現代のマダイ釣りを大きく分けると「コマセ」「テンヤ」「ルアー(擬似餌)」の3種。
前回のコマセダイに続き、今回は一つテンヤマダイに挑戦する。
ひらたく言えば「エビで鯛を釣る」この釣法、ハマるとめっちゃ面白い!
釣り人・照英プロフィール
6歳のとき祖父から薫陶を受け、ヘラブナをはじめ川や釣り堀で釣りに親しむ。
中学以降は部活に没頭するが芸能界に入ると仕事を通して再び釣りと接するようになり、2017年より「照英・玲子の最強!釣りバカ対決!!」にて約4年間ほぼすべての船釣りを経験し完全にハマる。
2021年よりダイワ専属アングラー。
今春、無人島探検のテレビロケでは釣具を持参、カスミアジとカンモンハタの入れ食いを経験した。
茨城県、日立沖。
曇り空の下滑らかにウネる海に冷凍エビを付けたテンヤをキャストした照英は、不安げな面持ちだった。
数回チャレンジしたものの難しい印象が強かった一つテンヤ。不安いっぱいの幕開けだった。
出典:
日立沖ってどこ?
茨城県の中央部、巨大な日立港の北端にあるのが日立久慈漁港で、正面からすぐ北、日立会瀬(おうせ)、日立市街地の沖にかけて広がる広大な釣り場。
春以降のマダイ釣りでは陸が近くに見えて眺めがいい。
「俺にとって一つテンヤは、底が取れているかが分からない、迷走している釣りなんです」
過去、数回経験したときは、底が取れずに苦戦し、マダイは釣れなかったそうだ。
だが、この日は潮の流れも風も弱く、投げ入れた5号のテンヤは20mの海底にストン、と着いた。
まずは一安心。
ここから竿を立ててテンヤを跳ね上げて誘うのだが、「まだタックルと身体のバランスができていない・・・」照英は弱気で、どこか、おっかなびっくりだ。
でも実はこれ、アスリートやプロスポーツ選手によく見られる傾向。
慣れていないことに対して、とても謙虚で慎重なのだ。
「アタった!」
ごく控え目な誘いだが、アタリが出てムシガレイが掛かる。
合わせは反射的で、本能が一瞬、目覚めたかのようだった。
「釣れると、タックルとの呼吸が合っていると思えてきます」ここから照英が攻めに転じる。
ヌルッとしていた誘いは、エビが外れないと分かると次第にシュッと鋭く、天を衝くように竿を立てるようになる。
このとき海底のテンヤは、エビが逃げ出したようにビュッと、斜め上に1m以上泳ぎ上がる。
そして竿をピタリと止め、道糸を張ったままテンヤをフワーッと沈める。
これが定番テクニック、キャスト&カーブフォールである。
攻めるほどテンヤは鋭く動き、ピタリと止まる。
冷凍エビに、命が吹き込まれた。
「きた!あっ!」
強いアタリに合わせるも掛からず、即、竿を戻す照英。
ガッ、ギュン!「よし!きた!」
エビが少しでも残っていればマダイは何回でもアタるから粘るべし。
最初のマダイらしきアタリで、それをやってのけた。
「うわっ!引く、すごい引く」
過去の一つテンヤでゲストしか釣ったことがない照英にとって、マダイと直接つながったようなこの釣りならではのマダイの引きは、初めての経験だ。
「テンヤ、超面白い! すごい感覚!マダイの引きと、アタリがこんなに凄いなんて、大興奮してます!」
タモに収まったのは1kgほどのマダイ。
今春の日立沖では十分な良型だ。
「まだドキドキしています」
そうは言うものの、朝の借りてきた猫のような照英はどこへやら、どんどん積極的になる。
(左上)孫バリをどこに打つか・・・迷う。(左下)水深20m、まずは5号でスタート。冷凍エビは船に完備。(右)朝はロッドスタンドを固定する手もどこかぎこちない。
出典:
照英の熱血!タックルインプレ
★ROD:紅牙テンヤゲームAIR MH235 SMT
ティップのしなりといいバットの動きといい、使うごとになじんで、釣果につながり、次回はもっと釣れる、と自信が持てました。また、すごく軽くて穂先の破損を気にせず使えたのも素晴らしかったです。
★REEL:ルビアスエアリティLT2500
コンパクトでとても軽いのに、すごくパワーがあるリールです。このセットはぜひ使ってみてほしいと思いました。
(左)小さくてもマダイはすぐにそれと分かる引きをするから凄い!(右)エビがズレないエビロック付きのタイテンヤSSとタカブラSS、同TG SS。4、5、6、8、10、12号あたりをそろえておきたい。
出典:
攻めると、アタる。アタると、面白い。だから攻めると面白い。
しかもマダイが釣れる。
「これは本当に面白い釣りだ!」
小型ながらマダイを追加、リズムにも乗ってきた。
「重心の置き方が分かってきたような気がする」
自信が出てくると、本能が開放され始める。
「やる気がなくならないということは素晴らしい。飽きない、なんてことは、そうそうない。読書とか、飽きちゃうけど、釣りは全然飽きない!」
槍投げ選手の照英ならではの感性か、キャスト距離と正確性もグングン増してきた。
そしてハナダイを掛け、再びマダイを掛け、夢中で釣る。
「このままじゃ俺、家に帰ってテンヤ磨いちゃいますよ!」
孫バリの打ち方、マダイのタナ、同船者が釣るとその誘いを観察しては真似たり考えてみる。
「一つテンヤは取り組んでいるというか、タックル、道糸の角度、誘い、色いろ組み立てている感があります」
そして照英は再びキャスト&カーブフォールで1kg、いや、それ以上の引きを見せるマダイらしきを掛けた。
「凄い引き!」と言ってしまうほどマダイは激しく抵抗する。これがもう、面白いのなんのって!
出典:
(左上)遊動テンヤで底から2m浮かせてマダイを連発。(左下)マダイ狙いメタルジグの定番・TGベイトの緑/金でキャッチ。(右上)ハナダイもよく交じる。(右下)皆さん後半にかけてスパート。
出典:
(左上)エサ取りの正体はハナダイと小さいマダイとフグ。(左下)ジグでマダイを釣った後にソイ。(右上)タイラバにアイナメがヒット。(右下)アイナメは茨城らしいゲスト。
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田渕師匠は底上2~3mで大ダイ狙い。
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たぶん今日一番の魚だった。
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が!バラす。痛恨である。
しかし、照英はめげない。
「今、最高です。朝は道具の使い方が分からなかった。でも、今はもう違う。でも、まだ力が入っている。身体全体が敏感になっていて、リラックスできていない。しなやかにコントロールできるようになれば、もっといいんだけど」
少々とっちらかってきたが、これぞ照英の真骨頂だ。
「(準備してある)タイラバもやりたいけど、行けない自分がいる。もう1回、テンヤでアタリがほしい!」
目に、手に伝わってくる魚信が楽しくて、竿とエビを手放せない。
もはや子供だ。
「ああ、面白さが俺を追いかけてくる!」
終了の時間が決まっていなければ、いつまでも釣っていそうな釣りバカ・照英であった。
(右)孫バリは腹側に抜く、が照英の答え。田渕師匠は底上2~3mで大ダイ狙い。(右)これはタイだった・・・。
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結局タイラバを使わなかった照英。ということは次回・・・。
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「バレるのも釣りです」と大貫翔平船長。ありがとうございました!
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「熱血!照英の釣りバカ紀行」配信中
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