いよいよ3月。
関東、東海、日本海などでコマセダイを楽しむマダイフリークの皆さんも、そわそわし始めるころだ。
とりわけ異常な豪雪が続いた日本海側は雪どけが待ち遠しく、お腹を空かせて待っているだろう「プレ乗っ込み」のマダイへ行きたい方も多いだろう。
一気に花咲く時がくる !?
異常といえば1月中旬~2月初頭、三浦半島久里浜沖の水深70~90m付近で凄まじいマダイラッシュがあった。
「真冬なのに、秋ダイの最高ランクの食いって感じ。小~中サイズを一日で15~20枚釣りました」
そう語るのは2月の半ばに三浦半島剣崎松輪・大松丸の取材でお会いした、左舷トモの伊豆さん。
しょっちゅう大松丸へ遊びに来ている伊豆さんはマダイ五目乗合を担当する鈴木大輝船長の学友だったらしく「あんな真冬の大釣りは初めての経験」と目を丸くしていた。
右舷トモの木村さんも季節外れの入れ食いを体験した一人で、「あれも温暖化の影響なのかな。でも、数日前から魚探に反応は出ても食わない状況なんですよ。まぁ釣れても釣れなくても私は通ってるんだけど」と苦笑い。
船長に海況を聞いてみても、水温が15度台から14度台に下がってマダイが口を使ってくれないようだ。
結論から言ってしまえば、同じく久里浜沖へ走った取材日も食いは激渋。
8名で0.5~1.5kgを計4枚に終わった。
そのうち3枚の釣果は木村さん(2枚)と伊豆さん(1枚)がキャッチ、つまり大ドモが占めている。
お二人とも「置き竿にしてよそ見しているときに食った」と頭をかいたものの、5分間隔の手返しをきっちり繰り返した賜物だろう。
ガン玉6Bの落とし込みで当日最大をキャッチ。といっても1.5kgですが。
出典:
ほか、右舷ミヨシの前田さんが掛けた6kgオーバーのブリ(と言わせて)、ザクザク釣れた25~30cmのアジや40cm前後のマサバ、さらにタチウオ、イシモチ、小型のムツ・・・と五目で楽しめたことが救い。
こうしたお土産がコマセダイの保険でもある。
「探見丸を見ていた人はお分かりでしょうがマダイの反応はあるんです。それがいつ食い出すかが楽しみなところ。3月は久里浜沖に加えて剣崎沖の乗っ込み場もリサーチしていきますから、期待したいですね」
船長のこの言葉を後押しするのが、旧友でもある伊豆さんの経験則だ。
「秋、冬、春とダラダラ釣れ続くシーズンは、乗っ込みが今ひとつ盛り上がらないこともあるんです。でもこうしてガクンと食い渋る時期を挟むと、その直後に大ダイが爆釣するパターンが多い。私の予想としては3月中旬あたりから怪しい雰囲気になるとにらんでます」
ガン玉を使った落とし込み
予想が当たることを祈るばかりだが、今回のように激渋のマダイを食わせるための一手として読者の皆さんに「試釣」をお願いしたいことがある。
それは昨年12月から個人的に試している「6Bサイズのガン玉を使用する落とし込み釣法」だ。
実は今回上がった1.5kgのマダイは、左舷ミヨシで竿を出した私がこの手法で食わせた1枚。
付記すれば12月に江ノ島沖で2.7kg、1月に葉山沖で0.7kgを釣り上げているのだが、まだまだ確信を持てるには至っていない。
そこで皆さんと一緒に効果の有無を検証したいのである。
6Bサイズは重量にすると約2.2g、号数換算で約0.6号に相当し、ガン玉としてはかなり重い。
これをハリから30cm離した位置に打てば準備完了、とても単純だ。
(左)ハリスを傷めにくいゴム張りのガン玉を使用。再利用もできて経済的。(右)30~50cmずつ道糸を引き出して落とし込む。
出典:
メリットは二つ。
ガン玉でハリスが立つので、底潮の速さに左右されずに海中の付けエサをイメージどおりの位置にぶら下げることができる。
もう一つは付けエサをスピーディに降下させられることである。
後者は「付けエサを速く沈めるってこと?」と首をかしげる人もいるだろうが、そのとおり。
かくいう私もコマセダイ釣法は、付けエサをコマセと同じ速度でゆっくり自然に沈下させるのがベスト・・・と考えていたのだけれど、次の事例を思い起こして凝り固まった考え方をゼロに戻すことにした。
例えばオモリ4~8号のタイテンヤはもっと速く落ちているはずなのに、マダイは活発に食い付く。
陸っぱりに目を転じれば、ヘチ釣りのクロダイ(落とし込み)では、エサそのものの落下スピードより少し速めに落とし込んだほうがアタリが増える・・・という意見もある。
となれば付けエサの落下スピードは、魚の捕食行動を促すキーポイントの一つになるのでは?と考えてもよさそうだ。
当日のコマセダイ仕掛け
ぜひとも試釣報告を!
その手順を追ってみよう。
まずコマセを振ってタナ取りするまでは、上からでも下からでも今までどおりでOK。
そこから、
1.指示ダナの2~3m上まで巻き上げ、1分ほど待ってハリスを垂直に立たせる。
2.ドラグを緩めて、落とし込みを開始。
3.リール前方から30~50cmずつ道糸を引き出す。テンポは1秒間隔。けっこう速めだが、ここが肝要。
30~50cmずつ道糸を引き出して落とし込む。
出典:
4.約5m(タナ下2m)まで落とし込んだら、1の位置まで巻き上げて繰り返し。
5.4~5往復したら手返しする(これで約5分待ちの手返しと同等になるはず)。
サクサクと道糸を引き出す作業は忙しそうに思えるだろうが、実際にやってみると期待感が高まって意外に楽しい。
また、ナギならば置き竿のまま落とし込めばいいけれど、波のある日は手持ちでがんばったほうがいいだろう。
もちろん一休みしたいときはタナに合わせて待てばよく、マイペースで楽しめば十分だ。
もうお分かりだろうが、この釣り方で肝心なのはスッスッと、1秒間隔でスピーディに落とし込むところ。
重いガン玉に引かれるように付けエサも落ちて、マダイにアピールするのでは・・・と推察する。
宙層にマダイが浮いてくる乗っ込みシーズンはもっと高い位置から落とし込んでみるつもりだが、さて結果はどうなることやら。
とにもかくにも私一人だけでは検証不足、とてつもなく時間もかかってしまう。
興味を持っていただいたコマセダイファンの皆さん、ぜひとも試釣報告を編集部までお寄せのほどを。
当日上がった1kgのマダイと、6kg超えのブリ。次こそは大ダイを!
出典:
「GハードV2真鯛」は好感触
がまかつ史上最強のハリとうたわれるGハードシリーズに、2021年4月発売のマダイ専用「V2真鯛」が新たに加わった。
その試供品を今回の取材で使ってみたところ、素直にこりゃスゴいかも!と感じた。
サバやアジをジャンジャン釣ってもハリ先の鋭さはほとんど変わらず、マダイの口先にもサクッと掛かって無事ゲット。
値段はちょっと高めながら、このクオリティなら買う価値あり。
釣りキチの欲としては「これでカワハギ専用を出せば超話題作になる」と感じたのだが、がまかつさん、いかがでしょう?
ワンサイズ上のフトコロ強度を誇るというから、8~9号で大ダイとわたりあえる。(右)唇にサクッと貫通。ハリ先が甘くなっていたらバラしてたかも。
出典:
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隔週刊つり情報(2021年3月15日号)※無断複製・転載禁止】