【一から始めるテンタチ入門】東京湾にいよいよ来襲?!テンタチ快進撃!(前編)
エサ釣りでは永らくテンビン仕掛けがベースだった関東のタチウオ釣りだが、数年前に関西発のテンヤ仕掛けを使った釣りが流入してきた。 そして今年、東京湾で130cmを超えるタチウオ、まさ…
隔週刊つり情報編集部PR
エサ釣りでは永らくテンビン仕掛けがベースだった関東のタチウオ釣りだが、数年前に関西発のテンヤ仕掛けを使った釣りが流入してきた。
そして今年、東京湾で130cmを超えるタチウオ、まさにドラゴンがそのテンヤ仕掛けで連発、一気に注目度が高まっている!
目次
釣り方の手順は、
①着底(または指示ダナ下限で止めて)
②2~3m巻き上げて(根掛かりやエイ、サメなどを避ける)
③誘う(指示ダナの上限かそれ以上へ)
④アタリがなければ落とし直して①へ
つまり、テンビン仕掛けの釣りと同じ。
このとき、最も大切かつ悩ましいのが「誘い方」だ。
テンヤタチウオには様ざまな名称の誘い方や合わせ方があり、プロレス技のごとく多彩に思えるのだが、その傾向を分けると「アクティブ系」と「着実系(またはじっくり系)」に大別できる。
まず、アクティブ系の誘い方の基本となるのが「ストップ&ゴー」。
読んで字のごとく、動かしては止める、を繰り返す。
難しいハナシを抜きに、この誘い方でアタリの出る、出ないを決めるのは「しっかり止める」ことだ。
動作は、竿をほぼ水平に構え(←これも大切!)
A ハンドルを巻きながら小さく3回シャクる(ショートピッチジャーク)。
B 竿はそのままでハンドルだけクルックルッと素早く2~3回ほど回す。
いずれの場合も、糸フケを出さずに、テンヤをクイックに動かす。
ジギングのようにテンヤを断続的に動かすといいときもあるが、その場合ですら糸フケを出さないほうがアタリが多い。
そして誘ったら「止める」。
タチウオの活性が高いときには、止めた瞬間に強烈なアタリがくる。
止める時間は5~10秒、またはそれ以上がいいときもあるので試してみる。
ヤル気のあるタチウオを誘い出す方法なので、アタった後の追い方や駆け引きが激しく、勝負が早い傾向がある。
ストップ&ゴー(ショートピッチジャークなど)「動と静」にメリハリを付けた誘いでアタリを出させられないときは、デッドスロー(微速巻き)などでタチウオにじっくりとエサを「見せて」反応させてみる。
電動ズル巻きとも呼ばれるこの方法は、色んな釣りで使われ、いわばものぐさ釣法のように思われがちだが、テンヤタチウオでは主力ともいえる誘い方。
昨年の秋に乗船した関西のタチウオ乗合では、ほとんどの釣り人がこの釣法で狙っていたほどだ。
動作は簡単。
竿を水平かやや下向きに構え、電動リールの速度を微速(速度3前後)にして、タナを通過させて
いく。
イメージとしては、テンヤが水平やや尻下がりの姿勢を維持したまま、ゆっくりと、潮に揺られながら上へ泳ぐ。
じっくりと見ることができ、追跡しやすく、反撃されそうもない格好のエサであれば、活性の低いタチウオも食いついてくる、というわけだ。
目と手でアタリを楽しむという点も含め、竿は手持ちがおすすめだが、ロッドキーパーにあずけていてもいい。
むしろ、不要意に動かさないぶん、置き竿のほうがアタリが出る日もあったりするから侮れない。
また、デッドスローの合間に小さくシャクリを入れて、テンヤにイレギュラーな動きを加えると、タチウオの捕食欲を刺激することがある。
逆に、1~1.5m巻いたら止めて、しばらく放置(ステイ)すると、不意にアタってくることがある。
アクティブに誘うストップ&ゴー、着実にエサを見せるデッドスロー、いずれの誘い方でも、タチウオのアタリは明確で面白い。
テンヤはオモリと一体化されているハリ軸にエサを付けているため、アタリはそのままリーダー、道糸を介して竿そして手、脳へと伝わってくる。
アタリの感触を擬音で現すなら、コンッ、ガツッ、ガガガッ、など。
つまり鋭く金属的。
ほかの釣りを引き合いに出すなら「大きなカワハギ釣り」だ。
これが面白くないワケがない。
中でも、テンヤの重みで曲がっていた穂先がコンッと上へ弾かれる「食い上げ」アタリはテンヤならではで、思わずビックリ合わせをしてしまう。
また、穂先を震わせるアタリも、引き込むようなアタリも、どれも分かりやすい。
実際にはマルイカ釣りのような微細なアタリも出ているのかもしれないが(デッドスローで誘っている際には小さな、弱よわしいアタリになるときもある)、そんなことに気づかずにいれば、いずれガガガン!とくる。
未経験の人は想像しがたいかもしれないが、テンヤタチウオのアタリはとにかくダイレクトで、電流でも流れたかのように、反射的に体が反応してしまうのだ。
つまり、大合わせになりがち。
で、これが落とし穴。
テンビン仕掛けと同じく、テンヤタチウオも即合わせ、大合わせは掛かる確率が低い。
テンヤでハリ掛かりさせるには、ハリ軸分オモリが上に動けば十分。
つまり、ハリ軸を支点にテンヤがクルリと上を向けばテコの原理でハリ掛かりする。
というわけだが、いやいや、人間、そう簡単に理屈どおりに動けない。
というわけで、次項は合わせ方について考えてみよう。
「やっちまった!」
明確なアタリに思わず即合わせして豪快に空振りしたとき、だれもがそう思うハズ。
ここで諦めて巻き上げちゃダメ!
ボクシングでいえば第一ラウンド開始のゴングと同時にジャブをくらったようなもの。
ここからタチウオとの駆け引きが始まるのだ。
海中をイメージしてみれば、きっと、テンヤにアタックしてきたタチウオはエサが逃げたと思うはず。
また、何回もアタっていたのでなければ、エサのイワシはなくなっていないはず。
まずは冷静に、タチウオがエサを見失わないよう、テンヤの重さを感じつつ、ゆっくり竿を下ろして、アタリがあった位置へ戻して、止めてみる。
どうか?
ここで再びアタリがくればOK、こなければ・・・。
①上へと誘い続けてみる
②その場でシェイク(タタキ)、止め。
この選択は勘でもいいが、アタリが出るまでの誘いを思い出してみよう。
ハンドル巻き、またはショートピッチのシャクリなど、ストップ&ゴーで「上へ積極的に誘っているほうがアタリが出ていた」のなら①で追わせる。
逆に、ゆっくりと誘い、長めの「止め(ストップ)」でアタリが出ていたのなら、上へ追わせるより、アタリが出た位置で粘る②が有効かもしれない。
テンヤタチウオでは、よほど活性が低くないかぎり、アタリが1回きりということはない。
再びアタリがきたら、今度は極力「小さく、ていねいに合わせる」ことを心がけつつ、竿先にしっ
かり重さが乗るまで、アタリ、小さな空振りを繰り返していく。
大合わせで失敗しなければ、いずれ、タチウオが我慢しきれなくなってイワシを深追いしてハリに掛かる。
そうなればこちらのもの。
一際重さが乗った竿をゆっくり、大きく、力強く上げつつ、巻きを加えてしっかりとハリ掛かりさせる。
これが、合わせだ。
右ページのパターンをアクティブモードとすれば、こちらは「着実モード」合理的かつ冷静な合わせ方だ。
アタリがきたときのテンヤとタチウオの位置関係をイメージしてみると、大きく竿で合わせてしまうと、テンヤが勢いよくタチウオから離れ、場合によっては見失うか、警戒するかもしれない。
また、アタリが出るまでの誘いがデッドスローだったとすれば、いきなりテンヤがダッシュして消えたように感じるかもしれない。
つまり、ただでさえ遅い動きでようやく反応したタチウオなら、追わない可能性もある。
それらを考えると、竿を動かさず、リールのハンドルを回すだけの「巻き合わせ(あるいは巻き掛け)」は、理にかなった方法といえる。
動作は簡単。
アタリが出たら、ハンドルをクルクルッと2~3回巻く。
次にアタリが出ても、同じくハンドルを2~3回巻く。
この繰り返し。
このときのイメージが上図。
タチウオとしてはエサを捕まえると上へスッと逃げられて、また捕まえても逃げられる、の繰り返し。
一見、消極的に見えるかもしれないが、ハンドルを巻くことが誘いとなり、上へ、上へとタチウオにテンヤを追わせている。
デッドスローにようやく反応する魚でも、テンヤを追っているうちに執着して、ついには深追いしてハリに掛かることが多い。
この場合、ほぼ向こう合わせで掛かる。
慌てず、竿をしっかり曲げながらリールの巻き上げを早めればフッキング完了だ。
隔週刊つり情報(2020年9月15日号)※無断複製・転載禁止
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