【実りの秋鯛】テンヤ＆SLJ～テンヤ船の王道と第三のメソッド「ジグ」の使い分け～

まず整理しておくと、SLJとはスーパーライトジギングの略。

確たる定義はないが、メタルジグが80gを超えるとタックルが一段階ゴツくなるから「30～80gのジグを使う釣り」と認識していいと思う。

で、マダイ狙いでメタルジグを選ぶ際の目安をざっくりあげると・・・

・同じ重さなら、小さいほうがアクションが小さくマダイ向き（タイジグ）。

・色は赤／金、緑／金が定番。もちろんマダイがよく釣れる細長いジグもあるし、青／銀でも釣れるのだが、ジグはタングステン製の実績高し。
　
タックルはMAXウエイト80gのSLJ用がベストだが、シロギス竿やバスロッドも代用可能。

リールはベイトでもいいが、キャストでき、フリーフォールさせやすいスピニング（2500～3000番）がおすすめだ。

上の図はテンヤとSLJ＆タイラバの海中での軌跡をイメージしたもの。

Aがテンヤで、基本的に船下狙い、主に海底から2mほどを探る。

BはSLJ（タイラバ含む）で船下を狙ったとき。

一般に海底から10mほどを巻いては落とす、を繰り返していく。

そしてCがSLJ（タイラバ含む）をキャストしたとき。

船の流れる方向や速度、ジグの重さにもよるが、海底から10m巻いて、落としてを行うと、斜め引きになるために広範囲をジグが通ることになる。

マダイや青物など、魚へ広くアピールし、探るのであれば、断然Cが有利。

メタルジグのアピール力はエビエサにない武器だ。

ただし、魚に追い気、食い気がない場合は、SLJは苦戦する。

そんなときに強いのがテンヤ。

探る範囲は狭いものの、止めて待つことができ、エビエサをじっくりと食わせられるのが強みだ。

つまり、動きを止めて待つことができるテンヤは「点」で攻めることができ、動かしていないとアピールにならないSLJは「線」で探って、活性の高い魚を広範囲にリサーチできる。

テンヤとSLJ、それぞれの長所を理解して使い分けていくのも、これからのテンヤマダイ船の楽しみ方といえるだろう。

ちなみに、テンヤとSLJ（とタイラバ）どちらがいいかは、その日、その時に、仕掛けを海中に入れてみなくては分からない。

最も安定しているのはテンヤ＝エビだが、朝イチはSLJ＝ジグばかりにアタることもあるから侮れない。

SLJの釣り方の基本は棒引き。そう、タイラバと同じだ。

ただ、巻き速度の調整はタイラバとちょっと異なる。

リールを巻いたときに、わずかにでもブルブルブル・・・と波動を感じるなら、ジグが潮をつかんでいる証。

もし感じなければ（巻き感がスカスカならば）、キャストする方向を変えて、潮をつかむルートを探り出す。

そして波動が強くなり過ぎないよう、巻き速度をコントロールしてやる。

また、ジグによっては軽く、糸フケを出さないように、ていねいにリールを巻きながら、フワフワと揺するようにシャクるとアタリがよく出ることがある。

細長いジグにその傾向が見られるのだが、これはフロントとテールに付けたフックが誘い効果を増幅させているとも推察できる。

また、巻き、シャクリ以上に大切なのが「フォール」。

ジグが沈むときのアクションが最もアピールになるという考え方で、最新ジグのキモでもある。

フォールアクションを最大限に生かすためには、道糸で引っ張らないよう自然に落とすことが大切。

また、こまめなジグの入れ替えこそフォールの時間を長くするわけで、突き詰めればヒット率向上のカギになる。

それでも海中から何のシグナルもなければ、テンヤにエビを付けて、じっくり魚と対話してみよう。