食べるのに最適な時期や収穫が最も多くなる時期を「旬」と称するが、魚種ごとにその時期は異なるという事実はあなたもご存知でしょう。
梅雨季に旬を向かえる魚の一種がイサキです。
釣り愛好家の間では「梅雨イサキ」と呼ばれており、その美味しさはもちろん、魚の引きも楽しむことができるため、非常に人気があります。
特に三浦半島の剣崎沖で釣れるイサキは、瀬に付く個体が多いため、東京湾の豊かな栄養を十分に身につけており、その美味しさからブランドとして評価されています。
その剣崎でイサキを釣るために、6月18日には三浦半島剣崎の松輪港にある棒面丸で釣りを楽しみました。
出だしは順調も
直近のイサキの模様はトップで50尾前後の日が多く、解禁直後には100尾超えという大釣りもあったので期待十分。
当日の乗船者13名を乗せて5時15分に港を離れる。
5時半になると沖で待機していた各船が一番いい場所を確保するためポイントに向かって一斉に走り出す。
ポイントの吉野瀬には10分ほどで到着し、潮回りをしたところで「水深は23m。タナは海面から10~20mです」と鈴木洋一船長から開始のアナウンス。
ちなみに剣崎沖で使われているイサキの仕掛けは、付けエサを使わないウイリーと、空バリにオキアミを付ける2タイプあるが、タナが広く、食いがいい場合は手返し重視でウイリー仕掛け、食いが渋くコマセにイサキが反応して浮いてこない場合はじっくりと食わせる付けエサ仕掛けにすると効果がある。
どちらの場合でも食うタナを見つけて、その範囲を重点的に探るのが剣崎イサキのセオリーになる。
そのため水深は道糸のマーカーで見るのが原則だが、当たりダナを覚えるにはカウンター機能のあるリールだとより便利だ。
コマセカゴは下の口を完全に閉めて上の口を3分の1~5分の1ほど開けるが、その日の潮の流れ具合や人によってシャクリの強さも異なることから、指示ダナの範囲を2往復してカゴに若干コマセが残るように調整する。
1投目からイサキが各所でヒット。
右舷トモ2番の伊藤さんがダブルでイサキを釣り上げたのを写真に収めていると、右舷トモの佐々木さんは4本バリ仕掛けでパーフェクトを達成。
釣れるイサキの大きさは25cm前後の小ぶりがメインだが、左舷ミヨシ2番の沢田さんが釣ったイサキは体高のある35cm級でおいしそう。
幸先のよいスタートに大釣りを予感したが、その後は急ブレーキがかかってポツリポツリの展開に。
操舵室の魚探にはバッチリと反応が映し出されているというのにいったいどうしたことだろうか?
その点を船長に聞くと、前日から澄み潮が入り水温も2~3度ほど上がってしまったうえに、潮が動かないのが原因だろうという見解だった。
吉野瀬の水深25m前後に船がひしめき合う
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早朝の30分間に食いが立った
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小型でも太った個体が多い
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時合と分かればウイリー仕掛けで勝負
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お土産は確保
他船を見渡しても、潮の流れ具合でトモ寄りの人がたまに釣り上げている程度の渋さ。
当船でも右舷トモ3番の小松さんがタカベを釣ったほかは、右舷トモの佐々木さんがたまにイサキを釣り上げるといった状況だ。
そこで佐々木さんに当たりダナをうかがうと、全部17m前後とのことだった。
低いタナでしかヒットしないのは活性が低い証拠。潮変わりを期待するしかないのだろうか。
そんな状態が続いたので、「イサキの活性が戻るまでお土産を確保しましょう」と鈴木船長が移動を決断した。
西側に10分ほど船を進めたところで、「アジを狙います。タナは40mです」という船長のアナウンスで第2ラウンドが開始された。
するとあちこちでアジが取り込まれ始める。
サイズも35~40cmと大型だけに引き味は抜群だ。
ここで私も竿を出すと、1投目からヒット!
しかもかなり重い。
口切れしないかとひやひやしながら38cmのアジを取り込んだ。
その後も入れ食い状態の私に横にいた稲川さんが、「タナは何mですか?」と聞いてきた。
私がオキアミエサ仕掛けであることを伝えると、彼もウイリーからオキアミ仕掛けにチェンジ。
すると直後にアジがヒットしたうえに30cmほどのハナダイも釣り上げてニッコリ。
皆さんもさっきまでのうっ憤を晴らすかのようにアジ釣りに没頭している様子。
各自5~10尾程度アジを確保したところで再びイサキ釣りにシフトチェンジする。
しかし移動後も、ポツリポツリの釣れ具合でそのまま沖揚がりの時間を迎えた。
当日のイサキの釣果は0~12尾と潮の具合から思わぬ不調に終わってしまったが、魚探の画面には真っ赤になったイサキの反応を確認しているだけに、梅雨の濁り潮が入れば復調するだろう。
食いが渋いときは付けエサ仕掛けに
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良型のハナダイも上がった
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アジの群れも回り、いいお土産になった
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知っ得!イサキの背ビレにはご注意を
イサキは釣り上げるとバタバタと元気に暴れる魚。
しかも背ビレは硬くとがっているので、素手で触ると手が傷だらけになりかねない。
そのためフィッシンググローブは必需品だ。
血抜きをする際、タルから取り出すときにはすくい網を使うようにするといい。
滑り止め付きのグローブがおすすめ
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Tackle Guide
竿は一日中手持ちで誘うため全長1.8~2mのゲームロッドがおすすめ。
調子は6:4もしくは8:2あたりが幅広く使えるが、果敢に攻めるなら操作性のよい8:2調子、付けエサありの仕掛けでじっくり攻めるには6:4調子が使いやすい。
当日のライトイサキ仕掛け
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隔週刊つり情報(2022年7月15日号)※無断複製・転載禁止