【手釣り】残り3割の「釣れる要素」で差をつけろ!?
「マダコ釣りは運が7割」
これは船長の言葉だが、タコ釣りのベテランはおおむねそう思っている。
では残り3割は何か?
私のマダコ歴から推察すれば、1割は席、1割は技術、1割は精神力だと思う。
なんじゃそれと、怒らないでほしい。
大まじめにそう思うので、以下、具体例、傾向と対策を述べてみる。
運に身を任せると言いつつ、あきらめが悪い釣り人が多いのもマダコ釣りの特徴。
出典:
釣れる要素その①席
まず席である。
当然、四隅、あるいは片舷に並ぶ横流しであれば両端は投入角度が広い点で優位になる。
特徴として、ミヨシはピンポイントで根周りを攻めるときなどに強い反面、波が高い日は小づきにくくなる。
安定しているのはトモだ。
また、マダコ釣りでは胴の間も大コケしない席だが、注意すべきは絶好調モードに入った人の隣は不調にあえぐ可能性が高いということ。
理由は解明されていないし、予見もできないが、必ず存在する。
これを地獄席と呼ぶ。
まあ、運7割の中に含まれるが。
釣れる要素その②技術
次は技術。
まず前提として、手釣り糸を出してテンヤを海底に沈めて浮き上がらぬよう小づき続け、ヌターッと
重さが加わったら、慌てず10秒ほど小さく小づき続けてしっかりと乗せてから、糸を強くつかんで大きく合わせ、一定の速度でたぐって取り込む。
ここまでは決して難しくないので、できていることを前提にしたい。
そのうえで、10の釣れる要素のうち、わずか1割の技術が釣果を分けることがある。
それが、定点小づきと、根周りの釣り方だ。
定点小づきとは餌木タコで多用される言葉なのだが、要はテンヤの位置を変えずに小づくこと。
テンヤを引きずらぬよう船の動きに合わせて手釣り糸を出しつつ、モニョモニョとテンションを変える程度に小さく小づく(誘う)方法で、小さなタコを拾えるか否かの分かれ道になることがある。
定点小づきの際は、必ず一定の間隔でテンヤを浮かせて、下ろし直して場所を変える。
そうしないと延々と糸を出してオマツリを招くか、糸が出きってしまう。
根周りでは、いかにテンヤを根掛かりさせないかがカギだ。
テンヤを立て、上からのタナ取りよろしく慎重に下げていき、カシン、と金属的な感触を得たらその周辺で根掛からぬよう、慎重に上下動させて誘う。
根掛かり上等とテンヤをベタッと着けても釣れるが、これは消耗戦を招くので釣り師としていただけない。
釣れる要素その③精神力
また、残り1割の「精神力」においても、根掛かりでテンヤを失うことはマイナスに作用する。
武士は食わねど高楊枝ではないが、根掛かりでテンヤを失うことなく、少なくてもちゃんと本命を得ることこそ、マダコ釣りの矜持と心得たい。
ちなみに、周りが釣れると焦りが生じ、小づきが早く、荒くなることが編集部で行った過去の実験で明らかになっている。
小づきのペースが乱れたテンヤをマダコが避けるか否かは甚だ疑問ではあるが、焦れば焦るほどマダコが乗らないのもまた、事実である。
【餌木タコ】根掛かりを回避して快適に釣る
数十年ぶりの当たり年となった昨年の東京湾奥のマダコ。
そんなに釣れるのならやってみようかと初めてタコ釣りにチャレンジする人も多く、一気にタコ人口が増加。
それとともに餌木タコOKとする船宿が増えたことは歓迎すべきことだった。
この流れを今シーズンも期待したいところだが、昨年が平成3年に次ぐ大規模な卓越年級群だったとすれば、今年は昨年のような大釣りは期待できないかもしれない。
ただ、平成4年がそうだったように、前年ほどではなかったにしろ大当たりの翌年もまずまずの釣れ具合になることは多いから、全くダメということはないだろう。
東京湾の餌木タコ人気はまだまだ拡大しそう。
出典:
守りの小づきで根掛かり回避
昨年のブームを受けて餌木タコ専門船が増えたり、テンヤと同船する場合でも釣り座に関係なく餌木タコを楽しめる船が増えたのはうれしいところだが、初めて釣行する船宿では念のため餌木タコOKかどうかの確認を取っておきたい。
東京湾の餌木タコタックルは、やはり根掛かりを前提に考えていく必要がある。
竿は専用竿に代表されるように穂先は柔軟ながらも胴~元部にしっかり張りのあるものがいい。
初期は小ダコが主体ながら時に2kgクラスも乗ってくるし、根掛かりしたときに強度のない竿では破損の恐れがある。
リールは巻き上げ力があり、なるべくドラグ力の高いタイプのほうが根掛かりしたときにも外しやすい。
道糸はPE3~4号と太めで、8~10号前後の先糸を1~1.5mほど結んでおくといい。
仕掛けは専用品などスナップサルカンを連結してオモリのすぐ上に餌木を出す。
根掛かり対策でオモリの上を捨て糸式にする人もいる。
餌木は、本誌ではなるべく根掛かりを回避するために1本をすすめている。
昨年はなくすことを前提に安価な餌木を大量購入する流れもあったが、海底環境を考えるとあまり
褒められたものではない。
それよりも、なるべく餌木を失わないような釣りを心がけたい。
例えばポイントによってはキャストしない、ガリガリッと引っ掛かりそうな気配があったらすぐに底から餌木を離すなど守りの釣りをしていくと、根掛かりによる餌木のロストを減らすことができる。
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隔週刊つり情報(2020年6月1日号)※無断複製・転載禁止