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銭洲のムロアジ泳がせ本格期カンパチ

隔週刊つり情報編集部

銭洲遠征の主役といえば泳がせ釣りのカンパチ。

エサにするムロアジが安定して釣れるようになった今がまさに本番だ。

南伊豆下田須崎港の宝栄丸から出船した取材日はダルマ周辺の水深50~75mと深場を狙い、最大6.6kgを含みトップ3本。

当日はツムブリが多くカンパチの数はのびなかったが、大型ヒラマサらしきバラシもあった。

銭洲の泳がせカンパチはこれから年内一杯がシーズン。

10kgオーバーを目指してチャレンジしてみよう。

チビムロの扱いに注意

カンパチ釣りにおいて絶大な威力を発揮するチビムロだが、小さい分弱りが早いので扱いはていねいかつ素早く行う必要がある。

釣り上げたチビムロは手で触れることなくハリ外しを使ってイケスに入れ、イケスからすくうときにはラバーネットを使う。

チビムロを持つときには必ず海水で手を濡らし、ハリに掛けるときもできればイケスの海水の中で行うようにしたい。

釣行の写真

▲直接触れないようハリ外しを使ってイケスへ▲宝栄丸では各席にラバーネットが用意されている

伊豆半島の先端、石廊崎から南に約75km、一番近い神津島からでも35kmほどの沖合にあるのが銭洲。

外洋のど真ん中にネープルスやダルマと呼ばれる岩礁帯が海面から顔を出しており、その姿を見るだけでも壮観だ。

そして、その周辺がいわゆる瀬となりカンパチやヒラマサなどの青物、モロコを筆頭とした底物、五目釣りではウメイロ、ヒメダイ、アオダイといった高級魚の宝庫となっていて、その昔漁師たちが「行けさえすれば銭になる」と言った好漁場だ。

釣行の写真

▲この日は3kg級が多かったが10kgオー バーにも期待できる

チビムロ釣りのタックル&仕掛け

銭洲に到着するとまずはエサとなるチビムロ釣りから始まる。

「今年は島(ネープルス)周りのムロが大きいのでここ最近はダルマでやってます」とは今回の取材先である南伊豆下田須崎港・宝栄丸の土屋佑二郎船長。

タナはそのときによって変わるが、たいていは海面下10m以内。

浅いと海面下1~2mに泳ぎ回るチビムロが見えることもある。

チビムロ釣りのタックルだが、常連さんたちは専用のライトタックルを用意する方がほとんどで、中には専用のノベ竿を使用する方もいる。

ただオーバースペックではあるものの遠征五目用の竿とリールをそのまま流用しても十分釣りにはなる。

仕掛けはサビキだが、普通のサビキ釣りのように下オモリではなく、テンビンを使い吹き流しで狙うのが主流。

食い込みがいいのとバラシが少なくなるからだが、慣れないと手前マツリも多い。

そのためテンビンに付けたサビキの先端に1~2号の小さなナス型オモリを付けてやることで、仕掛けが安定し絡みも少なくなる。

サビキは幹糸5号、枝ス4号で、スキンを巻いたグレバリ5号の5~6本バリが標準スペック。

スキンの色は白、ピンク、緑など。

取材日はチビムロの食いは良好で、どの色のサビキにもよく掛かっていたが、食いが渋いとサビキ選びも重要となる。

遠征釣りを得意とするプロショップで購入できるが、迷うようなら安定度抜群の船宿仕掛けの購入をおすすめする。

何もなければサビキは1組で済むが、イスズミやサンノジなどに切られることもあるし、短時間でチビムロを最低一人10匹、できれば20匹ほどは確保したいので、オマツリ時には即交換する。

このため4~5組は用意しておきたい。

釣行の写真

▲カンパチを食わせるには誘い続けることが大切

カンパチのタックル&仕掛け

チビムロカンパチでは3~10kg級がメインターゲットで、泳がせビギナーでも狙いやすいサイズ感。

とはいえもちろん超ド級が食ってくる可能性もあるのが銭洲。

ゆめゆめ油断は禁物だ。

カンパチ狙いのタックルは、竿はオモリ200号に対応する泳がせ用ワンピースロッドで長さは1.6~1.8m。

置き竿でウインチファイトをするなら2m前後とやや長めでも構わない。

リールはレバードラグ式の泳がせ用両軸、もしくはハイパワーな中型以上の電動で、道糸はPE10号を300mほど巻いておく。

仕掛けは図のような胴つき式で、ハリス30号2.5~3m、ハリは泳がせ用の22号が標準。

今後エサになるムロアジが大きくなってきたらハリス40号以上、ハリは24~30号で用意したい。

なお、遠征釣りでは着替え(短パン、Tシャツなど)も必携。

釣りが終わったら船尾にある真水と石鹸で手足を洗い、着替えてから船室に入ること。

誘ってタナを探るのがコツ

銭洲ではエサのムロアジ釣りのみ6時から行えるが、泳がせ釣りや五目釣りは7時からとなる。

7時になると同時に泳がせ釣りがスタートするので準備しておこう。

エサのチビムロは口掛けか鼻掛けで装餌する。

目通しでエサ付けする方もいるが、中型以上のムロアジならいざ知らず「チビムロは装着に時間がかかるとかえって弱ってしまう」と船長はダメ出しする。

ちなみに「口掛けや鼻掛けで多少弱ってきたと思ったら、一度ハリから外しイケスでしばらく休ませておくと復活することもありますよ」と船長。

チビムロが少ないとき用に覚えておきたいテクニックだ。

仕掛けを投入したら一度着底させるが、着底前にチビムロがカンパチにおびえて暴れることもあるから、着底直前は集中して仕掛けを下ろしたい(暴れたタナは覚えておく)。

ちなみに宝栄丸で泳がせ時に出るアナウンスは水深のこと。「50m」とアナウンスがあれば、40m付近からはややスピードを落とし、竿先を注視しながら仕掛けを下ろそう。

カンパチ泳がせのタナは海底から4~5mが目安。

ただこれはあくまでも目安であって、ずっとこのタナをキープするものではないし、それでは釣れない。

カンパチの遊泳層は一定ではなく幅広いからで、特段指示がない場合でも海底~10mくらいまではゆっくりとリールを巻きながら誘いを入れタナを探る。

チビムロが暴れるところがあれば、そこがカンパチのタナであることが多いので、しばらくはその位置でアタリを待ってみよう。

仕掛けを下ろしているときに暴れるタナがあったのなら、いきなりそのタナに合わせてもいい。

とにかく飽きずに着底~誘い上げを繰り返し、チビムロが暴れるタナを見付けていくのがこの釣り最大のコツ。

「置き竿じゃあまず釣れないよ。常に上下に誘ってやって」とは船長だ。

アタリはゴンと竿先がたたかれたりフワフワと揺れたりした後に、ズギューンと一気に海中に突っ込む。

ここが合わせ時で、力を込めて竿を持ち上げガッチリとハリ掛かりさせる。

あとはタップリとカンパチとの痛快なファイトを楽しもう。

夢とロマンの銭州遠征泳がせカンパチの好期到来

夏の銭洲が好期を迎えている。

外洋ではあるが台風でもこない限り夏はナギの日が多く、そしてなんと言ってもチビムロの回遊があってカンパチ狙いの最適期でもある。

8月中旬に釣行の機会を得て、南伊豆下田須崎港の宝栄丸からいざ銭洲へと出船した。

エアコンの効いた船室でグッスリと眠り6時少し前に銭洲に到着。

目の前には大ダルマを臨む。

このところネープルス周りはムロアジが大きいとのことで、ダルマ周辺でのチビムロ釣りとなるようだ。

6時になって「4~5mでやって~」とチビムロ釣り開始となる。

この日はチビムロの食いは良好で、撮影の後に竿を出した私もあっという間に20匹近くのエサを確保した。

たかが20cm少々のムロアジ釣りではあるが、これがけっこう面白く夢中になる。

雑にやるとバラシも多いし手前マツリやらトラブルも多い。

効率よく釣るためには投入から取り込みまで基本に忠実な所作が必要だ。

そうこうしているうちに7時となり、「泳がせやるよ。仕掛け替えて~」とアナウンスが出る。

カンパチ狙いの泳がせもダルマ周辺でのスタートだ。

時合にはヒット連発

「50m」とアナウンスが出るが、これは水深のことでタナとは別。

カンパチ狙いではチビムロの暴れ加減を見ながら、カンパチのタナを探っていくのが基本的な釣り方になる。

残念ながらダルマ周辺ではカンパチからのアプローチはなく移動。

ネープルス方面に向かうが少し反応を見ただけで通過、もうしばらく走り、「ちょっと深いよ、75m」で泳がせ釣りを再開する。

ここではまず私の竿にいきなりゴン!ときた。

しかしこの単発アタリだけで、仕掛けを上げるとエサが抜かれていた。

その直後「ヒット!」の声。

右舷で竿を出していた仲乗りさんが掛けたようだ。

さすがに安定したヤリトリで上がってきたのは3kg少々のヒレナガカンパチだった。

その後のヒットは9時半ごろ。

右舷でツムブリが連発し5kg級のカンパチも取り込まれた。

そして右舷トモ2番で竿が大きく曲がる。

明らかに今までの引きとは違い大物の予感が漂ったが、残念ながら根ズレによるハリス切れに終わってしまった。

途中の走りっぷり、根に回られたことなどを考えると大型のヒラマサではなかっただろうか?

次なるヒットタイムは10時過ぎ。

左ミヨシ、トモ、右舷胴の間のなんとトリプルヒットだ。

左ミヨシ氏はツムブリだったが、右胴の間はカンパチ、そして左トモ氏は目測6~7kg級のカンパチだった。

ここでは私にも本日2度目のアタリが出る。

底ダチを取り直し、5m底を切った位置からソロソロと巻き、チビムロが暴れ始めたプラス3mの位置で待つと、ガツガツとたたかれた後ギュギューンと竿先が入り、小型ながらうれしい一本をキャッチした。

その後も沈黙を挟みながらヒットタイムが訪れる展開で、そのたびにツムブリ、カンパチと上がる。

後半1時間はウメイロのお土産釣りタイムもあって、沖揚がりの13時を迎えた。

釣果はカンパチが3~6.6kgを0~3本の船中8本、ツムブリは10尾以上、ウメイロは一人4~5尾といったところだった。

以前は何度も通った銭洲、今回3年ぶりの釣行だったが、相変わらずの景色と潮色に魅了された。

今も昔も夢とロマンに溢れる釣り場であることに間違いはなかった。

釣行の写真

▲ツムブリの引きも力強く楽しめる

釣行の写真

▲ヘラヤガラはアカヤガラのような赤褐色から鮮やかなイエローまで体色を変化させるのが特徴とか

船宿INFORMATION

南伊豆下田須崎港

宝栄丸

0558・22・1047

▼備考=予約乗合、1時集合。

ほか御蔵島遠征、新島キンメなども受付

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