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【小さな秋の遊び方⑤】イイダコ~テンヤの基本&大西了路のスッテ釣法~

隔週刊つり情報編集部

テンヤであれスッテ仕掛けであれ、釣る相手はイイダコ。

まずは、この釣りに欠かせない基本を覚えておこう。

【はじめに】イイダコを釣るための6つの基本(青山船長のレクチャーより)

釣行の写真

餌木タコが面白いと感じた人なら、イイダコ釣りはさらに面白いと感じるかも

①基本は底ベタ、小づき必須

オモリがトントンと動く程度に小づく。

なぜかといえば、イイダコが乗ってきたとき、小づかずにいると気づかないから。
 
ちなみに、イイダコはテンヤやスッテがエサでも敵でもないと気づくと、パッと離れて無関心になる。

②15~20秒間隔で空合わせ

微妙な乗りに気づかなくても、ここで重さを感じて乗っていた、ということがある。

というか、最初はこれで乗ることが多い。
 
同時に、空合わせで跳ね上げたテンヤが、再び海底に落ちてくると、テンヤを見切って無関心になっていたイイダコが反射的に乗ることがある。

③小づきの目安と乗り

竿先が小さく動く程度に小づく。

乗り(アタリ)は竿先が引っ張られる感じで、大げさに言えば動かなくなる。
 
これは竿先が軟らかいほどよく分かり、イイダコ竿が最も分かりやすい。

④即合わせではなく、合わせる前の止めが重要、やはりタコ釣りなのだ

小づいていて「乗った」と思って合わせるときも「空合わせ」のときも、必ず底に置いて2~3秒止める。

これはテンヤもスッテも同様。
 
合わせる前の「止め」は、活性が高いときほど短く(1~2秒)、活性が低いときほど長く(3~10秒)なる。

イイダコの活性の見極めは、上がってきたイイダコが足を広げていたら活性高し。

だらんとしていたら活性低し。

⑤合わせはしっかり、大きく

竿をしっかりと大きく合わせることでイイダコをテンヤからずり下ろし、カンナに掛ける。

早く、強くではなく、一定の速度で大きく合わせる。

テンヤの写真

テンヤでもスッテでも、イイダコはカンナを避けて乗ってくる。だから、大きく合わせてずり落とすようにして掛ける

⑥おかしいと思ったら海面まで巻く

底ベタで小づいて、空合わせを入れていても乗らないときは仕掛けを海面まで巻き上げて確認。

小さなイイダコが乗っていたり、ゴミが付いていたりする。

実はイイダコをよく釣る人ほど、仕掛けをよく海面まで巻き上げている。

船長の写真

青山隆雄船長のレクチャーはテンヤ、スッテともに分かりやすい。経験者でも聞いておくべし

テンヤの写真

船ではダミーラッキョウを付けてくれたり、裏技を教えてくれたりもする

【STEP UP!名手はこうやって釣っている】大西了路さんのスッテ釣法

毎年欠かさずイイダコ釣りへ出船している浦安・吉野屋にはイイダコ釣りの名手がいる。

中でも「テンヤの後藤さん」と「スッテの大西さん」は突出した存在だ。
 
現在、湾奥のイイダコ釣りはスッテ仕掛けを使う人が多い。

そのスッテ仕掛けを大西さんはどう使い、うまく釣っているのか?

Profile

大西了路(おおにしりょうじ)

バス釣り、フライを愛好していた20年ほど前、父に誘われ浦安・吉野屋のシロギス船に乗り、常連さんとの腕の差に愕然としたのをきっかけに沖釣りにのめり込む。

シロギス、メバル、イイダコ、カワハギ、ハゼ、マルイカなどに傾倒。

研究しまくり、好きが高じてオリジナルロッド製作・修理・チューンナップなどを手がける大西釣具工房(090・5405・1850)を本職に。

中通しのスッテ仕掛けを愛用する理由は「引き抵抗」が少ないから

たとえば、同じ6号のスッテ仕掛け(中通し)とテンヤを使い比べると、スッと竿を持ち上げる際の引き抵抗が中通しのほうが小さく感じる。
 
これはナツメオモリとスッテが一直線になるためと推測できるが、大西さんはこの「引き抵抗の軽さ」を重要視している。
 
そこそこのサイズがしっかり乗れば、イイダコ釣りは簡単。

しかし、小さなイイダコや、活性が低い場合は、乗ったかどうか、分からなくなる。
 
そのとき、仕掛けの抵抗が少なければ少ないほど、乗り=つまり重量変化が大きく伝わってくる。
 
実際に2本竿で同じ重さの中通しのスッテ仕掛けとテンヤを比べてみると、わずかながらスッテのほうが抵抗を軽く感じる。

この差が、大西さんにとって大きいそうだ。
 
ちなみに、遊動する機能については「ほとんど気休め程度」とのこと。

誘いは定点で3cmまでの聞き上げ。エッセンスは「ゼロテンション?」

両手に竿を持ち、交互に小さく、ていねいに竿先をジワッと曲げて、スッと下ろす。
 
大西さんの誘いは、小づき、というより、小さな聞き上げ。

その幅は、「底からオモリが1~3cm上に動く程度」。

つまりオモリを底からほんのわずか離して、下ろす。
 
下ろしたスッテ仕掛けは海底に置く。

道糸は張らずたるまず、もしくは、ややたるむぐらい。
 
イメージとしては、ゼロテンションからの聞き上げ。

そして時折跳ね上げるようにして仕掛けの位置を変える。
 
このとき、手に伝わってくる重量変化も重要ながら、穂先の曲がり具合で「オモリが底に着いている」「オモリが底から離れた」「イイダコが乗っているか」を判断する。

竿はパワフルテトラ。2本竿にする最大の理由は?

こうなると当然、穂先の繊細さが釣りの生命線。

そんな大西さんが愛用する竿は「パワフルテトラ」。
 
超繊細な極細穂先と、合わせがしっかりと効く硬い穂持~元を持つ竿で、驚くほど安い奇跡の名竿。

同じスペックの竿(名前はイイダコ竿)は吉野屋の受付でも販売されている。

残っていたら買い、である。
 
さて、大西さんは2本竿で釣るのだが、その理由は「比較するため」。
 
釣り始めは基本としている7cmのウキスッテ・赤白のシングルカンナとダブルカンナを左右で使い分ける。
 
カンナが違うと海中での姿勢も異なり、シングルはやや尻上がり、ダブルはほぼ水平に寝る。

取材時の釣り始めはシングルばかりに乗った。
 
そのほか、スッテの色、サイズ、場合によってはオモリ号数など、左右で異なる仕様にして随時比較することで状況に合わせていく。

竿の写真

穂先だけが敏感に動く竿が理想

スッテの写真

大西さんのスッテケース。左右の竿で違う仕様のスッテを試していく

オモリの写真

ナツメオモリは6号、8号がメイン。潮が緩いときには5号を使うことも

大西了路さんのイイダコ仕掛け

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竿先と道糸の角度は90度またはそれより曲げ込んで使う

前記のとおり、大西さんはオモリを底からわずかに持ち上げてイイダコの乗りを確かめていく。

このとき、竿先と道糸の角度を90度か、それよりも狭く、つまり曲げた状態に構えると、わずかな変化が見やすいという。
 
これが竿と道糸の角度が広がると、オモリが底に着いたか、離れたかが分かりにくく、イイダコの乗りも判別できない。
 
これはイイダコが釣れない人に多く見られる落とし穴で、くせになっていたりする。

ぜひ、チェックしてほしい。

竿の写真

①聞き上げていないときはゼロテンション。道糸と竿の角度は90度か、さらに鋭角に②オモリを持ち上げ始めの状態③オモリをぶら下げた「フルテンション」の状態。②から③になった瞬間の重さ、動きを覚えおく

大西さんの誘い方

スッテが自分に向かってくる方向に投げて、引きずらないようにする

ここからはさらにマニアックな話。

大西さんは常に仕掛けを10mほど(またはそれ以上)キャストして、手前に探ってくる。
 
このとき、投げる方向の目安にしているのが、自分に仕掛けが寄ってくる方向。

つまり、船が流れて行く方向だ。
 
手前に仕掛けが寄ってくるようにすると、スッテを引きずることがないため、ゴミなどを拾わず、感触がクリア。

加えて新しい場所へ、最初に仕掛けを入れることができる。
 
ただし、仕掛けが寄ってくる状態で聞き上げ、空合わせをしていくと、道糸はどんどんたるむ。
 
ここで活躍するのが親指ワンクリックで道糸を巻くことができるダイワの「スマック」。

すでにカタログ落ちしているが、大西さんは中古などを探して愛用している。
 
もちろん仕掛けが手前に寄ってきたら回収して打ち直す。

大西さんは仕掛け回収&再投入の回数が非常に多い。

やはり、釣る人は入れ替えの回数が多いのである。

釣行の写真

状況によっては道糸が払い出すことになり、スッテを引きずってゴミが掛かりやすくなる。そんなときは船下を中心に頻繁に入れ直して、スッテを引きずらないようにする

【イイダコ実釣REPORT・東京湾奥浦安出船】やっぱり迷ったら船長に聞きお客さんを見ることが大切

9月13日(月)、ホームの浦安・吉野屋さんからイイダコ釣りに参戦!!
 
前週の出船初日には60杯を釣ることができ、前日には70杯超えの釣果も出て期待が高まります。

そんな状況もあってか、平日にもかかわらず20人のお客さんが集まり、ゆったりと釣りができるようにと2隻に分けて出船となりました。

中盤は乗り渋り

始めに向かったのは前日よかったポイント。

潮は若干流れていますが、水色を見ると茶色っぽく濁っています。

この釣りでは澄み潮がよいとされているので少し心配。

とはいえさっそく小型のイイダコくんをゲットできて、船中でも中~小型がポツリポツリと上がり始めます。
 
私はスッテ仕掛けをメインに使用していますが、オーソドックスなナツメオモリを用いた中通しと、ナス型オモリを用いたダウンショット仕掛けを状況により使い分けていて、前回釣行では明らかに中通し仕掛けに分がありました。
 
これはシルエットが関係するものと思われ、中~小型が多い状況ではスリムなシルエットの中通し仕掛けが向いていそう。

そんなわけで、この日も中通し仕掛けをチョイス。
 
イイダコの釣り方で意識することはオモリを持ち上げる聞き幅。

これはとにかく小さくが基本で、具体的には3cmまで。

この幅の中でイイダコの乗りを見つけていきます。
 
当日も1~3cmの聞き上げで追加。

が、どうにもインターバルが開きすぎるうえ、潮色も濁りが強くなり乗りもどんどん遠くなっていきます。
 
昼前に18杯になりましたが、そこからは全く乗りがなく13時半過ぎまで2杯を追加したのみ・・・これはイカン。

釣行の写真

南袖~木更津の水深3~7mほどが釣り場

釣れている人の共通点は?

こんなときは気分転換とヒントを得るため、釣りを中断して船長に聞き取り調査です。

すると「昨日は表面だけだった濁りが底まで届いてしまっている」とのこと。
 
また、こんな状況でも間が空きつつも釣っている人はいるので攻略の糸口があるはず、と船内を偵察。
 
なるほど~! 

釣っている人の仕掛けの操作に、ひとつの共通点を発見。

それは、聞き上げを縦方向=持ち上げ方向にするのか?横方向=引きずる方向にするのか?ということ。
 
最後の15分は引きずる方向、つまり横ズラシの検証タイム。

するとこれが正解だったようで、ポンポンポンと5杯を追加!!
 
あれだけなかった乗りが、こんなに出るとは。

パターンとしての活用が可能な重要な気付きとなり、釣果以上の喜びで納竿できました。

やっぱり、イイダコは楽しい~!!
 
浦安吉野屋さん、青山船長、同船した皆様、ありがとうございました!!

釣り人の写真

中盤は乗り渋り。その中でも釣れている人の誘いを参考にして、答えが出ました

縦の聞き上げ=持ち上げて下ろす

釣り方の図

基本としている誘い定点で誘い、空合わせで場所を変える

横方向に引きずるいわゆる小さな小づき

釣り方の図

濁り潮で乗りが渋かった当日効果的だった誘い

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