「また乗ったわ~!」
女性釣り師の小林さんは初挑戦で5杯、しかも当日2番手という快挙を達成。
10月31日、餌木シャクリのアオリイカ乗合を看板に掲げる相模湾腰越港・蒼信丸での出来事だ。
餌木のシャクリ釣り、通称・餌木シャクリはこんなケースもよくあることで、けっこう運の要素が強い。
また流行のティップランエギングよりも釣り方が単純で分かりやすく、あまり釣り経験がない人でもトライできる気楽さがある。
船上の雰囲気ものんびりとして、とてもなごやかだ。
色んな竿が流用できるトライしやすい釣り
餌木シャクリの仕掛けは中オモリ、ハリス、餌木を組み合わせた素朴なもの。
中オモリは6~15号、ハリスは4~5号を長さ3~5mの範囲。
この2点は糸の立ち具合や正確なタナ取りに影響するから必ず各船宿の指示に合わせること。
リールはPE1.5号前後を巻いた小型両軸。
竿は全長1.8~2m前後、6:4~7:3調子のゲームロッド系であれば、色いろなものが流用できる。
ライトヒラメやライトアジ用、ベイトリール仕様のライトジギング用やタイラバロッドも流用可能だ。
ほか全長3mクラスの餌木シャクリ専用ロングロッドも、アルファタックルやダイワなどから発売されている。
両手でホールドして餌木をしっかりシャクることができ、終日操作しても腕が疲れにくい。
使用する餌木は陸っぱりと共通で、フォールスピードが3秒/m前後のノーマルタイプ。
サイズは3.5号が標準になる。
カラーはバリエーションが豊富すぎて目が回るが、背色(上地)は、
・派手なアピールカラー=ピンク、オレンジなど。
・地味なナチュラルカラー=ブラウン、青緑、パープルなど。
以上の明暗2つのトーンを意識してそろえるといい。
海の状況により、対極にあるどちらかのトーンにアタリが偏ることがあるからだ。
一例としては海中の光量が低い時間帯や潮の濁りが強い日はアピールカラー、日が高くなって海中が明るいときや澄み潮の日はナチュラルカラーを試すという具合。
さらに餌木は腹色(下地のテープ)も大切とされていて、ゴールド、レッド、マーブルのほか、近年は透明なスケルトン、発光ボディ、そしてスケルトンボディの中に反射板を内蔵するものまで様ざまな製品が登場している。
トレンドとしてはスケルトン系が澄み潮やスレたイカに効くとされ、海中が暗い日は餌木のシルエットが明確になる赤テープが有効。
とはいえ正直なところ正解はなく、好みの餌木を選び、信じて使うだけである。
PE1.5号前後を巻いた小型両軸リールとゲームロッドで十分楽しめる
出典:
(上)餌木はフォールスピード3秒/m前後のノーマルタイプ、サイズは3.5号が標準(左下)ハリスは全長4mとする船宿が多いものの、3~5mまで幅がある(右下)中オモリの号数は、船宿によって微妙に異なるので事前確認
出典:
餌木シャクリ基本タックル
シャクって待つを根気よく繰り返す
「秋のアオリは乗りがいいから、よほど変な餌木を使わなければ釣れます。一番大切なのは正確にタナを取り、しっかりシャクって誘うこと」
これは蒼信丸・関塚船長のアドバイス。
その釣り方を追ってみよう。
・投入
竿先に中オモリをぶら下げて準備し、合図があったら餌木を前方に投げてタナに沈ませる。
投入は中オモリを竿先にぶら下げて構え、餌木を前方へ放てばいい
出典:
・タナ取り
指示されるタナは、海面から中オモリまでの距離。
道糸の色変わりとマーカーをカウントして正確に合わせること。
起伏が激しい根周りでは刻々とタナが変わるのでアナウンスを聞き逃さないようにする。
なお、船長は底から1.5~2mくらい上方に餌木が漂うイメージでタナを決める。
船宿のハリス長を厳守してないとタナぼけや根掛かりを招くので注意しよう。
・シャクリ
竿先を海面に向けてタナを取ったら15~20秒くらい餌木が落ちきるのを待ち、ハリスが張ったところでシャクリを開始する。
竿先を目線の高さまでスパッとシャクって餌木を跳ね上げ、サッと竿先を振り下ろしてラインをたるませフリーフォール。
そのまま5~7秒くらい待って餌木をしっかりと沈め、ハリスが張ったところで再びシャクる。
ハリスがたるんだ状態でシャクリを入れても餌木は動かないので焦ってはいけない。
竿先を鋭くシャクってストンと下げ、しばし餌木の落下を待つ。この繰り返しでドシッとアオリが乗る
出典:
こうして「シャクっては待つ」動作の繰り返しが餌木シャクリの基本。
的確にタナを取って力強くシャクり続けることさえできれば、だれでもアオリを手にできる確率が高い。
アオリが乗ってくるのは餌木のフォール時~止まった直後が多く、次の一シャクリで餌木のカンナに掛かってドシッと竿先が止まる。
そして一拍置いてズーン、ズーンと引きが伝わってくる。
その快感を噛みしめながら、あとはゆっくり巻き上げればいい。
餌木シャクリの基本は単純明快!
初挑戦でも上位になれる可能性がある、とても気楽な釣り方だ
出典:
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隔週刊つり情報(2021年12月1日号)※無断複製・転載禁止