［花板指南「細山和範の動画で見られる魚料理の真髄」（第6回）］タチウオのあぶり丼

秋が深まるにつれ脂が乗り、サイズアップするタチウオ。

まとまった数も期待できるので、料理の幅はぜひとも広げておきたいところ。

今回は脂たっぷりのタチウオをさっぱり味で楽しむ一品を紹介。

1957年生まれ。

釣り好きの父親（先代店主）に連れられ、5歳で大原沖にビシママダイデビュー。

以来、しごかれまくり、釣りまくりの週末を過ごす。

20年ほど前からは伊豆諸島に遠征することが多く、獲物が豊富なときはメニューも賑やかに。

モロコ（クエ）の43.5kgをはじめ大物記録も多数。

最近はテレビ出演の機会も多く、真面目な語り口調を知る人も多いが、素顔は陽気な釣りおやじ。

タチウオをさばく前に酢飯を用意。

炊いたご飯に合わせ酢（市販の寿司酢でもいい）を入れ、しゃもじで切るように混ぜ合わせた後、うちわなどであおいで冷ます。

味の深みと色どりを鮮やかにするため、刻んだカリカリ梅を用意。

こちらも色どりと香り付けの材料。

電子レンジで加熱（600Wで1分）し、パリパリにさせた大葉を手もみし、カリカリ梅とともに酢飯に混ぜる。

タチウオの歯に触れたくないので、最初に頭部を切り落とす。

包丁の刃を内臓の端に引っ掛け、抜くように刃を押すと内臓がきれいに取れる。

家庭用のまな板なら適度の長さにカットするとさばきやすい。

ここでは約20cmにそろえた。

背ビレとそこから伸びる骨を取り除くため、まずは背に包丁を浅く入れる。

尾側の背ビレを包丁の元で固定し、身を持ち上げると、背ビレと骨がつながったまま取れる。

ここから三枚おろし。

腹側から包丁を入れ、そのまま深く切り込んで血合骨を断ち、背側も一気に切り進める方法で身を取った。

背側から包丁を入れて身を取ってもいいが、その場合は包丁の刃が中骨の反対側に入らないように注意。

三枚におろした身を血合骨を境に縦に切り分け、さらに血合骨を取り除く。

ここではあぶった身を丼に乗せるため、皮目をきれいに見せたい。

そこで、皮目に飾り包丁を入れる。

あぶった身は崩れやすい。

そこで、先にひと口サイズに切り分ける。

切り分けたタチウオの身を瀬戸物の上に並べる。

金属類（バットなど）を使うとバーナーの火で熱せられ、火傷のもと。

バーナーで皮目を焼く。

少し縮み、薄く焼き色が着くと見栄えもいい。

器に酢飯を盛り、あぶったタチウオの身を盛る。

ここではミョウガ、セロリを刻んだもの、ガリ、ワサビも添えた。

しょう油を付けてめしあがれ。