9月1日、外房太東~大原の一部でヒラメ釣りが解禁、きたる10月には外房エリアが全面解禁となる。
目下は太東沖の水深40~50m前後を狙い、1kg前後を中心に2~3kg級交じりで、好日にはトップ5枚前後。
10月は釣り場も拡大し、好釣果が期待できそうだ。
9月中旬に取材した外房大原港・第一松栄丸のヒラメ乗合は、10名の釣り客が集まり、太東沖の45mダチを狙った。
ベテラン勢が次つぎと1kg前後のヒラメを上げる中、アタリがこないビギナーが仲乗りの大久保燿さんのアドバイスで1kg級のヒラメを釣り上げることができた。
このようにヒラメ釣りでは周りが釣れていて自分だけが釣れないときでも、経験豊富な船長や仲乗りさんにアドバイスしてもらうと打開できたりするものだ。
ちなみに大久保燿さんのお父さんと松井一也船長は同級生。
それで息子の燿さんも子供のころから同船に乗り、ヒラメ釣りも10年以上の経験がある。
現在は大学へ通いながら、土日祝や夏休みなどの長期休暇になると第一松栄丸の仲乗りとして活躍、船長からの信頼も厚い。
今回は大久保さんにヒラメ釣りの基本から、自分だけが釣れないときの対処法を教えてもらった。
手持ちで楽しめるライトゲームロッド。リールはドラグ調整を忘れずに
竿は海底の変化やイワシが暴れる様が分かりやすい、感度に優れた軽量なヒラメ専用竿やライトゲームロッドが使いやすい。
大久保さんのおすすめは、ウネリなどをかわしやすい全長2.2~2.4m前後でオモリ80号対応のライトゲームロッド。
リールは小型両軸もしくは超小型電動。
ドラグは片手で強く引っ張ったときに滑り出すくらいを目安に調整する。
道糸は根掛かりやオマツリなどのトラブルに対応できるPE2~3号。
大原沖のヒラメ釣りはこれからトップシーズンを迎える
出典:
第一松栄丸の仲乗り・大久保燿さん。愛用のタックルは全長2.25mの7:3調子ライトゲームロッドにPE2号を巻いた小型電動リールの組み合わせ
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ライトゲームロッドに超小型電動なら軽量なので片手でも楽に操作できる
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「ヒラメが掛かり道糸が船体に擦れるようなときは道糸が細いと高切れが心配ですが、PE2号であればそれらに耐えられる強度があります」
そう語る大久保さんの仕掛けは下図のとおりで、ハリス6号80cm。
捨て糸は4号でハリスの長さの半分が目安だが、潮が濁っているときはヒラメがエサを見つけやすくするため20cmまで短くする。
「道糸には8号のリーダーを1.5m結んでいます。結びコブが大きいとライトゲームロッドの小口径ガイドを通らないこともあるので、摩擦系のFGノットで直結。また、リーダーと親子サルカンの間に幹糸8号を30cm結んでいますが、これはオマツリしたときにカットして素早く解くためのものです」
ヒラメ釣りの親バリは角セイゴ、丸セイゴ、チヌ、イセアマなど様ざまがあるが、大久保さんはフトコロが広くて掛かりやすいイセアマ12号を愛用。
孫バリは掛かりやすさからトリプルがおすすめとのこと。
ちなみに第一松栄丸の船宿仕掛けも孫バリはトリプル8号だが、大久保さんは、「孫バリはイワシを弱らせないよう小さいサイズ(10号)を使っています。ハリの大きさでエサの持ちが変わってきますので、イワシが弱りやすいときはワンサイズ小さくしてみてください」とアドバイスしてくれた。
オモリは、第一松栄丸では80号を基準に潮が速いときなどは100号を使う。
大久保さんのヒラメ仕掛け
ハリス
根ズレに強いフロロカーボン6号。ハリス6号だと幹糸8号、捨て糸4号が一般的
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船宿仕掛け
船宿仕掛けはハリス6号85cm、親バリ角セイゴ18号、孫バリトリプル8号
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親バリ
イセアマバリは太軸で強く、ハリ先は鋭くやや内向きで外れにくい
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孫バリ
フトコロが広いラウンドタイプ。サクサスフックで刺さりは抜群
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オモリ
第一松栄丸ではオモリ80号標準、100号を使うとは船長から指示がある
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イワシのウロコが剥がれないように素早くエサを付ける
ハリの刺し方は親バリは口掛けと鼻掛け、孫バリは背掛けと腹掛けなどがあるが、大久保さんは親バリを口掛け、孫バリは背掛けをすすめている。
「孫バリを腹掛けにすると親孫間のハリスのたわみがイワシの下側になり、根ズレすることもあるので背掛けのほうがイワシが弱りにくい」という。
付け方は水の中で目を隠すように優しくつかみ、親バリを上アゴ先端中央の硬い所に刺す。
孫バリは背ビレの後方へ浅めに掛ける。
大切なのは孫バリのハリ先が上を向くように付けることで、こうするとハリ掛かりがよくなるそうだ。
「なるべく弱らせないように素早く付けるのがコツですが、こればかりは数をこなして慣れていきましょう。イワシのウロコが剥がれないように付けられればアタリが出る確率が上がります」
エサ付け
(上)エサ付けは親バリを口掛け、孫バリを背掛けにする(下)水の中でエサ付けするとウロコが剥がれにくい
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基本はしっかり底を把握して底上1mをキープ
釣り方の基本について聞くと、「底を切ってアタリを待ちます。捨て糸やハリスの長さによっても変わってきますが、基本はオモリを底から1m上げます。潮が濁っているときは50cmでいいでしょう」。
タナ取りは、仕掛けが着底したら糸フケを取り、竿先を海面に向けたままオモリが底をトントンとたたくのを確認。
そこから竿先を水平に持ち上げれば1m上にオモリがくる。
道糸のマーカーを目安に1m巻いてもOKだ。
アタリがきても即合わせしてはダメ。
オモリを底から離して食い込むまで待ち、強く引き込んだところで竿を立てて合わせる。
「最初にヒラメがイワシをくわえたときに竿先がモタッと押さえ込まれるような変化が分かります。この変化を感じたらゆっくり聞き上げて、重みが増したら、乗せるように大きく竿を立てて合わせます。逆に竿を下げてオモリを底に着けると、仕掛けがたるんでバラしたり、底を引きずっているのをアタリと勘違いして引き込みを待つうちに根掛かりしてしまうのでおすすめしません」。
ヒラメが掛かったら竿の弾力とリールのドラグで引きをいなしながらポンピングせずに一定の速度で巻き上げる。
アタリがきたらゆっくり聞き上げる
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着底時も竿先を曲げた状態を保つ
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取り込みは竿立ててヒラメを浮かせてタモへ誘導する
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大久保さんのヒラメ釣りイメージ
試してみよう!自分だけ釣れないときの三つの対処法
ヒラメ釣りでアタリがないときは、次のような対策をするといいそうだ。
①手持ちで釣る
アタリがないとあきらめて置き竿にしていないだろうか?
置き竿でも釣れなくはないが、手持ちで釣るほうが底の起伏やイワシが暴れているなど様ざまな情報が伝わりやすく、アタリも察知しやすい。
とにかく手持ちで釣りを続けよう。
②まめに底ダチを取り直す
オモリが底を引きずっていないだろうか?
海底はカケ上がりなど起伏があるのでまめに底ダチを取り直す。
正確なタナをキープするには一定のペースでオモリを底に着けてタナを取り直す必要があるが、着底時もオモリの負荷で竿先が曲がった状態を保つのがコツ。
オモリを底に着けたとき竿先が真っすぐになると、仕掛けがたるみアタリが伝わらない。
③仕掛けを入れ直す
船長から「上げて」と言われるまで仕掛けを入れっぱなしにしていないだろうか?
ヒラメ釣りでは投入や仕掛けを入れ直した直後にアタることが多い。
上から落ちてくるエサとオモリがアピールになると考えられ、仕掛けを入れっぱなしの人の隣で、仕掛けを入れ直した人にアタリがくるのだ。
投入から10分たってもアタリがなければ仕掛けを回収、エサを確認して入れ直す。
電動リールであればイワシを弱らせないように中速で巻き上げること。
仕掛けが見えたらイワシの泳ぎをチェック、弱っていても泳いでいれば使い続けてOKだ。
エサが死んでいたり、噛み跡が付いていたらもちろんのこと、イワシが泳がなくなっていたら交換する。
投入時と回収時にエサの泳ぎを確認する
出典:
大久保さんの対処法はどれも基本と呼べるものばかり。
とはいえ自分だけ釣れないと焦ってばかりで頭が真っ白になってしまうもの。
そんなときこの三つの対処法を確認して、釣果アップを目指してほしい。
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隔週刊つり情報(2021年10月15日号)※無断複製・転載禁止