幅が狭いうえにどこでアタるか分からないとき、上へ上へ誘っても期待はできない。

なので竿先を海面へ向け下げた位置から竿先を立てた約3mの幅の中でトゥイッチやバイブレーション、フォールといった誘いを繰り出しアタリを出していくというもの。

とくに取材時に有効だったのがフォールの誘い。

テンションフォールを入れてから長めの止め、これでアタリが出ることが多かった。

もちろんバイブレーションやトゥイッチでアタリが出ることもあるが、引き出しの一つとしてフォールの誘いを覚えておきたい。

ちなみにフォールでアタリが出るときは押さえ込んだりひったくるようなアタリが多い。

上へ追わせて出る跳ね上げアタリに比べてバレやすいのはそのため。

なるべくバラシや掛け損じをを防ぐためには竿のセレクトも重要。

バキバキの硬めの竿ではうまくハリ掛かりさせられないことも多いので、そんなときは少し軟らかめの竿を使ってみるのも方法とアドバイスしてくれた。

テンビン仕掛けで手堅く釣るか、テンヤで一発大物に賭けるか。

いずれにしろ一筋縄ではいかない今年の東京湾の夏タチウオ。

熱くなりすぎないよう、熱中症に注意して、思い思いに楽しんでいただきたい。

釣行の写真

竿1本分の幅でアタリを探していくのが3m定点。

釣行の写真

忍をして難しいと言わしめるのが今のテンヤタチウオ。

ONE POINT ADVICE:夏場はエサの管理も重要

テンビン、テンヤに限らず夏場はエサの管理も重要。

船ベリに出しっぱなしにしているとすぐに干からびてしまう。

エサは保冷の効いたクーラーへしまい、小出しにして使うようにしたい。

釣行の写真

エサ用のクーラーを用意しておくのがベスト。

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