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湾内タチウオ、変わらず順調テンヤ独特の釣り味を楽しもう

隔週刊つり情報編集部

相変わらず好調な東京湾内のタチウオ、目下メインとなっている釣り場は猿島~走水沖の水深60~70m前後。

80~90cm級に時折ドラゴンが交じる状態で、やや日によるムラがあるものの少しずつ上昇気配が見えている。

テンビン、テンヤはお好み次第だが、独特の釣趣を味わえるテンヤタチウオは、少ないながらも専門船を出す船宿もある。

一発大型に的を絞ってチャレンジしてみるのにも最適だ。

釣行の写真

(左)掛け損なった末の1本はとくにうれしいもの(右)この日の竿頭は20本だった

釣行の写真

▲アタリは多いものの掛けるのは難しい。うまくハリ掛かりさせればこのとおり

釣行の写真

▲手慣れた女性アングラーも多かった

釣行の写真

▲1m前後はかなり交じった

新進機鋭

今回はマルキユーから発売されている釣りエサ用調整剤4種を使って、テンヤタチウオ用のイワシエサをフォーミュラする手順、その効能などを紹介する。

マルキユー

▲マルキユーの調整剤。左端の軽締めアミノリキッドジャンボは新発売

新進機鋭 軽締めアミノリキッドジャンボほか

オキアミ、魚の切り身、イソメ類など、沖釣りで使用するエサは数多い。

基本的に乗合船などでは船宿が狙う魚にマッチしたエサを提供してくれるが、季節や入荷状況により常にベストな状態とはかぎらない。

そんなときに重宝するのがマルキユーから発売されている付けエサ用の添加剤シリーズだ。

マルキユーといえば、だれもが知っている釣りエサのトップメーカーだ。

メインとなるのがヘラブナや磯釣りなどに使用する配合エサ、そのほかに練りエサ類やエビ類などの食わせエサ、オキアミ、擬似餌に至るまで、湖沼河川を問わずほとんどの釣りを網羅するエサを発売している。

ただ船釣り用のエサに関してはオキアミ、アサリ、エビ、生イワシ程度で、わずか数種類のラインナップ。

実はこれ以外にも船宿用のコマセや付けエサなども製造しており、生きエサ釣りを除けば、マルキユー製品は船釣りにも広く使われているのだ。

マルキユー船釣り製品で付けエサに次いで多いのが、添加剤、調整剤などといわれるもの。

エサにかけて就餌力をアップしたり、適度にエサを締めてエサ付けしやすく、エサ持ちもよくする製品群だ。

主に使用するエサはサバやイワシなど魚の切り身類、エビ類、アサリやアオヤギなどの貝類、オキアミなどだ。

今回は「軽締めアミノリキッドジャンボ」が発売されたこともあり、マルキユーの添加剤の使用法などを併せて紹介する。

添加剤は主に4種テンヤタチウオに最適

今回紹介するのはオキアミや切り身などの付けエサではなく、使用するエサの就餌力をアップし、ハリ付けしやすく、エサ持ちもよくするために加える粉末や液体状の添加剤、調整剤といわれるものだ。

マルキユーでは5年ほど前、カワハギ用のアサリエサに使用する「バクバクソルト」を発売したのを機に、続ぞくとエサ用の添加剤を登場させている。

きっかけはタチウオのテンビン釣りに使用する切り身エサのようだ。

サバやコノシロの切り身は冷凍状態で支給されるが、溶けてくると身が柔らかくなってエサ持ちが悪くなり、手返しにも影響する。

そこで適度にエサを締め、なおかつアミノ酸などを配合して就餌力を上げる添加剤を企画し、発売に至った。

主に切り身エサ、生イワシ、オキアミなどに使用する現在のラインナップは、エサを強く締める「旨〆ソルト」、ほどよく締める「軽締めアミノリキッド」、就餌力を上げる誘引剤として「アミノ酸α」、「うまみパワー」の4種だ。

釣りエサの専門メーカーであるマルキユーでは、同社の研究開発課が製品の品質向上と維持、新製品の開発を担っているが、これらの製品にはもう一人、同社インストラクター、本誌でもおなじみの三石忍さんが監修者としてかかわっている。

新エサの現場テストなどはもちろん、同社の船用製品には企画開発の時点から参加、「バクバクソルト」など消費者に親しみやすい商品名の名付け親ともなっている。

今年の新製品である「軽締めアミノリキッドジャンボ」も、今までの製品では内容量が少なすぎるという彼女の声に応えて発売されたものだ。

これらの製品が現在、もっとも使用されているのが、テンヤタチウオに使用する生イワシである。

ご存じのとおり、イワシはスーパーで生を調達するか、船宿の冷凍エサを使用するかだ。

いずれにせよ東京湾のテンヤ釣りで使用するのは、ほどよく身が締まった20cm前後のイワシがベスト。

ただし、季節や産地、入荷状況でいつもベストな状態のイワシが手に入るわけではない。

そんなときに活躍するのがマルキユーの添加剤シリーズだ。

東京湾で使用する比較的大型のイワシは身自体が柔らかく、エサ持ちの悪いのが欠点でもある。

とくに夏場はすぐにドリップ(組織液)が出て、食いが悪くなるだけでなく身持ちも悪くなってしまう。

そこで使用するのが、粉末状の「旨〆ソルト」と液体の「軽締めアミノリキッド」である。

すぐに強く締めたいなら前者、軽く締めたいなら後者となる。

自前のイワシを冷凍保存する場合も、このいずれかを使用すると現場で困らない。

この2種には魚が好むアミノ酸のうま味も配合しているので、就餌力のアップにもつながっている。

粉末状の「アミノ酸α」と「うまみパワー」はアミノ酸のうま味で魚の食いを促進する添加剤。

前者にはフェロモン系特殊誘引剤「ウルトラバイトアルファ」を配合、後者はエビのフレーバーを配合という違った性質を持っている。

それぞれの製品がユーザーのニーズに則し、より最適なエサに仕上げる道筋をも示したマルキユーならではの製品といえる。

テンヤタチウオではエサの善し悪しが釣果に影響することも少なくない。

常にベストな状態のイワシを使用する、これも一つのテクニックともいえるだろう。

テンヤ専門船での実釣船宿のエサにも添加剤

実釣には三石忍さんに加え、製品開発を手がけたマルキユー研究開発課、課長の阿辺仁さんにも同行していただいた。

本人もタチウオ釣りが大好きという方である。

乗船したのは東京湾奥金沢八景の一之瀬丸だ。

同宿ではスポットでテンヤタチウオ専門乗合も出船しており、テンヤ釣りファンにはありがたい存在だ。

このところ、東京湾のタチウオはやや食い渋り。

どちらかといえばテンビン釣り優勢なのは、中小型メインとなっているからともいえる。

まずは阿辺さんに持参した状態の生イワシから、4種の製品を使って最適なエサに仕上げるまでを紹介してもらう。

「軽締めアミノリキッドジャンボ」は1リットルの大容量、まさに生イワシ向きの製品である。

「この添加材はほどよく締めるだけでなく、酸化を防ぐ効果もあるんです。ですから自前でエサを調達したとき、これに漬けて冷凍しておけば、ドリップが出にくくなるんです」と阿辺さんが説明する。

「カワハギのアサリエサも剥いたあとにこれに漬けておくといいですよ。剥き立てのいい保存状態を保てるし、適度な締まりでエサも付けやすいんです」と三石さん。

「旨〆ソルト」は身が柔らかいイワシを急速に、強く締めるときに使用する。

これは入手時のイワシの状態によるので、必ず必要ではないという。

残り2つ「アミノ酸α」と「ウマミパワー」は就餌力アップの製品。

どちらを使うかは好みである。

今回は阿辺さんが前者、三石さんが後者を使用。もちろん両方振りかけてもいいようだ。

7時に出船し、まずは猿島沖の水深65m前後を狙う。

一之瀬遥斗船長は、「60mから上に57mくらいまで」とピンポイントに近い指示だ。

狭いタナでバイブレーションなどを駆使するテンヤ釣りならではともいえる。

しばらくしてトモのほうで80cm級の船中1本目が上がる。

三石さんはテンヤのカラーを替えたり、誘いを変えたりで遅ればせながらの1本目は90cm級だった。

ポツポツの釣れ具合のまま8時を過ぎて本命の走水沖へ移動。

雨予報だったせいか、土曜日だというのに船団は20隻にも満たない。

一時はドラゴンサイズが乱舞したポイントだが、当日までの状況は船中で交じる程度。

こうなるとやはりテンビン釣りの姿が多くなってくる。

ここで私も竿を出してみる。

テンヤはテンビン釣り以上に苦手。

三石さんから専用竿を借り、テンヤは船長からお借りした。

イワシエサは船宿購入のものだが、解凍しても想像以上にしっかりして使いやすい。

聞けばすべての常備エサも軽締めアミノリキッドを使用しているとのこと。

釣り客への配慮、さすがテンヤ専門船だけのことはあると感心する。

エサはよくても腕が伴わないせいか、いつまでたっても私のにわかバイブレーションはアタリなし。

ようやく掛けた1本目は海面バラシ。

長い沈黙の末、置き竿にしておいたところに掛かった80cm級が初物となる。

以後、竿は曲がることなく納竿の14時を迎えた。

テンヤ釣りは奥が深いと改めて痛感した。

当日は終始トモ側にアタリが集中し、ミヨシに座った私たちは苦戦の日となったようだ。

船長はこまめに移動してくれたものの、アタリは散発的で長続きしなかった。

阿辺さんも三石さんも2ケタ前後の成績。トップは女性アングラーの20本で、テンビン釣りでさえ苦戦したこの日にしては上々の釣果だった。

願わくばドラゴンサイズがほしかったが、最大は115cm止まり、私を除くスソは6本だった。

これまでカワハギのアサリエサ以外、添加剤の類はほとんど使用したことがなかった。

阿辺さん、三石さんの話を聞いていると、これらの製品はエサ持ちをよくして手返しを早め、就餌力さえアップして保存するにも役立つことが分かった。

今まで使わなかったことに後悔さえしてしまう。

軽締めアミノリキッド、旨〆ソルトは切り身エサを使うタチウオのテンビン釣りを始め、オニカサゴ、アカムツなどの根魚狙いにも最適。

アミノ酸α、ウマミパワーは釣りエサ全般に幅広く使える製品である。

私の納竿初釣りはアカムツ、カワハギ、テンヤマダイの予定。

密かに使って同行者に差を付けるつもりである。

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隔週刊つり情報(2023年1月1号)※無断複製・転載禁止

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