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沼津の夜マルイカ活況!夏はイカメタルが強い!(秀丸/駿河湾沼津内港)

隔週刊つり情報編集部

7月2日、駿河湾沼津内港の秀丸へ。

狙いは夏のシーズンを迎えたマルイカ。
 
一般にマルイカは日中のターゲットと認識されているが、駿河湾では夜釣りで狙う。
 
この日は週末ということもあり、定員MAXの15人が集結。

16時45分、小池秀幸船長の操船で岸壁を離れる。
 
折しもauの通信障害の真っただ中、予約客と一切連絡が取れない状況下で、大きなトラブルもなく無事に出船できたのは幸運だろう。
 
ちなみに、秀丸では船着き場と駐車場が離れているため、指定の時間に駐車場に集合し、そこから宿のハイエースで荷物と一緒に送迎してくれるシステムになっている。
 
このため、荷物はコンパクトにまとめ、竿には仕掛けをセットしないよう注意が必要。

もちろん、くれぐれも車に忘れ物などないように。
 
南西風のため、右舷に波をかぶっての航行となったが、大瀬崎の北側のポイントは風裏となるので、ベタナギ状態。

ここまでの航程は15分ほど。
 
17時、水深約30mにアンカーを打ち、船を固定したところで準備完了。
 
昼間、マルイカの群れは深場にいて、夕暮れとともに浅場へと移動してくる。
 
したがって、17時に釣り開始となっても、実際にイカの群れが船下に回ってくるのは日没前後となる。
 
ならば、日没時間に合わせて出船すれば無駄がないとも思えるが、マルイカの釣り場はかなりのピンポイントなので、早めに到着して場所を押さえておく必要があるのだ。このあたりの事情はタチウオ釣りにも通じる。
 
本番前ののんびりタイムを利用して、しばしまどろむもよし、早めの夕食をとるのもいい。

また、この釣りに不慣れな人は船長に釣り方をレクチャーしてもらうのもありだ。

釣行の写真

アンカリングした船の上は軽い仕掛けのコントロールが利きやすく、アタリから掛けるまでのプロセスをじっくり楽しめる

船の写真

週末ともなれば満船必至。予約はお早めに!

釣り人の写真

秀丸ではイカメタルのドロッパー(枝ス)はオマツリ防止で1本まで

釣り人の写真

この日の乗船者は全員イカメタル

夏場はイカメタル

沼津エリアのマルイカは冬と夏の2シーズンある。

冬場は低水温とイカのサイズが小さいこともあって、小型スッテを使う直結、直ブラ仕掛けに分があるが、夏場はイカメタルが主流。
 
イカメタルとは北陸が発祥といわれる比較的新しいスタイル。

オモリを兼ねるメタルスッテ(ナマリヅノ)の上に、ドロッパーと呼ばれるウキスッテを装着したイカ釣りとしては非常にシンプルな仕掛け。
 
ゲーム性が高く、人気の釣りだが、オモリの号数に限度があるため、浅場限定の釣りになることから、駿河湾は希少なフィールドとなる。
 
この日も15人全員がイカメタルで挑んでいる。

ナマリヅノのサイズは8~10号が標準で、潮が速い場合に備えて15号まで用意しておくこと。
 
最初の乗りは18時半、船尾で上がったのは小型のタコ。

その後、日が傾き、集魚灯が点灯した19時過ぎ、右舷トモ3番で本命第1号が顔を出す。

サイズは胴長15cmほど。
 
スッテのカラーが合ったのか、はたまた誘いがマッチしていたのか、3分後に同じ人が2杯目を上げる。
 
ただし、サイズは胴長10cmほどの小型。

このイカを見て船長、「イカが小さいので、乗りが取れていないのかもしれませんね」とつぶやく。
 
この釣りはイカがまだスレていない、日没前後のスタート直後にバタバタッと乗ることが多いのだが、今日はいささか状況が異なるようだ。
 
また、スタート直後はイカが底付近に群れているため、直結もしくは直ブラ仕掛けによるゼロテン釣法が威力を発揮することも多いから、余裕のある人は使い分けてみるのも面白い。
 
それでも、辺りが完全に闇に包まれる20時ごろから次第にイカの活性が上がり、船中あちこちで竿が曲がるようになる。
 
今シーズンも絶不調に終わったムギイカも3割ほど交じっている。

釣り人の写真

ムギイカも交じる

釣り人の写真

タコも上がった

釣り人の写真

夏場は16~17時ごろ集合して23時ごろ沖揚がりする「早夜便」で出船

釣り人の写真

ドロッパーの接続はサルカン付き回転ビーズとイカフックの組み合わせがおすすめ

釣行の写真

イカメタルの取り込みは、スイッと竿を立てて抜き上げればいい

釣り人の写真

タナが上ずってきたら落とし込みの誘いも効果的

専用竿は軟らかめを

やがて、集魚灯の光に誘われ、小魚が表層付近に集まるようになると、イカも浮上してくるから、底付近に固執したままでは釣果はのびない。
 
数日前はタナ15mで30杯釣った人もいるそうだから、船長のアナウンスに合わせタナを広く探る必要がある。
 
また、マルイカ釣りでは極小のアタリを確実にとらえ、素早く合わせを入れるのが最大のポイント。

これは、イカのサイズが小さいときや活性が低いときなど顕著に表れる。
 
そのためには、やはり鋭敏な穂先を持つ専用竿の使用が望ましい。
 
ただし、イカメタルの本場である北陸エリアでは、イカのサイズが大きく、水深も深めであるケースがほとんど。
 
このため、イカメタル専用竿ならなんでもいいというわけではない。

北陸バージョンでは沼津では強すぎる傾向があるため、ラインナップの中から、もっともライトなアイテムを選ぶようにしたい。
 
さて、20時ごろのピークの後は徐々に尻すぼみとなり、ポツンポツンとアタリがくる状況が11時過ぎの沖揚がりまで続いた。
 
このところトップの平均が20杯前後で安定していたが、今日は9杯が竿頭と急降下。

原因としては、週末で船が多く、イカの群れが分散してしまったこと、レンタルタックルのお客さんが多く、上級者レベルの人がいなかったことが考えられる。
 
いずれにせよ、シーズンは8月いっぱい(年によっては9月まで)続く。

日中の釣りでは楽しめない、イカメタルによるマルイカ釣りにぜひ挑戦してほしい。

知っ得!沼津イカメタル仕様「ヌマリグ」

一般的なイカメタル仕掛けは、メタルスッテの1mほど上から、10~15cmの枝スを介してブランコ式にウキスッテを結ぶ。

しかし、これでは微妙なアタリが取りにくい、枝スが絡みやすいといった弱点がある。

それを克服したのが船長考案のその名もヌマリグ。

ウキスッテを直ブラ式にすることで、感度が増し、オマツリも防げるというスグレモノ。

釣具店のイシグロで購入できるほか、自作して試してみるのもいいだろう。

仕掛けの写真

「ヌマリグ」は2セット入り

Tackle Guide

竿はやはりイカメタル専用がベスト。

リールは小型両軸タイプで、暗い船上でラインの色変わりが確認しにくい場合に備えて、水深計付きのものが望ましい。

沼津のイカメタル仕掛け例

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隔週刊つり情報(2022年8月1日号)※無断複製・転載禁止

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