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開幕!キハダ・カツオ【後編】激釣続くフカセ&一本釣り

隔週刊つり情報編集部

ナブラやトリヤマにスーッと近づき、スタッフがイワシエサをまく。

その海面を見つめていると、シュボッ!

真っ白な水柱が弾けて消えた。

「取ったぁ、やって!」これが釣り開始の合図。

まき餌のイワシに食らいついたカツオやキメジ、さらにはその周りにいるかもしれないキハダとのバトルが始まる。

フカセ釣りで扱いやすいスピニングタックルとは

7月初旬、一流し目からキメジの入れ食いに遭遇したのは葉山あぶずり港の長三朗丸。

「活き餌カツオマグロ船」という看板を掲げて、予約乗合で生きイワシのフカセ釣りと一本釣りが楽しめる貴重な船宿だ。

仕立船ならまだしも、毎日出船する乗合船で生きイワシを大量に仕入れるのは手間がかかるしコストもかかる。

群れを探して一日走り回る燃料費も含めるとさほどの利益も出ない。

それでも親方の栗飯原由巳船長は、「やりたいお客さんがいるかぎりは出ます。儲からないけど」と明るく笑うのだから、損得勘定は抜きにして船長自身がこの釣りに惚れ込んでいるのだろう。

そんな由巳船長の血を受け継ぐ息子の有詞船長も、舵を握ってすでに10数年のキャリア。

当日は由巳船長が仕立船ということで有詞船長が担当する乗合船にカメラを持ち込み、数時間のクルージングの後、キメジラッシュに遭遇した。

釣行の写真

スタッフがまいたイワシに魚が食い付いたら熱闘開始だ。

釣り人は9名。

釣り座はフカセ釣りが右舷全席と大ドモの両舷、一本釣りは左舷に並ぶのが基本的な配置。

しかし当日は一本釣りの希望者がおらず、全員がスピニングタックルのフカセ釣りだった。

その道具と仕掛けの仕様を紹介しておこう。

竿

マグロ、カンパチ、ヒラマサに対応するスピニング仕様のジギングロッド。

全長6ft前後のショートタイプのほうが取り回しがよく、カツオやキメジをガンガン引き寄せられるので手返しが早い。

釣行の写真

ガイド数が少なくリング径が大きい竿ほどライン抵抗が少なく、イワシもスムースに泳ぐ。

道糸とリール

PE4~6号を300m巻いた、ドラグ性能に優れる大型スピニングリール。

シマノならステラやツインパワーSWの8000番~14000番、ダイワならソルティガやキャタリナの4500~6500番あたりになる。

ドラグ設定は「3~4kgが目安」と有詞船長。

これでドラグがさほど滑り出さない魚はカツオと判断して手早く巻き上げ、オマツリを回避する。

なおPE4号で30kg級のキハダまでは取れるものの「昨年9月、おそらく50kgオーバーが掛かったんです。でもヤリトリの途中で道糸が切れちゃった」とベテランさん。

大型が回るシーズンは6号で挑んだほうが無難ということだろう。

ハリス

フロロカーボンやナイロンの14~20号。

長三朗丸では16号を基準とし、大型のキハダが回れば太めに、カツオが主体で全般に食いが悪ければ14号に落として様子を見る。

全長は1.2~1.5mもあればよく、道糸との結び目(コブ)がスプールに達しない長さにする。

それ以上長いと結びコブをスプールに巻き込んでしまい、コブに道糸が引っ掛かってスムーズに投入できない。

道糸とハリスの結びは「片側を3~4回ずつ巻き付けて締める電車結びで強度は十分」と由巳船長。

もちろん慣れた人はPRノットなどの摩擦系ノットで結べばいい。

ハリ

ヒラマサ用やキハダ用の13~14号。

生きイワシを元気よく泳がせるために、軽く小さく、それでいて強靭な製品を選び、自分が得意な結び方でしっかり結ぶ(長三朗丸がすすめるハリは下の写真を参照)。

長三朗丸がすすめる2つのハリ

軽く小さく強いハリとして、長三朗丸の由巳船長はオーナーばりの「カットヒラマサ」を昔から推奨。

加えて有詞船長はがまかつの「ふかせキハダ」がお気に入りで、カットヒラマサよりも強いと感じているという。

いずれもサイズ13~14号を使用。

釣り具の写真

(左)オーナーばり「カットヒラマサ」。ロングセラーの秀逸なハリ。(右)がまかつ「ふかせキハダ」。平打ち加工で、チモトは撞木(しゅもく)型。

フカセ&一本釣りのタックルと仕掛け

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アタリがこないときはイワシエサに難あり

この日の一流し目は15分くらい釣れ続いて、フカセ釣りの全員が3~7kgのキメジをキャッチ。

カツオも少々交じった。

散水シャワーが煙る舳先は一本釣りの船宿スタッフ専用スペースで、跳ね込んだキメジやカツオがデッキにゴロゴロ転がっている。

気になるのはフカセ釣りで5~6本上げた人がいる一方で、1~2本しか手にできない釣り人がいたことだ。

フカセ釣りの手順はとてもシンプル。

ハリに付けたイワシ(主にマイワシ)を海面に放ち、リールをフリーにして道糸が出るがまま泳がせればいい。

そしてサーッと道糸が走り出したらアタリ。

スピニングリールのベイルを戻し、一呼吸置いて合わせる。

ところが同じように釣っているように見えるのに、アタリ自体が少ない人もいる。

その原因の大半を占めているのは「エサの扱い方」だろう。

エサの付け方から見ていくと、よく釣る人はオケの海水にイワシを浸し、優しく握って付けている。

一方、アタリが遠い人はギュッとつかんでオケから引き上げ、暴れるイワシをねじ伏せるように付けていることが多い。

これだけの差で、イワシの生命力はガックリ落ちてしまうのだ。

そんなイワシは遊泳力も弱くなり、道糸もスムーズに出ていかない。

よく「30mくらい泳がせたらエサを付け替える目安」といわれるけれど、弱ったイワシはそこへ到達するまで時間がかかり、アピール度も低い状態で時間ばかりを浪費する。

よく釣る人はイワシをサッと泳がせすぐヒット、元気いっぱいの新しいエサを再投入してまたもヒットの好循環。

釣れない人は泳がぬイワシで粘り続けてノーヒットという悪循環・・・。

これでは大差がつくのも当然だ。

有詞船長も、「この釣りはイワシの泳ぎが一番のキーポイント。ていねいにエサを付けて元気よく泳がせてやれば、糸がスルスル出ていくはずです。そしてイワシが泳がなくなったら手早く交換して、短いチャンスを逃さないようにしてください」とアドバイスする。

エサの付け方

餌の写真

(左)左右の鼻孔に刺し抜く「鼻掛け」が基本。素早く付けることができ、イワシの呼吸も妨げない。斜め下へ潜行するので、キハダ・キメジ狙いに向く生きエサ。(右)エラ穴の後縁にハリを掛ける「エラ掛け」に。マイワシよりも小さく弱りやすいカタクチイワシが元気に泳ぐ付け方(生きエサは両種が混在する。うまく使い分けよう)

道糸の出方も注意が必要。

慣れないうちは「潮や船に引っ張られて道糸が出ているだけなのに、イワシが泳いでいると勘違いしやすい」という。

しっかり見極めて、エサを交換するタイミングを見誤らないようにしたい。

また、魚を食わせた隣人の道糸がクロスしそうになったときは素早く巻き上げ、新しいエサに付け替えて再投入するとよい。

仕切り直すことでオマツリを回避すると同時に、チャンスタイムに新鮮なイワシを送り込むことができる一石二鳥のテクニックだ。

釣行の写真

短い時合を逃さないよう、キメジやカツオは豪快にブッコ抜いて手返しアップ。

釣行の写真

(左)イワシをていねいに扱えば、必ず釣果に結びつく。(右) 道糸が出なくなったらイワシが弱った証拠。エサを交換するころ合いだ

釣行の写真

イワシが元気であればよく釣れる。釣れたらフレッシュなイワシに付け替えてまた釣れる。

フカセ釣りの手順

7月中旬から20kg超えのキハダが浮上開始!

さて、再びナブラを見つけての二流し目もイワシエサのパワーが炸裂。

キメジ主体にドカスカ釣れて計10本を超える釣り人もいた。

その後は徐々にアタリが少なくなったものの、ナブラやトリヤマに船を当てる度にポツポツと釣れ続き、お昼ごろにはエサ切れで沖揚がりとなる。

釣果は2.2~7kgのキメジが5~20本、1.2~4kgのカツオ少々。

少し早めに納竿した由巳船長の仕立船はカツオ優勢で入れ食いだったというから、両魚ともに魚影は抜群と考えていい。

その群れが相模湾の奥まで流入すれば、8月に解禁を迎えるコマセ釣りも期待できるだろう。

「あとは20kgオーバーのキハダがいつ出るかですね」と有詞船長。

もちろん当日乗船した全員がシーズン初の大物を期待していたのだけれど、残念ながら反応はなかった。

午後3時過ぎに帰港して由巳船長に声をかけると、「デカいキハダはいるんだけどさ、最近シラスを夢中で食べてるもんで、イワシエサに食ってこないんだ。だけどそのうち絶対食い出すから、今シーズンも期待できるよ!」と明るく展望を語ってくれた。

取材から数日後の7月中旬。

予言は的中して、やや沖目の釣り場で27kgを筆頭に20kgオーバーのキハダが3本浮上。

以降、1日置きの好ペースで同サイズのキハダが上がっているから、南方の群れが続々と回遊しつつあるのは間違いなさそうだ。

イワシエサ船と並行して、8月からはコマセ釣りのカツオ&キハダ乗合もスタートさせる長三朗丸。

各港からも船が繰り出し相模湾が最も熱くなる季節が、いよいよ始まる。

釣行の写真

キハダが釣れ出すと釣り人も殺到する。予約はお早めに!(画像は長三朗丸のホームページより)。

豪快な夏の遊び・一本釣りに挑戦!

キハダを釣りたい釣り人が増えて「一本釣りを希望する人が減りました」と有詞船長。

しかしイワシエサのスゴさを体感するなら、これほど楽しい釣り方はほかにない。

ノベ竿で引き抜く釣り方なのでターゲットはカツオとキメジになり、食い気のあるナブラに当たればフカセ釣りの倍のペースでヒットすることもある。

イワシエサを前方に振り込んで海面をピチャピチャと泳がせるとカツオが、海面下に数十cm沈めてイワシを泳がせるとキメジがヒットしやすい。

数年前までは女性や中学生以上の子供連れ、若者グループが夏のレジャーとして楽しむ姿もよく見かけ、そうしたビギナーを誘った幹事役も、群れに当たれば一本釣りのほうが手軽に楽しめることをよく分かっていた(手軽といっても絶叫系の豪快な遊びだが)。

一本釣りは、ありがたいことに貸し竿無料。

予約時に希望すれば釣り座に用意してくれ、スタッフが釣り方のコツを教えてくれる。

一度は体験する価値ありだ。

一本釣りの手順

釣行の写真

(左)写真のように竿を握ってイワシを泳がせる。魚がヒットしたら持ち手はそのままキープして竿を立て、自分の胸板にぶつけるイメージで引き抜く。(右)極太の糸とハリ(専用のカツオバリ)がセットされた一本釣り用のノベ竿。無料でレンタル。

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