これまで関東ではテンヤを使った手釣りが主流だったマダコ釣りに、餌木を使った竿釣りが広まり2年が経過。
早くもマダコの主流釣法になろうとしている。
この巻頭特集では、そんな餌木タコの楽しみ方を改めて紹介していこう。
ホンマかいな!匂い&巻き物の威力
手釣りでもティザーと呼ばれるビニール片をテンヤの上に縛ることはよくあり、タコにアピールアイテムが効くというのは昔からの通説。では、最新の匂い&巻き物グッズも効果はあるのか!?
ホンマかいな!?
そう思っていても、試さずにいられないのが釣り師の性。
とくに最近の餌木タコ釣りでは餌木に豚のバラ肉などを巻くのが流行っている様子。
餌木の色が全く分からないくらいにグルグル巻きにされていると、もはや餌木じゃなくてもいいんじゃない!?と思うほどである。
それはともかく、匂いがタコを寄せる、柔らかい物を巻いているとタコの抱きが長くなる、なんてことをまことしやかに語られるとついつい手を出して・・・。
ということで、本誌が入手した最新匂い&巻き物グッズを現場で試してみることにした。
まず最初は、今年のオンラインフィッシングショーで話題になった「タコ釣りボール」。
水で溶ける特殊フィルムに包まれた魚介エキスを貝殻型の容器に入れて、餌木などと一緒に使うアピールアイテムだ。
試しにバケツの中に入れてみると、1~2分で中の液体がジワリと溶け出し、5分ではまだかなりの量が残り、完全になくなるまでは10分以上、一流しで1個使用する感じだろうか。
仮に中のエキスがなくなっても、見た目に貝殻型の容器のアピール力は高そうだ。
そうしてもう一つ、ダイワから発売された新製品の「タコの抱き枕」&「抱き魂」。
抱き枕は餌木に装着するソフトルアーのようなシートで、柔らかい素材と匂いでアピール。
抱き魂は浮力があり、餌木のブレード付近などに装着、餌木にユラユラした動きを与えてアピール。
本体にカニ味?の食品素材が練り込まれており、味覚の面でもタコを刺激するとか。
ということで、これら3アイテムを装着した仕掛けで根岸発行人に釣ってもらったところ・・・なんと2杯のタコをゲットすることに成功!
いやいや、ちょっと待てよ。
何もアピールアイテムを付けていない隣の人は8杯ってどういうこと!?
そもそも3つもアピールアイテムを付けていたんじゃ何が効いたか分かりゃしない。
ということで、自分はダイワの新型タコ用ルアー「マダク」に抱き枕をセットして1本勝負。
ハイ釣れました、フツーに。
これですらマダクがよかったのか抱き枕が効いたのか・・・。
ともあれ、こうしたアピールグッズはあっても釣れるしなくても釣れる。
マダコ釣りの楽しみ方の一つとして、周囲に迷惑をかけない範囲で色いろ試してみると面白い。
(左)抱き枕の本体。ゴムのように伸びる(右上)ダイワからもアピールアイテムが登場(右下)セットするとこんな感じ
出典:
(左上)タネ・マキのタコ釣りボールはタコファン注目のアイテム(中)貝殻型のケースにタコ釣りボールを入れる(右上)水に漬けると少しずつ溶け出す(左下)1分でこれくらい(右下)3分でこれくらい
出典:
やった!きたぜ~・・・って、どれにきたの!?
出典:
マダクに抱き枕だけでも釣れたけど、どっちがよかった!?
出典:
最新餌木タコロッドで釣ってみた!
今シーズンは餌木タコ専用ロッドが各社から多数登場、豊富なラインアップが出そろい、これから餌木タコ専用竿を購入しようという方にはうれしい悩みがまた一つ増えることになる。
餌木タコに使える竿は先調子で頑丈であればヤリイカ竿、ビシアジ竿、ジギングロッドなど色いろ流用できるが、それは専用竿がまだあまりなかったときの話。
各社からこれだけ豊富に餌木タコ竿がラインアップされたのであれば、専用竿で釣ってみたい。
ほかの釣り物でも言えることだが、専用に設計された竿で釣ったほうが快適で楽しいものだ。
ということで、まずは餌木タコロッドに求められる条件から考えてみる。
第一に大切なのは強さ。
小さなタコは300~500g前後だが、大型は3~4㎏にもなる。
オモリの号数に換算すると1000号近くになるわけで、これに合わせる瞬間の衝撃などを加えれば、竿にかかる負荷は相当なもの。
強度に加え、合わせも効かせるには胴~元に強い張りが必要になるため、餌木タコ専用竿は非常に強い9:1~8:2調子になっている。
では、穂先はどうか。
これは大きく分けて軟らかめと硬めの2タイプに分類できる。
穂先の軟らかいタイプはオモリを底へ着けたまま餌木を動かす、いわゆる定点小づきを行いやすいとされる。
穂先の硬いタイプは、手元の小さな動きでも餌木を動かせるので操作性がよく、深場や根の荒い場所で釣りやすいといったメリットがある。
傾向としては穂先の硬いタイプは東京湾や茨城に向くと思われるが、竿の機能という点ではどちらも十分に使える。
しなやかな穂先か、硬い穂先かは好みでいいだろう。
そのほか価格によって使われている素材などが変わるので、手にしたときの感触や持ち重り感は様ざま。
カラー6ページで取り上げた8本の竿を右の表に整理してみたので参考にしていただきたい。
最後に、8本の竿を実際に使って釣ってみた印象を述べてみたい。
4社から8本の餌木タコ竿が登場
出典:
シマノ・タコエギXR
今回使用した竿の中でも一番のハイエンドモデルとあって、一歩抜きん出た印象。
SとMの色分けもしっかりされており、選択に迷いは出ないだろう。
どちらのモデルも秀逸な出来栄えだが、編集部内では穂先の軟らかさが気持ちいいSの評価が8本中最も高かった。
【タコエギXR S175】感度、軽さ、パワーすべての点で今回、最も評価の高かったタコエギXR S175
出典:
【タコエギXR M175】タコエギXR M175にタコが乗った!根岸発行人は硬めのM推し
出典:
ダイワ・アナリスターエギタコ&エギタコX
ダイワがリリースした2本はシリーズが違うこともあって一概に比較できないが、穂先はどちらも硬めの設定。
カーボン含有率や全長の違いはあるが、自重はどちらも122gと軽量。
あえて言えば、Xのほうがやや全体に張りのある印象だった。
【アナリスターエギタコMH-175】アナリスターエギタコMH-175は現在の餌木タコロッドを代表する出来栄え。軟らかめが好みの人はSのほうを
出典:
【エギタコXM-180】エギタコXM-180は全体にパリッとした印象。クセがなく扱いやすいため入門にもピッタリ
出典:
がまかつ・オクトライズフネタコ
がまかつがラグゼブランドでついに餌木タコ竿をリリースした。
同社初の専用竿としては文句なしの仕上がりで、軟らかめの先調子と硬めの極先調子の違いもはっきり出ていた。
価格的に高くはなく、安くもない中間の設定。
初見は先調子のほうがいいかなと思ったが、実際使ってみると極先調子のほうがしっくりきた。
【オクトライズ フネタコ先調子178】先調子178にタコが乗った!穂持~胴にかけては十分な張りがある
出典:
【オクトライズ フネタコ極先調子170】極先調子170で合わせる!硬調子でも負荷をかけた瞬間は穂持付近が柔軟にショックを吸収
出典:
アルファタックル・アルファソニック&フネタツ
アルファソニックはアルファタックルの船竿のトップブランド。
そこにチタントップを搭載したリミテッドモデルを持ってきた。
全体にしなやかな調子が好きな人におすすめ。
一方のフネタツはシリーズ通して定価1万4000円(税別)のリーズナブルなお買い得シリーズ。
しかもこのタココンボはリールと糸付きというからビックリ。
オープン価格だが、実売1万5000円前後のようだ。
【アルファソニック餌木タコ180ti LTD】メタルの高感度と硬さの中に粘りを持つ胴は独特の感触
出典:
【FUNETATSU タコ コンボ180】迷うことなくすぐに実釣できるお得なセット。竿の実力は十分だ
出典:
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隔週刊つり情報(2021年7月1日号)※無断複製・転載禁止