【ヤリイカ&スルメイカ】イカ釣り11の基礎を徹底伝授!【前編】
これから春本番へ向けては沖のイカ釣りが最も盛り上がる時期。 イカ釣りにハマっている人はもちろん、初めてチャレンジする人も多いだろう。 そこで今回の巻頭特集では、初釣行でも困ら…
隔週刊つり情報編集部PR
ここ数年、色いろな魚種の最盛期や回遊時期が従来とは異なってきている。
スルメイカも同様で一体いつが最盛期なのか分からなくなってきている。
東京湾口から南房にかけては、本来ならば7月ごろからハイシーズンに入っていたが、ここ最近は夏場よりも2~3月の春期にまとまった数が釣れる傾向にある。
スルメイカの場合は度たびニュースで不漁が伝えられているが、漁獲量はここ10年で約5分の1まで落ち込んでいる。
スルメイカは一年中各地で産卵が行われているが、秋から冬にピークを迎えるといわれている。
日本海・能登半島周辺から東シナ海北部~中北部にかけてが主な産卵場所だが、これらのエリアの海水温の上昇により発生遅れが目立つようになり、初漁期の遅れとイカの小型化が顕著になったと報告されている。
沖釣りにおけるスルメイカもこれらの影響を少なからず受けており、ますます予測がしづらいターゲットになってきている。
でも、やっぱりスルメイカはギラギラの太陽の下、汗をかきながらの釣りがよく似合う。
なかなか始まらないとファンはヤキモキしていたが、7月中旬ごろからちゃんと群れがやってきた!
今回取材した内房勝山港の萬栄丸では、洲ノ崎沖でトップ50杯前後の釣果も記録されファンを喜ばせてくれた。
「春は200杯超えもあったけど、この夏の最高は50杯かな。でもこの時期にスルメをやりたいって言う人は多くて、20~30杯の釣果でも好きな人は十分楽しめてるよ」と常連の西原将人さん。
イカ船担当の岩崎一好船長も、「潮が速く難しい日は多いけど反応は上々」と言うように潮次第では十分期待できそう。
さらに朗報もある。
この周辺随一のスルメポイントである白浜沖でも群れが見られるようになり、今後一気に盛り上がる可能性も。
また、釣れるイカのサイズが大型化し釣り味もアップ。
「白浜沖は洲ノ崎沖ほど潮が速くないので釣りやすいです。この時期に直結に挑戦するのもおすすめですよ。今マスターしておけば春の爆乗りも楽しめます」とは仲乗りの谷口さん。
常時、乗船して様ざまなアドバイスをしてくれるので、分からないことがあったらなんでも聞いてみよう。
目次
竿は1.6m前後のスルメイカ専用竿のほか、ヤリイカ竿、中深海竿なども流用できる。
最近は電動でのシャクリ釣りよりも触りを見て掛けていく釣りが主流なので、先調子のヤリイカ竿を使用する人も多い。
電動リールはダイワなら300~500番、シマノなら1000~3000番でハイパワーのものを選ぶ。
道糸は300番や1000番ならPE3号、500番や3000番ならPE4号。
オモリは150号使用。
直結の場合は中オモリ20号程度にイカ用の小型ヨリ取りリングを使用する。
仕掛けはプラヅノ18cmの直結、またはブランコ。
直結の場合は10~12本ヅノ程度にする。
「底反応ならそんなにツノ数を増やす必要ないですよ。私の場合、12本ですが幹糸を1.8m取っているので、これで海底から20mはカバーできます。宙層で多く乗る場合は増やしてもいいけど、増やすとそれだけ落下も遅くなるからね」と常連の西原さん。
幹糸はこのツノ数ならば12号でよいという。
14号と比較するとやはり落下速度に大きな違いが出てくるそう。
底主体で乗る場合は、いかに速く着底させるかで釣果が大きく変わってくる。
これから直結を始めようという人なら扱いやすく手返しが楽な8本程度にしておくのがいいだろう。
プラヅノはブルー、ピンク系メインに、ピッカピカ針、MDスティックミラー、ミラクル針などを使用する。
スルメイカは目がよく、とくに夏場の澄んだ潮のときはツノを選ぶといわれるが、ツノの種類よりも新しくきれいな物を選ぶようにしよう。
傷が付いていたり、カンナがサビているツノは極端に乗りが悪くなるので注意が必要だ。
ブランコ仕掛けの場合は5~8本程度。
慣れない人は5本から始めよう。
ブランコ仕掛けは群れがそれほど多くなく単発で乗るようなときは有利。
拾い釣りの状況では1杯ずつ確実に乗せていくイメージだ。
このほか指ゴムを左右の人差し指にはめておくと仕掛けが滑らず確実安全に取り込みができるので、ぜひ使用したい。
プラヅノ 18cm 8本セット カーブを描いたボディ ダブルカンナ プラツノ イカヅノ イカツノ スッテ ヤリイカ イカ角
船長はソナーと魚探を駆使してイカの反応を探索する。
これぞ、という反応を見つけたときには船を旋回させて投入態勢に入る。
このときにオモリを持って投入できるように備えておく。
とくに潮が速い場合は投入が遅れると1回休みということもあるので、確実に投入できるようにしておく。
船長からは反応の出方によって、大きく分けて2パターンの指示が出る。
■底パターン
1つ目は「底から10mくらい」といった底からの指示。
この場合はとにかく素早く着底させること。
着底したら一気に糸フケを取る。
潮が速いときは糸フケを取ってオモリを必ず海底から浮かせる。
こうしないとたちまちオマツリしてしまうので注意が必要だ。
現在のスルメイカ釣りは直結、ブランコともイカの触りを取って合わせを入れて掛けていくというスタイルで、誘いなどの釣り方も同じでいい。
着乗りがなければ竿を大きく持ち上げて誘い上げ、次は頭上から竿を落とし込んで仕掛けを落下させて誘う。
アタリを感じたら必ず合わせを入れる。
これは大きくガツンと合わせるのではなく、竿を持ち上げるようにしてしっかりとカンナに掛けるイメージだ。
竿が下向き、もしくは水平の状態なら竿を持ち上げるだけでいいが、上向きのときは電動のスイッチを入れて巻き合わせるようにするといいだろう。
「直結の人は合わせは気をつけてね。激しい動きをするとイカがバレちゃうからね。竿を持ち上げて合わせたらそのまま電動のスイッチを入れてね」と、仲乗りの谷口さんから船上にアドバイスが飛ぶ。
最初の1杯を掛けたら、テンションを保った状態で10mほど低速で巻き上げ追い乗りを狙う。
その後、中速からやや速めのスピードで巻き上げを開始する。
乗らなかったら20~30m一気に巻き上げてもう一度落とす、いわゆる巻き落としを行う。
ブランコ仕掛け使用時に、落下中にサバが掛かったらロッドキーパーにかけて全速力で巻き上げる。
そのままにしていたりゆっくり巻き上げるとオマツリが頻発するので注意しよう。
■宙層パターン
船長から出る2つ目のパターンは、「水深180m、140mより下」などと、宙層から海底まで幅広く出る場合だ。
「広く反応がある場合は、上の層のほうがいいときもあるし、底のほうが乗るときもあります。どちらがいいかを見極めると数をのばせます」とは岩崎船長。
宙層に反応がある場合は、仕掛けがその層を通過するときに竿先と道糸を見ておく。
このときに、道糸がフワッと浮き上がるような動きを見せたらイカが抱きついた可能性が高い。
ここで、素早く親指でスプールを押さえてシャクリを入れてみる。
竿先に変化が出たらそのまま合わせを入れて巻き上げを開始する。
宙層で触りがない場合は海底まで仕掛けを落とす。
「宙層で触りを見つけて乗せたはいいけど1杯か2杯で、ほかの人は海底まで落として底で5杯とか乗せることが結構あリます。この判断が難しいんだけど、よほど宙層で乗りがいいとき以外は、基本は海底まで落とすかな」とは常連の西原さん。
この判断はなかなか難しいが、ここもまたスルメイカ釣りの楽しいところだ。
潮が速い場合は1流し1投ということが多いが、大流しになれば3回、4回と繰り返し投入して乗せられることも。
こうなると一気に数をのばすことができる。
「直結を始めようという人は、取り込みで仕掛けを下げないようして、まずは船内に全部仕掛けを入れることを心がけるといいですよ」とは仲乗りの谷口さん。
イカが乗っていないときの回収で取り込みの動作を覚えるのがおすすめ。
イカが上がってくると、なかなかスムーズにいかないこともあるが、繰り返し行うことで体に覚え込ませよう。
直結仕掛けの取り込みは最初の動作が重要だ。
中オモリが船ベリの中にあるとその後の取り込みがスムーズになる。
そこでおすすめしたいのが、竿の長さに合わせたリーダー(先糸)の装着で、毎回確実に中オモリが船ベリの中にくるようになる。
20号程度の太さの糸をスナップ付きサルカンで接続するだけでOK。
FGノットなどで直結する場合は、結びが竿先にきたらストップすればぴったりの位置になる。
【隔週刊つり情報(2022年9月1日号)※無断複製・転載禁止】
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