東京湾のショウサイフグが夏のトップシーズンを迎えている。
中でも一際高釣果をたたき出しているのが三浦半島鴨居大室港の一郎丸。
中型主体に連日トップ60~70尾を釣り早揚がりすることも珍しくない。
相手はフグだけにテクニックにより釣果に差は出てしまうが、平均20尾前後は釣れており、今ならフグ釣りビギナーでも十分楽しめるはず。
とはいえこの好況がいつまで続くかは未知数なので、数釣りを楽しみたいなら早めに釣行しよう。
![釣行の写真]()
▲初心者でもチャンスあり
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イサキと並び梅雨時の味覚が楽しみなのは東京湾のショウサイフグ。
今期は各船宿好調のなかトップ60尾、70尾とひと際派手な釣果をたたき出しているのが三浦半島鴨居大室港の一郎丸だ。
秋のヨリフグでもないのにこの釣果とはいかに?とさっそく取材へ赴いた。
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▲チラシ仕掛けで釣る人が多かった
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知っ得!釣れたらすぐにクーラーへ
これからの時期、鮮度を保つために釣ったフグはすぐに海水氷のクーラーに入れること。
バケツに放置したままだと鮮度落ちして身に濁りが入ったりするからだ。
「できれば血抜きもするとベストですよ」と田中さん。
血抜きはほかの魚と同様エラをハサミでチョンと切るだけだが、「これだけアタリが多いと血抜きの時間はなかなか取ってられないですね(笑)」も正直なところ。
いずれにせよ海水氷クーラーにだけは絶対に入れるようにしたい。
Tackle Guide
湾フグ仕掛けでは上部に食わせバリを付ける方もいる。
その是非について船長は「付けるか付けないかで言ったら付けたほうがいいかも。
このハリに食うこともけっこうありますから」との見解。
ただオマツリ時などのデメリットもあるから、「こちらも好みと自己判断で」ということだ。
ハイペースで釣れ続く
釣れ過ぎくらいに釣れているとあって、平日にもかかわらず満船。
「乗船人数よりも断ったお客さんのほうが多いかも」と苦笑する大船長の見送りを受け、青木淳船長の操船で出船した。
20分ほど走って釣り場へ到着。
ポイントが狭いのか慎重に反応を探し、そして細かく船位置を変えてから釣り開始の合図が出る。
フグは朝からバリバリ。
慣れた方は小さなアタリを確実に取って次つぎに掛けていく。
フグビギナーと思しき方もペースこそ落ちるものの、空合わせを交えながら順調な滑り出しだ。
なかでもハイペースなのが偶然乗り合わせたがまかつテスターの田中さん。
フグは初めてというお二人を連れての釣行で、レクチャーしながらもそれこそワンショットワンキル。
さすがお見事!といった具合に掛けていく。
「今日はアタリが多いですよ。フォール中でもけっこうアタってきますから。でもフォール中はカットウバリがエサよりも上にあるから合わせてもなかなか掛かりません。なのでそのまま底に連れていって着底後のアタリで掛けます」と解説してくれながら、竿先が震えるような微細なアタリにしっかりと合わせを入れ、「ここに掛かるときは合わせのタイミングがバッチリな証拠」と口周りに掛けたフグをぶら下げてニコパチで写真に収まってくれた。
周りでもアタリは頻繁なようであちこちで竿が曲がる。
お仲間同士で仲よく同時キャッチなんてシーンも連発した。
仕掛けはもちろん皆さんカットウ1本の湾フグ仕様だが、エサバリ部分はチラシだったりテンヤバリだけだったり。
「エサをアピールしたいようなときにはエサバリ1本にエビを1匹掛けにし、今日みたいにアタリが活発なときにはチラシバリにします」と田中さん。
チラシ仕掛けはハリが小さいので口に入り、カツンとフグが歯でかむハッキリしたアタリが出やすいからとのこと。
ただしチラシバリに掛かることもあって、その場合はやや手返しが落ちるし、オマツリ時にも複雑になりやすいなどのデメリットもある。
まあこの辺りは好みでの選択となりそうだ。
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▲食わせバリにも食ってくる
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釣れ過ぎて早揚がり
フグのサイズは開始直後こそ22~23cmの中型が多かったものの徐々に30cm級の良型も交じるようになり、30cmを超える大型もかなり見受けられるようになってきた。
順調すぎるほど順調に釣れ続いていたが、9時を過ぎてややアタリが遠のく。
といっても普段のフグ釣りからすれば上々のアタリ具合で、船中どこかで竿が曲がっているといった状態なのだが。
「こうなってくると誘いが重要ですね。着底直後が最大のチャンスなのでここでしっかりアタリを見極めますが、アタリがなければ誘いを入れます」と田中さん。
海底のエサをチョンと跳ね上げるイメージで軽く竿をあおる。
空合わせを兼ねた誘いだが、大きく強くならないようにするのが肝のようだ。
そして誘い効果かすぐに竿先にツンと小さなアタリが出て合わせも決まる。
ここまでアタリの間が空くことはあるようだが、ほぼ空振りなしで釣り続けているのはさすがとしか言いようがない。
9時半にこの日初めてのポイント移動。
といっても船の位置をずらす程度の小移動で、再開後はまたアタリが復活した。
フグは群れで回遊しているのだろうが、魚影は相当濃いようだ。
この後1時間ほどは好調に釣れ続いたが、その後は徐々に渋くなっていった。
下げ潮も速くなり、左舷は船下に仕掛けを抱え込むような形になって余計にアタリが取りづらそう。
田中さんはオモリを15号と重くして対応していくが、明らかにアタリの数は減った。
またエサバリとカットウバリの位置関係も微妙にずれているのだろう、掛け損ないや掛けバラシも多い様子。
一方の右舷はアタリの数は減ったものの、払い出す潮となってアタリに対しては高確率で掛けられているようだ。
朝イチに比べれば食いは落ちてきたとはいえまだまだ釣れ続いてはいたが「さばくのに時間がかかるので早揚がりします」と、この日は11時半で沖揚がりとなる。
竿頭は右舷ミヨシの石井さんで55尾、田中さんは次頭で46尾だった。
スソの方は8尾だったようだが、20尾前後の方が多く、お土産には十分過ぎるほどだった。
フグは帰港後に船宿でさばいてもらえるが、これが本当にキレイに処理される。
内臓や皮はもちろん、ヒレや腹膜までていねいに処理され、家では何もせずそのまま調理に使えるほど。
竿頭の石井さんも「処理がキレイなのでここに通うようになりました」と言うように、私もここまでキレイに処理されるのは見たことがない。
ちなみにサバフグはドクサバフグの混入が懸念されるため処理はしてもらえない。
まあこれだけショウサイフグが釣れればサバフグを持ち帰ろうとする人もいないだろうが……。
今期絶好調の湾フグ。
「先読みは難しいけど、この調子ならしばらく楽しめそう」と船長。
この時期ならではの味覚を楽しめるのは例年なら7月中~下旬ごろまでというのでお早めに。
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▲ダブルヒットもたびたび
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▲食味を堪能するならお早めに
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船宿INFORMATION
三浦半島鴨居大室港
一郎丸
046・841・9236
▼備考=予約乗合、7時15分出船。
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隔週刊つり情報(2024年8月1号)※無断複製・転載禁止