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シーズン初期はエビング優勢 キハダ・カツオ

隔週刊つり情報編集部

今シーズンはカツオ主体に順調なスタートを切った相模湾のコマセ釣りのキハダ。

カツオは3~4kg級の良型主体にトップで10本以上を釣り早揚がりなんてことも続いたが、10日ごろから事態は急変。

濁り潮の影響か反応はあってもカツオが口を使わなくなってしまう。

そんな状況でもポツリポツリと20kg級のキハダがヒットしているのは近年注目されているエビング。

魚がコマセに着く前のシーズン初期に有効とされる釣り方で、ファンも急増中だ。

その基本的な釣り方を紹介する。

釣行の写真

シーズン初期のキハダ・カツオはエビングで狙う人も多い

エビングで27kg!

取材した愛正丸では当日はキハダこそ不発だったが、8月4日には27kgがエビングで取り込まれている。

今後も期待十分だ。

魚の写真

8月4日に上がった27kg(写真 提供:愛正丸)

今シーズンは8月11日の開幕初日からカツオ、キメジがコマセに反応し、大いに期待できる口開けとなった。

その後も好模様は衰えることなく、8月6日には2~5kgサイズのカツオ、キメジ合わせてトップ20本以上、早揚がりする船が続出。

今年はマジで当たり年!を決定づけるようなXデーとなった。

さて、気になるキハダも初日から反応は見え、翌2日には本誌協定船宿では五エム丸、秀吉丸、太郎丸、庄三郎丸、平安丸、よしひさ丸など各船で20kgサイズが仕留められた。

ただし、こちらはコマセではなく、すべて舳先で竿を振るルアーマンたちによるエビング釣法での釣果だ。

8月15日現在までも連日のように各船でキハダは上がっているが、そのほとんどがエビングによるもの。

また、キメジもコマセで釣れるサイズは2~5kgが主体だが、エビングでは7~12kgサイズが主体と、サイズに比例してエビングにヒットしている傾向がうかがえる。

キハダが完全にコマセに口を使うようになり、流し釣りに切り替わってしまうと一気に難易度は高まってしまうが、カツオと混成の群れをソナーで追い、進行方向に先回りして打ち込む、いわゆる追っかけ釣りの展開の中でキハダ・キメジを狙うにはエビングはコマセ釣りを凌ぐほどの威力を発揮する。

エビングの仕掛けはテンビン式

ルアーマンであればご存じのとおり、エビングはソルトルアーフィッシングのパイオニアとして知られている村越正海さんが考案した釣法だ。

エビングの仕掛けはエサ釣り師風に表現するとテンビン吹き流しスタイルだが、エビング専用の直線型テンビンにオモリにはメタルジグを使用する。

ハリスはフロロカーボン20~24号(70~85lb)で長さ3m、ネムリ系のハリに4in前後のワームを付けた構成となっている。

オモリ兼魚へのアピール効果の役目をするメタルジグはフォールスピードが速く、抵抗が少ないロングタイプが基本。

ウエイトは200gを基本にタナが深いときや潮が速いときなどは250~300gを使うこともある。

アピール効果というとスライドジグなどの変化のある動きをするタイプのほうがいいのではと考えてしまうかもしれないが、コマセ釣り乗合に同乗の場合はオマツリの原因となるので使用は控えたい。

カラーについては当日同乗した人にインタビューしてみたが、とくにこれといったパターンはないようで、最初にそろえるのであれば基本色ともいえるゴールド、シルバー、グローの3カラーあれば間違いないとのこと。

ハリはエサ釣りと同じネムリ系。

ムツサークルの2/0~3/0号は代表的なところ。

ジャイアンとキハダマグロやオキアミマグロ、閂キハダなどを使う人もいるが、この場合はコマセ釣りで使うよりもワンサイズ大きいものが推奨される。

ワームはこれも代表的なものをあげるとダイワのエビングスティックやDRスティックの3.5~4.2in。

ワームは1個もしくは2個をハリにチョン掛けに付けるが、2個付ける場合は定番カラーのケイムラクリアを軸に各色併せ付けるといい。

ほかにもマルキユーの特選オキアミ75mmやジャッカルのシザーコーム3.8~4.8inなどもヒットワームとして定評がある。

ロッドはマグロ、ヒラマサに対応できる全長6~8ftのスピニング用ジギング、キャスティングロッド。

個人の体力にもよるが一日中ジャーク(シャクリ誘い)を繰り返すので6ftクラスの短めのほうが体力も温存でき、取り回しも楽だ。

道糸はPE4号を使う人もいるが、基本は5~6号300m以上だ。

したがって巻糸量をカバーできるスピニングリールは各社10000~14000番クラスがこれに該当する。

PEラインの先にはフロロカーボン22~30号(80~100lb)3~4mほどをFG、PRノットなどで直結し、テンビンに接続する。

コマセ釣りよりも幅広いタナを探る

コマセ釣り船に同乗する場合は船首舳先のスペースがエビング席となる。

ドラグは4kgを目安に事前に調整しておき、投入合図が出たらアンダーハンドで軽く前方にキャストする。

船長からアナウンスされる指示ダナはコマセ釣りの場合であることが多い。

エビングの場合はその指示ダナの下限よりさらに10~20m下まで下ろしたところからジャーク(シャクリ)を開始する。

誘い方はシャクリ上げた分巻き取るを繰り返すロングジャークを基本に、シャクリ上げるスピードや幅、巻き取る量を変えてみたりと色いろなパターンを試してみるといい。

ジャーク動作はグリップを脇に挟んでもいいが、ギンバルを装着し、これにグリップエンドを当てて行うギンバルジャークが体力消耗も抑えられ、キハダとのファイトも安定したロッド操作が可能となる。

シャクリ上げのタイミングでキハダが食ってきたときはガツンッと衝突するようなアタリがロッドに伝わってくるが、間を空けたピッチのときやフォール中に出るアタリは小さいので、何かしら違和感を感じたなら即座にリールを巻きながら強く合わせを入れる。

キハダはワームを吸い込むように捕食するので、アタリが出たときにはすでにハリはノド奥に入っていると思っていい。

キハダは歯が鋭いので、喉奥からハリを引きずり出し、口元にフッキングさせるように合わせは強く数回入れることがポイント。

ヒット後のファーストランはサイズにもよるが20kg台であれば50mくらいで止まるケースが多い。

走りが止まったところでファイト開始となるが、キハダが再び走ったときはドラグの滑るがままに耐え、止まったらロッドを立て、寄せては巻き下げるポンピングで巻き上げる。

ロッドを立てるときにドラグが滑ってしまうようなときは、やたらドラグを増し締めするより、手でスプールを押さえながらロッドを立てていくほうが、突然キハダが走り出したときに素早くかわすことができる。

キハダは竿先を中心に旋回しながら上がってくる。

魚の頭が船側に向いているときはリールを巻き、外側を向いたときは竿をためて耐えていると再び船側に向いてくるのでここで再びリールを巻く。

この繰り返しで徐々に距離が縮まり、やがて海面に浮上してくる。

最後は船長、仲乗りさんにテンビン、ハリスをつかんでもらい、タモかギャフで取り込んでもらう。

キハダ・カツオ好調開幕! エビングチャンスはまだあり

開幕から好調続きとあって、カツオ・キハダ狙いの船はどこも大賑わい。

やはり相模湾の夏はこうでなくちゃいけない。

三浦半島葉山あぶずりの愛正丸へ釣行したのは8月11日。

出港してからおよそ40分。

先行の僚船が反応をとらえたとの情報に西から東から続々と船が集結、一瞬にして大船団が形成された。

「いいよ!15m」

「反応入ってきたよ!」

アナウンスと同時に左舷大ドモの野本さんの竿が絞り込まれた。

フルドラグでガンガン巻き上げると横走りするプラチナシルバーの魚影がキラリ。

頭を海面から出したところでサッと仲乗りさんがタモを入れると4kg近いカツオが取り込まれた。

頭が小さく、腹回りが太い体形は見るからにうまそうだ。

船中2発目は右舷大ドモの中信さんの竿に。

これは2kg以上ある大型のヒラソウダ。

大歓迎のゲストだ。

その後は反応を追いかけ、打ち込みを繰り返すが、いい反応が船下に入ってもスルーされるばかり。

仲乗りさんによると、昨日から濁った潮が入ってきて、それを嫌ってか魚が口を使わなくなってしまったとのこと。

反応はカツオとキハダの混成という。

こんなときは舳先で竿を振るエビングの威力に期待だ。

釣行の写真

朝方と後半に口を使った

魚はたくさんいる!

そのエビング組の一人、田尻さんは今シーズン3回目の釣行。

8月4日には27kgのキハダを上げており、別日にも5~9kgのキメジを6本、いずれもエビングで上げたとのこと。

牧原さんは今シーズン2回目。

前回はコマセ釣りでカツオを20本以上釣り上げたので今日はキハダに的を絞ってコレ(エビング)です!とジャークを繰り返す。

後半になるとにわかに魚の活性が上がってきたようで、ポツポツながらもコマセ釣りではカツオがヒットする。

僚船ではエビングにヒットしている光景もチラホラ。

本船にもアタらないかな、と思っていると、ジーッとスピニングリールのドラグ音が響き渡ってきた。

エビングの牧原さんにヒットだ。

やったー!ここぞとばかりにシャッターを切る。

しかし、ラインが数十m引き出されたところで重いだけの引きに変わってしまった。

残念。

ラスト30分は私もお仲間に加えていただき、電動タックルでトライ。

電動巻き上げしながらシャクリを入れるだけなので、超楽ちん。

これなら非力な女性でも楽しめる。

結局、本船ではキハダ・キメジは不発だったが、この日もエビングの威力が発揮され、同港の長三朗丸、秀吉丸のほか多くの僚船がエビングでキハダをキャッチしていた。

「昨日からの濁り潮で今日は食い渋っちゃったけど、カツオもマグロも一杯いるよ。今年はいいと思うよ!」

開幕から好調続きの釣況に船長も太鼓判を押してくれた。

釣行の写真

3~4kg級が多かった

釣行の写真

大型のヒラソウダも交じった

電動エビングのすすめ

エビングはやってみたいけどタックルの新調は……、一日中手巻きで竿を振るのは体力的に自信が……と思っている人におすすめなのが手持ちのコマセ釣り用の電動タックルを流用した「電動エビング」だ。

テンビンはそのまま、コマセカゴを単体オモリに替え、ハリにエビングワームを付けるだけ。

オモリをコマセ釣りと同じ80~120号にすればコマセ釣りの席でも行うことも可能だ(もちろん追っかけ釣りの展開で、かつ船長の許可を取ってのことだが)。

釣り方はスルメイカの電動直結釣法と同じように電動で巻き上げながらシャクリを繰り返すだけと簡単楽らく。

コマセ釣りで使う電動リールは6000番(800番)以上の大型タイプが主流だが、エビングならリールはPE5~6号300m以上巻いてあれば3000番(500番)クラスでも可能。

ただしこのクラスのリールを使う場合はシマノビーストマスター3000MDやダイワシーボーグ500MJなどのハイクラス・ハイパワーの機種を選択したい。

船宿information

三浦半島葉山あぶずり 愛正丸

090・3683・0914

▼備考=出船6時。コマセ釣り用レンタルタックル500円。別船アジ五目も毎日出船

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