深海の美味魚に気軽にチャレンジ!相模湾の中深海五目
相模湾の中深海五目は、相模湾内の水深200~300m付近でクロムツ主体にキンメやアカムツ、アラ、メダイ、スミヤキ(クロシビカマス)、シロムツ、カサゴ類など多様な魚種が釣れる人気メニュー。
例年11月ごろからスタートし、長い年は7月まで出船する船宿もある。
この釣りの看板は、中深場五目、ライト中深場五目、根魚五目、深場五目、深場根魚五目など船宿により様ざまだが、隔週刊つり情報では総称して〝中深海五目〟と表記したい(注)。
相模湾の中深海五目の基本仕掛けは後に紹介するが、主な基準は次の2つ。
①使用オモリ150~200号。
②道糸PE4~5号を400m以上巻いた電動リールを用いる。
つまり、イカ用やビシアジタックルで中深海にチャレンジできるのだ。
船宿により仕掛けの仕様や釣り場が多少違ってくるので、ここでは今回取材した三浦半島葉山あぶずり港・与兵衛丸の小峰徹船長のアドバイスを踏まえて、相模湾の中深海五目を紹介していこう。
注:一般的に水深200m以深の海域を〝深海〟と呼ぶため、隔週刊つり情報では主として水深200~300mを狙う釣りを〝中深海〟とし、300m以深も狙う釣りを〝深海〟と表記します。
中深海五目入門は3本バリがおすすめ
使用オモリは、150号で統一する船と、状況により150号と200号を使う船がある。
竿はそれを背負えるものならなんでもOKで、中深海竿を始めビシアジ竿、イカ竿、青物竿、各種汎用竿など様ざまな竿が使える。
前述したとおり、電動リールはPE4~5号が400m以上巻けるサイズが標準。
シマノなら3000番、ダイワなら500番が該当する。
また与兵衛丸では、キハダタックルを使いたいというお客さんの要望に応えて、オモリ200号を使えばPE8号を巻いた大型電動リールでも楽しめる。
「タックルで大事なのはリールの糸巻き量です。水深300mでも潮が速いときは50m以上糸が余分に出て着底することもあります。PE4号を400m巻いたリールを使う場合は高切れすると糸が足りなくなることがあるので、予備のリールがあると安心です」と船長。
仕掛けの仕様は下図のとおり。
胴つき式でハリ数は3~8本くらい。
ハリは、鋭い歯を持つクロムツやスミヤキに飲み込まれても口元に掛かりやすいムツバリ16~17号を用いる。
「うちのオリジナル仕掛けは幹糸8号、枝ス7号、ハリはムツ16号、ハリ数は3本と5本の2種類です。初めての人には3本バリをおすすめしてます。まずは3本で釣ってみて、慣れてきたら5~8本バリにステップアップしてください」と船長。
またこの釣りは、クロムツなどにハリを飲まれて切れたり、魚が掛かって巻き上げると枝スにヨリが入ることがあるため、船宿仕掛けを使う場合も枝スを結んだ替えバリがあると重宝する。
ぜひハリス7号で作ってみよう。
(左)枝スを結んだ替えバリを持参、枝スがヨレたら交換しよう。(左下)エサはサバの切り身。切り身の端の中央にハリを刺す。(右)与兵衛丸の船宿仕掛けは3本バリ、5本バリの2種類。オモリは状況で150号と200号を使う。
出典:
20~38cm級のクロムツ。ダブル、トリプル連発!
与兵衛丸に釣行したのは10月28日。
中深海五目が好きな隔週刊つり情報レポーターの森美樹さんが駆けつけてくれて、乗船者3名とともに5時半に港を離れる。
30分ほど走って葉山沖の水深210m付近に到着し、底から1mの指示ダナで、森さんは6本バリ、ベテランの堀口さんと小岩井さんは8本バリ仕掛けにサバの切り身を付けてスタート。
開始間もなく森さんと堀口さんにアタリがきて30cm級のクロムツがダブル、トリプルで上がる。
次投は小岩井さんが30cm級をダブルで取り込み、森さんが38cmほどの良型を追加。
しかし、サバが宙層で食いつき仕掛けが底まで下りなくなったため移動となった。
その後は水深230~250m付近を転々と流し、30~35cm級のクロムツが2~4点掛けで取り込まれ、1kg級のアラも登場。
食いが一段落すると船長は大きく移動して、水深300m付近を流したがアタリが遠い。
後半は食いがよかった水深250m付近に戻り、クロムツやシロムツ、アジ、サバなどが飽きない程度に釣れて13時に沖揚がり。
クロムツは20~38cmが8~20尾でトップは森さん。
ほかアラ、シロムツ、アジ、サバなど多彩な魚が釣れて中深海五目らしい賑やかな釣果となった。
目下はクロムツ主体に絶好調。これからキンメやアカムツも期待大。
出典:
中深海五目の釣り方イメージ
状況に応じた追い食い狙いで釣果をのばす
中深海五目の釣り方は上図のとおり。
投入はエサの付いたハリを船ベリにセットしたマグネット板(ほとんどの船で無料貸し出し)に並べ、合図でオモリを放り投げる。
着底後、しっかり糸フケを取り、1mほど巻き上げて数秒待つ。
アタリがなければ竿一杯にシャクり、竿先をストンと下げ、エサを踊らせて誘う。
釣り場は平たんなときもあれば斜面のポイントを流すこともあり、そのつど水深が変化する。
数回誘いを繰り返したら底ダチを取り直し、底から1m付近に仕掛けをキープしよう。
アタリはコツンと鮮明に出ることもあれば、モタッと竿先が重くなるだけの場合もあるが、いずれにせよ何かしらの変化を感じたらしっかり合わせる。
数をのばすなら、1尾目が掛かってもすぐに巻き上げないこと。
底が平たんなポイントなら、しばらくそのタナで待つか、ゆっくり5mほど巻き上げて追い食いを狙う。
一方、カケ上がりの場合は、オモリが底に着いたら1~2m巻き上げては待つを繰り返す。
また、徐々に深くなるポイントでは、1尾目が掛かってからしばし待った後、ゆっくり下ろしてオモリを再着底させ、再び追い食いを待つ。
なお底付近でアタリが遠いときは、巻き落としが効果的。
巻き上げる距離は、底が平たん、もしくはカケ上がりのポイントなら10~20mほど、徐々に深くなるポイントでは5~10mほど巻き上げて落とし直す。
巻き上げは電動の中速くらいで、仕掛けが上がってきたら、上バリから順に枝スのヨリを取りながら、ハリをマグネット板に並べて回収していく。
魚が掛かっているハリは足元によけておき、オモリまで取り込んでから魚を外そう。
中深海五目は仕掛けの扱い方やちょっとしたコツさえマスターすれば未経験でも楽しめる。
ぜひ気軽にチャレンジしていただきたい。
(左)マグネット板に並べたハリにエサを付けて投入準備完了。 仕掛けの下のスペースは物を置かずに空けておく。(右)投入時の注意点は、仕掛けが絡まっていないかよく確認すること。海水循環ホースなどに引っ掛かったまま投入すると、捨て糸が切れてオモリだけが飛んでいくことになる。
出典:
枝スがヨレて幹糸に絡んだときは、サルカンのやや上を持ち、一方の手でハリを持って引っ張るとヨレが取れる。
出典:
アタリがきたらしっかり合わせ、追い食いを狙って数をのばそう。
出典:
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