ヒイラギは鳴く魚!?釣り方やさばき方、美味しい食べ方を知って「外道」の魅力を感じよう!
みなさんは「ヒイラギ」と聞いて何を思い浮かべるでしょうか?
一般的にはトゲのある緑色の植物が有名ですが、釣り人の間では魚の方が馴染み深いかもしれません。
魚のヒイラギは防波堤などでよく見かける定番の外道です。
普段はあまり好まれないヒイラギですが、実は面白い生態を持っていたり美味しく食べられたりと意外な一面を持っています。
今回はそんなヒイラギにフォーカスし、特徴や釣り方、おすすめの料理法をご紹介します!
ヒイラギの特徴
ヒイラギという名の魚はスズキ目ヒイラギ科に分類され、その体長が最も大きくても15cmほどにしかなりません。
体全体には銀色の色彩を持ち、しかしながら背びれや尾びれ、尻びれは黄色をしています。ウロコは少量しかないものの、代わりに滑りやすい粘液で覆われています。
この魚は独特の平たい体形と小さな口が特色で、背びれや尻びれには鋭い棘が存在しますが、これに毒は含まれていません。
ところで、ヒイラギは漢字では「柊」と書かれます。この名前がつけられた理由は、その魚が植物の柊と同様に棘を持つことと、体形が柊に似ているからだと考えられています。
さらに、ヒイラギの棘が手に突き刺さると痛むので、それが「ひひらく」という古語(ヒリヒリ痛むという意味)から名付けられたとの説もあるのです。
その主な生息地は河川の汽水域や浅瀬、内湾などで、それが青森県から九州南部までの太平洋や東シナ海、日本海の沿岸に広範囲にわたり分布しています。
ヒイラギについて詳しくは図鑑でチェック!
ヒイラギの生態
ヒイラギは毎年6月頃に産卵期を迎えます。
おとなしい性格で、常に群れをなして表層~中層を漂いながら泳いでいます。
ヒイラギの腹部は光る性質がありますが、これは食道付近に発光バクテリアが付着しているためです。
また、ヒイラギは釣り上げたときに「ギーギー」という音を出す面白い習性があります。
実際は鳴いているのではなく歯を擦り合わせて音を出しているのですが、鳴き声に聞こえることからヒイラギは「鳴く魚」とも言われています。
この歯ぎしりの音に由来して、地域によっては擬音語のような地方名で親しまれています。
たとえば三重県のギイギイ、和歌山県のグイグイやギュウギュウ、広島県のギンギンなどがあります。
その他の地方名には兵庫県のネコクワズや静岡県のネコナカセ・ネコゴロシなどがあり、これらは「ねこまたぎ(=味の良くない魚)」にちなんで名付けられたようです。
ヒイラギが鳴く様子は動画でチェック!
和歌山南紀の釣り情報や様々な魚種の生態動画を配信するYouTubeチャンネル『南紀和歌山釣太郎』では、ヒイラギが鳴く様子を視聴できます。
動画内では、釣り上げられたヒイラギがギーギーという音を発しています。
ヒイラギの鳴き声や鳴くときの口の動きを知りたい方は、ぜひチェックしてください。
ヒイラギの釣り方
ヒイラギはトゲがあったり体表がヌルヌルしていたりと扱いづらく、釣り人の間ではあまり好まれない外道です。
「ねこまたぎ」にちなんだ地方名も付いているヒイラギですが、意外と食味は良く、その美味しさを知る者からは人気があります。
防波堤から手軽に狙えて数釣りも楽しめるので、これまで専門的に狙ったことがないという方もぜひ一度挑戦してみましょう。
ヒイラギには専用の仕掛けなどは必要なく、サビキ仕掛けやウキ釣りの1本針仕掛けで簡単に釣ることができます。
投げ釣りでヒイラギを狙う場合、タックルには3.6m程度の短めの投げ竿と小型のスピニングリールを用意してください。
ちなみにヒイラギの口は小さく伸びると下を向く特徴があるため、大きめのフックよりもアジ針のような極小フックを使うようにしましょう。
仕掛けを投げて着底したらゆっくり移動させ、ヒイラギがいるポイントを探ります。
ヒイラギ釣りでは、アタリがあっても素早くリールを巻かず一定の速度で巻くことが大切です。
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ヒイラギ釣りの注意点
ヒイラギ釣りで注意しておきたいのが、背びれと尻びれに付いたトゲです。
毒はないので刺さっても心配する必要はありませんが、鋭いので肌に当たっただけでも強い痛みを感じます。
また、体表がヌルヌルしているヒイラギは、釣り上げた後も大量に粘液を出し続けます。
そのため、ヒイラギを扱う際は軍手やタオルを使用し、直接魚体に触れないようにしましょう。
ちなみに釣れたヒイラギをそのままクーラーボックスやバケツに入れてしまうと、中が粘液浸しになってしまうので注意が必要です。
持ち帰る場合はビニール袋などにヒイラギを入れ、他の魚と混ざらないようにするのがおすすめです。
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ヒイラギの味わい
ヒイラギの身はあっさりした白身で、アジに似た旨味があります。
様々な味付けや調理法で楽しめるのでアレンジも無限大です。
旬は産卵期前の3~5月で、この時期は特に脂のりが良く甘みも感じられます。
ヒイラギは関東ではあまり流通していませんが、大阪湾や京都府、福岡県などの西日本では食用として馴染みのある魚です。
特に島根県や高知県では人気が高く、高値が付くこともあるようです。
ちなみに市場でヒイラギを見かけたときは、体表に輝きがあり透明な粘液をまとっている個体を選ぶようにしましょう。
ヒイラギのさばき方
釣れたヒイラギを家に持ち帰ったら、美味しく食べるために綺麗にさばいていきましょう。
まずは下処理として背びれと尻びれに付いた鋭いトゲを落とし、塩もみと水洗いで体表の粘液を取り除きます。
ヒイラギはウロコがなく骨も柔らかいので、下処理してしまえば簡単にさばくことができます。
頭と内臓を切り落とし、血合いを綺麗に水で洗い流せば完了です。
下処理とさばき方の詳しい手順は、下の動画を参考にしてくださいね!
様々な魚種の釣り方や調理法、釣具情報などを配信するYouTubeチャンネル『ABC FISHING STUDIO』では、ヒイラギのさばき方を紹介しています。
ぬめり取りや下処理の手順を実践しながら解説しているため、初心者の方でも分かりやすいです。
ヒイラギはコツをつかめば簡単にさばける魚なので、ぜひこの動画を見ながら練習してみましょう。
ヒイラギの食べ方
新鮮なヒイラギは、まずは刺身でいただくのがおすすめです。
白身は透明感がありあっさりした中にも上品な旨味を感じられ、旬のものは脂の甘みもしっかり味わえます。
シンプルに醤油で食べる以外にも、酢漬けや昆布締めにするとまた違った味わいを楽しめます。
ヒイラギの身だけでなく骨もまるごと調理したい方は、唐揚げや干物を試してみましょう。
唐揚げは片栗粉をまぶして油で揚げるだけ、干物は天日干しもしくは魚焼きグリルで炙るだけの簡単調理ですが、ヒイラギの旨味や食感を思う存分堪能できます。
さらに白身魚の淡白な味わいが苦手な方には煮付けがおすすめです。
濃いめの味付けにすると淡白さが気にならず、ホロホロと崩れる身の食感も楽しむことができます。
煮付けはご飯にもお酒にもよく合い、老若男女問わず好まれる味わいです。
様々な味付けや調理法を試してみて、自分好みのヒイラギ料理を見つけてくださいね。
釣って楽しく食べて美味しいヒイラギを堪能しよう!
今回はヒイラギについて詳しくご紹介しました。
これまで外道扱いしていたという方も、一度食べてみたくなったのではないでしょうか?
次にヒイラギが釣れたらリリースせず、ぜひ持ち帰って調理してみてください。
その味わいを知れば、きっとあなたもヒイラギの虜になること間違いなしです!
ヒイラギについて詳しくはこちらの記事をチェック!
この記事に関するよくある質問
ヒイラギの名前の由来は何ですか?
ヒイラギは漢字で「柊」と表記され、植物の柊のようにトゲを持つことや、体型が柊に似ていることからそう名付けられたと言われています。また、ヒイラギのトゲは手に刺さると痛みを感じるため、ヒリヒリ痛むという意味の古語「ひひらく」に由来しているという説もあります。
ヒイラギはどうやって食べるのがおすすめですか?
新鮮なヒイラギは、まずは刺身でいただくのがおすすめです。白身は透明感がありあっさりした中にも上品な旨味を感じられ、旬のものは脂の甘みもしっかり味わえます。ヒイラギの身だけでなく骨もまるごと調理したいなら、唐揚げや干物を試してみましょう。また、白身魚の淡白な味わいが苦手な方には煮付けがおすすめです。
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