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[吉岡進の新世代沖釣り方程式(第3回)]東京湾のタチウオ、ジギング&テンヤ

隔週刊つり情報編集部

夏の東京湾の風物詩、タチウオ。

今や周年釣れ、釣り味と食味の両方から多くの釣り人を引きつける。

釣れるときは大釣りとなるが、釣れないときはサッパリ・・・という気難しさもまた、人気のヒミツ。

「どうにか釣ってやろう」というチャレンジングスピリッツをくすぐるのだ。

カッ飛ぶ潮に見舞われた今回、ヨッシーの戦略は・・・!?

釣行の様子

竿による抜き上げはミヨシなど席の間隔が十分にある場所で安全に留意して行ってください。胴の間などでは、リーダーをつかんで取り込むようにしましょう。

先生:よしおか すすむ

愛称は「ヨッシー」。

ジャッカル・ソルトプロスタッフであり、クレハインストラクターも務める。

「こんなに釣りしなかったこともない」というほど長い自粛期間を経て、最近はコロナ禍の様子を見ながら細心の注意を払いつつ釣行をリスタート。

沖で、陸っぱりで、釣りができる喜びを噛みしめる日々。

生徒:たかはし ごう

幼稚園のころから沖釣りをしているはずなのに、いつまでたっても上達しない「永遠の初心者」。

釣りそのものより海に浮かんでいることに喜びを感じている様子で、うまくなる気配なし・・・。

Target&Game guide タチウオってどうやって釣るの?

鋭い歯を備えたタチウオは、どう猛な顔立ちのままに小魚などを食らうフィッシュイーター。

東京湾ではジギングをメインに、最近は「ドラゴンが狙える」とテンヤも注目を集めている。神出鬼没で気まぐれな魚で、いつ、何に反応するかが読みにくい。

船長からアナウンスされる指示ダナをていねに探りながら、自由な発想で色いろな誘い方を試そう。

タチウオ

ベイトへのアタックは勇猛果敢だが、捕食自体はヘタ。ジギングでもテンヤでも、必ず食わせの間を作ることが重要だ。アクションをつけてアピールし、止めて食わせる。これがタチウオ攻略の基本となる。また、アタリがあって食ってこなくても、近くにいることが多い。誘いを諦めないことも肝要となる

こなや丸のルアータチウオ船に乗船

釣行の様子

釣り場は走水沖の水深50~70m

自然界のものとは思えないほどメタリックな銀色に輝く魚体。

ウロコのない体表は滑らかで、陽光を美しく反射させる。

長く平たいフォルム。

透き通ったヒレ。

そして、鋭い歯・・・。

食べるとうまいタチウオだが、見た目はかなり特殊だ。

キャラクターも特殊。

昨日までいたはずの場所から、こつぜんと姿を消す。

魚群探知機に映っているのに、まったく食ってこない。

「この季節はこのパターン」と決めてかかると、はぐらかされる・・・。

幽霊魚とも呼ばれるほどの神出鬼没っぷりである。

「タチウオはネコのように気まぐれ」とヨッシーは言う。

気ままなタチウオに何度翻弄されただろう。

思うようにならず、煮え湯を飲まされたことも数しれない。

だが、そこはプロだ。

「その日、その時間のパターン」を的確につかみ、釣果を上げる。

7月20日、東京湾奥長浦・こなや丸のルアータチウオ船に乗船したヨッシー。

進藤通孝船長はタチウオ船のベテランだ。

船を一気に南下させ、走水沖、水深50~70mのポイントでスタート。

この日は大潮。

走水は午前3時51分の満潮から午前10時59分の干潮に向けて、一気に潮が引く。

ミヨシに釣り座を構えたヨッシーは、序盤、カッ飛ぶ潮に苦戦した。

「船長は魚探を見て『反応あるよ』と言ってるから、タチウオは確実にいる。

まずはどのタナで食ってくるか探りたいんだけど・・・。二枚潮で釣りづらいね」

上潮がとにかく速い。

投入したジグが真横に飛んでいく。

が、下潮は緩いようだ。

上潮と下潮の境目、ジグの落下速度がフッと緩むあたりで、ヨッシーはアタリをとらえていた。

「活性は高いと思うんだけど・・・」

上潮で糸がフケてしまう分、ジグにアクションを与えにくい。

「潮が緩むのを待つしかないね」

船中ではいきなり133cmのドラゴン級が上がった。

テンヤだ。

こなや丸のルアータチウオ船はジギングをメインとしながら、事前に連絡をすればテンヤもOKとなっている。

ジギングは、アクションを主体としてリアクションで食わせる釣りだ。

一方のテンヤは、あまり大きなアクションをせず、エサをじっくり見せてアピールする。

誘い方としては真逆に近い。

状況に応じてジギング、テンヤと使い分けられれば、気まぐれなタチウオへの対抗手段が増えるので、釣り人にとってはありがたい。

まだ群れが固まっている状況ではなかったが、いいポイントに入れば船中が賑わう。

それでもジグに食ってくる時間帯、テンヤに食ってくる時間帯がある。

「いつ、どっちが有利かは、正直分からないんだ(笑)。

とにかく仕掛けを海に入れておくこと。

そして周囲の状況を見て、釣れている人を参考にすることが大事」

ヨッシーもだれかが釣ると、必ずタナと、ジグかテンヤかを確認している。

まず、どこにいるか。

そして何に食ってきているか。

情報収集に余念がない。

それらをもとに、ジャッカルのタチウオ用ジグ、アンチョビメタルの主にはタイプⅠとタイプⅢを使い分ける。

午前11時過ぎ、潮が緩んだタイミングではテンヤで釣果を上げたヨッシーだが、上げ潮が効きだした終盤は再びジグに変更した。

「1発の大物はジグに食ってくるような気がするんだけど・・・」

底から5~10mの範囲をネチネチと探る。

ポツリ、ポツリと拾い釣りをするが、ドラゴンと呼べるほどの大型は食ってこない。

結局、計9本のタチウオを釣って沖揚がりとなった。

「シブい一日だったね。やっぱりタチウオは気まぐれだな・・・」

と苦笑いするヨッシーだったが、テンヤではナイスサイズを手にしており、満足の釣行となった。

Prepare タックルの方程式

タックルバランスは意外と重要。東京湾では「動かしすぎない竿」

捕食がヘタなタチウオ。

食ってきても掛からないことがとても多い。

このミスバイトを減らすために、ジグが海中であまり飛び跳ねないよう、できるだけしなやかなタチウオ専用ジギングロッドを選びたい。

ジグと竿の調子のバランスによって釣果が変わってくるのがタチウオジギング。

どれが正解かはその日次第なので、やり込むほどに船に持ち込むタックル数が増えることに・・・ (笑)。

歯が鋭いうえに闇雲に食いついてくるから、ラインも重要。

リーダーはフロロカーボンの5号を3m、さらにその先にバイトリーダーとして22号を60cmほど付ける。

釣行の様子

(左)ジグの重さやつけたいアクションに合った専用ロッドを選ぼう!(右)バイトリー ダーと先糸は電車結びで。釣れるたびに必ず傷みをチェック

Prepare ルアーの方程式

空・海の明るさ+当日の食いっぷり=ジグタイプ

ジグ

【形状】ジャッカルのアンチョビメタルはタイプによって動きがかなり異なる。フォールスピードの速いTYPE-I、アピールが強いTYPE-Ⅱ、あえて波動を弱めたTYPE-Ⅲ、オールマイティなTYPE-ZERO

ジャッカルではタチウオ用ジグとしてアンチョビメタルTYPE-I、TYPE-Ⅱ、TYPE-Ⅲ、そしてTYPE-ZEROをラインナップしている。

それぞれアクションは特徴的。

テールバランスでフォールスピードが速いTYPE-I、トリッキーな水平フォールアクションでアピールが強いTYPE-Ⅱ、アクションは弱めながらフォールではトリッキーな動きを見せるTYPE-Ⅲ、そしてそれぞれの「いいとこ取り」をしたオールマイティなTYPE-ZERO。

激戦区の東京湾では、波動が弱いTYPE-Ⅲに実績がある。

TYPE-Iは朝イチにタナを探るためのパイロットルアーとして、TYPE-Ⅱはスイッチが入った活性の高いコンディションのときに使い分けられる。

ビギナーがジグ選びに迷ったら、まずはTYPE-ZEROを備えておけば間違いない。

テンヤは40~50号を用意。

こちらはエサによって食いが変わってくることが多い。

イワシを基本として、ハラモなど色いろ試してみると面白い。

テンヤ

【テンヤ】重さは40~50gが基本。夏場にかけての浅場では30gも備えておきたい

ジグ

【重さ】130~160gを中心に、潮が速いとき用に200g、浅場用に100gも

ジグ

【カラー】空や潮が暗いとき用には明るい色を、明るいときには暗い色を使う。ゴールド系は万能だ

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Howto 先生が教える基本釣法

ジグのタイプ別アクションやテンヤの釣り方イメージ

基本は指示ダナの下限までジグやテンヤを沈めてワンピッチジャーク

食わせの間を必ず作ろう!

タチウオ攻略のカギは3つ。

「アタリを出す」「掛ける」そして「取り込む」だ。

まずはアタリを出すために、とにかくタナを見付ける。

アナウンスされる指示ダナを中心に、上下5m程度まで探る。

釣れている人にタナを聞くのも乗合船のだいご味だよね(笑)。

タナはかなり微妙なので、できるだけ正確に。

ジグもテンヤも、食わせの間を作ることがかなり重要になってくる。

そして「掛ける」。

ジグなら向こう合わせで掛かることもあるが、基本的に小さなアタリを拾ってしっかり合わせる。

とくにテンヤのアタリは繊細。

タチウオが下から食い上げ、「プンッ!」と竿先が戻るようなアタリを見逃さずに合わせよう。

タチウオが掛かったら、とにかくリーリング。

上に向かって泳ぐことも多いので、もたもたしているとジグやテンヤの重みでフックオフしてしまう。

そしてシメは「取り込み」。

ここは苦戦したゴーさんに詳しく説明してもらいましょうか!(笑)。

Notice 生徒なりのお気付きポイント

ジギングと取り込みに大苦戦!

「絶対にドラゴン級を釣る!」と意気込んで臨んだが、朝イチの潮の速さに瞬く間に心が折れた(笑)。

ジグがうまく操作できている気がしない。

ヨッシー先生は潮の流れに合わせてジグを替えたり、アクションを大きめあるいは小さめにしたりと、こまめに釣法を変えていたが、老いた脳はそこまでキビキビ働かない。

正確なタナ取りも含めて、状況にうまく対応できなかったのがクヤシイ・・・。

潮が緩んでからはテンヤに挑戦。

こちらはバンバンアタリが出る。

そしてバンバン海面バラシ(笑)。

海面から距離があるミヨシに陣取っていたし、ヨッシー先生いわく「テンヤはテコの原理でフックオフしやすい」とのことだが、進藤船長に「今のバラシは罰金モノだな!」と言われてしまう始末(泣)。

60cmのバイトリーダーを竿先から30cmまで巻き込んで取り込めばよかったようだ。

釣行の様子

(左上)ジグもテンヤもシャクってステイさせて食わせる間を。テンヤは長めに(右上)合わせは鋭く。掛からなくてもそばにいることが多いので、誘い続けよう(左下)ワンピッチジャークを基本に、いろいろなリーリングスピードを試そう!

釣行の様子

(左)巻き上げ失敗(右)巻き上げ成功!!

Report ヨッシーの実釣レポート

アタリを出す+掛ける+取り込む=釣果

釣行の様子

朝イチにいきなりテンヤに食い付いた133cmのドラゴンサイズ

大潮ということもあって、速い潮に翻弄されてなかなか手強い一日だったね。

でも、タチウオの活性自体は高かったと思う。

ゴーさん含め、アタリの数自体は結構あったからね。

「アタリを出す」「掛ける」「取り込む」の3要素をうまく実現できた人が、釣果を出していたよ。

ゴーさんは取り込みでだいぶ損してたかな(笑)。

船全体を見渡してると、ジギングでは東京湾ならではの直線的で波動の少ない動きを作れていた人が結果を出していたようだ。

全国的に見ても東京湾はちょっと特殊なんだ。

釣行の様子

取り込みも重要。海面から高さのあるミヨシは難しい

釣行の様子

(左)怪しいエサを数かず試していた鹿島一郎さん(右)ジギングも良型が。テンヤと差はなかった

Solution 東京湾のタチウオ解

(繊細さ×メリハリ)+集中力=タチウオ

ジギングの解

速い潮で釣り座がミヨシだったので、1投するたびに回収するような厳しい状況。

ゴーさんはついにジギングでのヒットに至らなかった。

オレとゴーさんでは、繊細なタックルバランスの差によってジグの動きが違ったと思う。

ゴーさんは自分がイメージしているほどジグが動いていなかった。

船中を見渡せばジグでもヒットしており、テンヤに対して有利・不利というほどの差はなかったかな。

釣行の様子

同じジグでも、アタリ数の差は歴然。速い潮の中しっかりジグを動かせたかどうかの差

テンヤの解

キモは「メリハリ」。

指示ダナの中でチョンチョンチョンというシャクリと、その後のステイの差をしっかり付けることが大事だ。

大型タチウオもアタリは小さいので、ステイ中はとにかく集中!

2、3秒待って反応がなければまたシャクる。

今日はテンヤにやや分があったが、相手は気まぐれなタチウオ。

こればかりはなんとも言えない。

こなや丸のように両方の釣法が楽しめるのはいいね!

釣行の様子

ジグ+テンヤで9本を上げたヨッシーに対し、タカハシゴーはテンヤで1本。惨敗・・・

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隔週刊つり情報(2020年9月1日号)※無断複製・転載禁止

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