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漁礁周りの浅場を攻める金谷名物“金アジ”健在(忠七丸/千葉県金谷港)

隔週刊つり情報編集部

内房金谷港の忠七丸に金アジ狙いで出かけた。
 
実は数年前に同宿に出かけて、黄金色に輝くアジをたくさん釣って食べたことがある。

別格のアジだった。
 
対岸の神奈川県側では走水沖の観音アジが有名だが、それと同じタイプの居着きアジじゃないかなと思う。
 
体高があるうえに、身はパーンと張っている。

金色っぽい肌のアジをさばくと、身はほどよく脂が乗っていて白っぽく透けるようでプリップリ。
 
そんなアジを狙って忠七丸へと車を走らせたのは、11月27日の早朝だ。

横浜の自宅からアクアラインと館山道を使うと素晴らしく近い。

水深10m!?

5時半過ぎに金谷港前の道路沿いにある船宿を訪ねると船長、おかみさん、常連さんが談笑中だった。

忠七丸は、あえてホームページを作っていない。

新聞社とも提携しておらず、マスコミ関係のつながりといえば隔週刊つり情報のみだ。

「あまり情報を出しても、お客さんがたくさん来て常連さんに迷惑がかかるから」という話を前回の釣行時に聞いた。
 
だから「金アジ一筋だが、情報も少ない謎めいた船宿」というイメージもあって、頑固者の気難しい船長を想像しがちだ。

しかし、船長もおかみさんも、とても温和で人がいい。
 
当日狙うのは水深10mの魚礁周りで、3mほどタナを切る、と聞いて慌てた。
 
前回はオモリ80号のビシを使ったので、それを用意してきたのだが、60号のビシを使うという話だ。

ビシは借りられる。

竿は130号対応のビシアジ竿を2本持ってきたが、1本は自作の軟調子竿だから60号ならなんとかなる。
 
電動リールのほかに手巻きリールも持ってきていたからよかった。

海面下7mそこそこのアジを釣るのに電動リールはいらないからね。 

前回の釣行時も浅い場所で釣った記憶があるが、10mなんてことはなかった。

水深10mで本当に良型の金アジが釣れるのか?という疑問は残った。
 
定刻の7時少し前に出船。

僕を含めて9名が乗り込み、船長の指示で右ミヨシに釣り座を構えた。
 
7時になると、港前で待機していた何隻かの釣り船が一斉に走り出す。
 
20分ほど走って大貫沖の魚礁周りに到着。

潮回りして、「水深10mです。始めてください」のアナウンスでスタート。
 
しばらくはカメラを手にして様子を見ることにしたが、なかなかアタリが出ないようだ。

船長は、「昨日は朝からここで食ったんだが・・・水温も変わらないし」と首を傾げる。
 
しばらくして左トモ寄りで30cmほどの金色に輝くアジが釣れた。

続いて左トモ、右ミヨシ2番でも同クラスが姿を見せる。
 
ところが、群れているはずなのに、なかなか後が続かない。

潮の加減なのかなあ? 

それにしても、身がパンと張ったおいしそうなアジだ。
 
そのアジ、僕もほしい・・・と仕掛けを入れたら、まあビックリ! 

10mなんて、ビシアジ釣りの世界からはほど遠い感触だ。

底から2m切って軽くパッ、そしてさらに50cm上げてロッドホルダーに竿を置いた。

コマセの挽き具合が細かいので派手にビシを振らずに、トロトロと長時間コマセを出すのがコツだと読んだ。
 
8時半前のこと、竿先がキュンと入った。

アタリも派手だ。

竿を手にしたが、すごい突っ込みだ。

水深が浅いから横走りもする。

これは面白い。
 
慎重に海面まで浮かせてスーッと抜き上げたのは、やはり30cmほどのアジだった。

体高もある見事な金アジだ。

船宿の写真

船宿は金谷港前の道路沿い、黄色い看板が目印

ビシの写真

アンドンビシはオモリ60号、テンビン付きで貸し出し無料(紛失時は有償)

船の写真

当日の釣り場は大貫沖の水深10m前後に点在する魚礁周り

釣り人の写真

指示ダナは底から3m

釣行の写真

浅場で釣れる良型アジの引きは強烈

アタれば良型

船長は少しポイントを移したが、やはり魚礁周りの水深9mだ。

後から来ていたアジ船は様子が芳しくないのか、付近から姿を消して本船だけとなった。
 
そして9時過ぎになると急に食いが立ち始めた。

僕も2尾、3尾と数を増やした。

9時半には全員が型を見た。
 
アジの引きが強いので、浮かせる途中でキュキューン、パッと口切れしたり、海面でタモ入れしようとしたらハリが外れるケースも何度かあって悔しかった。
 
10時半前にはツ抜け。

特上のアジなので、まずは満足。
 
11時過ぎには15尾に到達した。

朝からこの調子で食ってくれてたら、すごいことになっていたのだが・・・。
 
船中の様子を見て回ったが、皆さんそこそこに釣っていた。

ほとんどが30cm前後と型がそろっている。

35cm級もいる。
 
右ミヨシ2番の方が1kg超えのクロダイを釣り、右トモでも2kg近いのが取り込まれた。

この時期のクロダイは脂も乗っておいしい。
 
その後、食いが止まったので場所を移したら12時半ごろからまた、バタバタが始まった。

悔しいことに、大切な終盤で3尾連続の口切れバラシ・・・泣くよね。
 
それでも13時過ぎの沖揚がりまでに2尾を追釣して計17尾のアジをお土産にした。

最小27cm、最大33cm、9割方が30cm前後だった。

品物がよいだけに、これだけ釣れれば満足。

結果的に竿頭だったが、2番手は15尾。

10尾前後の人がほとんどで、スソは4尾だった。
 
帰宅してから娘の家族と分けたが、金アジを食べたわが一族全員がすごく感動しまくっていた。
 
数日前には同じポイントで朝から沖揚がりまで食い続けてトップが70尾も釣ったようだから、潮次第ではとんでもない爆釣となったりする。
 
いずれにしても、超浅場のアジ釣りは型がよいだけに衝撃的だ。

気軽に出かけられる宿なので、ぜひトライしていただきたい。

釣り人の写真

付けエサはアカタンが配られる

釣り人の写真

30cm級がアベレージ

釣り人の写真

体高があり太った個体が多い

釣り人の写真

クロダイも登場

知っ得!手作りハリ外し

船長手作りのハリ外しがとても具合がよい。

以前購入したのに海に落としてしまった。

今回も購入した。

ほかでは買えない品物なので、在庫があればぜひ使ってみてほしい。

道具の写真

ハリ外しの各所に船長のこだわりが見て取れる

当日のアジ仕掛け

アンドンビシはオモリ60号を使ったり、80号を使ったりする。

市販品はないので船長の手作りビシを無料で借りられる。

日によって様子が違うので、事前に電話確認するとよい。

竿もゲームロッドを流用できる。

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