11月1日、太東沖の浅場が解禁してエリアが拡大した外房のヒラメ。
その新しいポイントにイワシの群れが回遊し盛り上がりを見せている。
太東港の勘栄丸より出船した11月中旬の取材日は太東沖の水深8~15m前後を狙い、0.5~2.6kgのヒラメをトップ2枚が4名。
当日は濁りがきつく、潮が流れない状況だったがほぼ全員がヒラメを手にした。
さらにこの日はヒラメだけではなく、イナダやマハタのほか4.7kgのマダイも上がった。
今後は、水温が下がるにつれてヒラメの活性もより上向くことが予想される。
12月以降も外房エリアのヒラメ釣りから目が離せない。
10月1日に解禁した外房太東・大原エリアのヒラメは、期待とは裏腹に釣況は芳しくないスタートとなった。
例年と比べまだ水温が高く、イワシの群れが接岸していないことが要因のようだ。
しかし自然は正直なもので、11月に入り水温が徐々に下がり始めるとお待ちかねのイワシの群れが入ってきて釣況も急上昇。
いよいよ本格シーズンの到来だ。
11月10日、ヒラメ狙いで外房太東港の勘栄丸を訪れた。
当日は大原港からの出船。
集合時間の4時半に釣り座のくじ引き抽選が行われる。
番号が記された棒を引き、若い番号を引き当てた人から釣り座を選んでいくシステムだ。
12人の釣り人が左右舷に6名ずつ分かれて乗船開始。
エサの生きイワシの積み込みも完了し、準備が整ったところで5時少し前に出船。
イワシ回遊で期待大
渡辺真澄若船長に近況を伺うと、「11月1日に解禁になった太東沖の浅場ポイントにイワシが回遊し、ヒラメも数が出るようになりました。うちは土日だけの出船ですが昨日はトップ6枚、スソでも2枚。お客さん全員が釣れて何よりでした」と語ってくれた。
港を出て北東へ30分ほどでポイントに到着。
釣り開始の5時半まであと5分ほど。
その間に若船長が各釣り座に生きイワシを配る。
大きさは18cm前後とエサとしては最適なサイズ。
これでヒラメは釣れたも同然と皮算用するのは私だけ?
「それではやってください。水深は8mです」と秀明大船長のアナウンスで釣り開始となる。
早朝のまだ暗いうちは一日の中でヒラメの活性が最も高く、着底と同時に何人もの竿が引き込まれるのはよくあること。
カメラを抱えてそのときを待つが、1流し目はサメのアタリのみ。
2流し目もアタリなく、モーニングラッシュは炸裂しないのか?
風を横に受けてのドテラ流し(横流し)の場合、風を受ける側の舷では道糸は払い出し、風下側では船下に切り込むが、竿先から伸びる道糸は両舷ともほぼ真っすぐ。
0.3ノット。
潮がまったく流れてないよと操船室の窓から顔を出した大船長がつぶやく。
潮色もまるで川水が流れ込んだかのように茶色く濁っている。
このきつい濁り潮では日が昇り周囲が明るくなってこないとアタリは期待できそうにない。
ベイト反応も少なく、好調だった昨日とは潮況が変わってしまったようだ。
周囲が明るくなっての3流し目は流す筋を変えて水深16mから。
道糸も斜めに入るようになり、いくらか潮が流れ出したようだ。
着底即ヒットとはいかなかったが、根があるのか水深がキュッと2mほど上がったところで右舷2番の伊藤さんに小型のマハタが上がる。
知っ得!潮色に合わせた 孫バリの打ち方
当日のように潮の濁りが強いときはヒラメも底でジッとしているので、目の前にイワシを持っていくイメージでタナはほぼベタ底を狙う。
その場合は根掛かりリスクも高くなるので、孫バリは背ビレの後ろ側に打つほうがよい。
逆にイワシが目につきやすい澄み潮のときは少し高め(底から50cm~1mくらい)にタナを取るといい。
海底から飛び上がるようにイワシに襲いかかってくるので、孫バリは肛門の少し後ろ側に刺すとよい。
Tackle Guide
現在は一日手持ち竿でも持ち疲れしない全長2~2.5m前後のライトタックルが主流となっているが、道糸と幹糸の接続にサルカンを介すと竿が短くなった分、取り込みしにくくなる。
道糸にリーダーとしてフロロカーボン7号を直結し、それに親子サルカンを結べば竿先まで巻き込めるので取り込みやすくなる。
ヒラメが食い出した
右舷胴の間の丸山さんの竿にアタリが到来すると、ほぼ同時に右舷ミヨシの飯野さんと左舷ミヨシ2番の三浦さんの竿も絞り込まれる。
丸山さんと飯野さんが1kg級のヒラメ。
三浦さんはかなりの引き込みに慎重にヤリトリ。
タモ取りされると周りから歓声が上がる。
キャッチされたヒラメは後検量2.6kg。
文句なしのグッドサイズだ。
ややおいて左舷胴の間の川神さんにもヒット。
1kg超サイズを手にニンマリの表情。
スッポ抜けやバラシに天を仰ぐ方もいたが、バタバタとヒットが連発し、船上が一気に活気づいた流しとなった。
8時を過ぎた水深10mからの流しではまず左舷ミヨシの梅村さんが1kg超級を釣り上げると、左舷トモ2番でお仲間の木村さんもソゲサイズだが片目を開ける。
左舷ミヨシ3番の小林さんにビッグヒット。
右に左にと走り回る引きは青物か!?
船ベリから身を乗り出してのヤリトリの末、軍配は小林さんに。
タモに収まった瞬間に歓声というよりどよめきが沸き上がる。
なんと後検量4.7kgのマダイに一同ビックリ。
次の流しでは伊藤さんが1kgサイズをキャッチし、御年88歳の大御所、右舷大ドモの中村さんは1kgに続き、1.5kgと立て続けに釣り上げ貫禄の違いを見せつける。
「こっちでもいいのが上がりましたよ!」
カメラを抱えて駆けつけると左舷大ドモの松田さんの足元のオケから尾ビレがはみ出す後検量1.7kgのヒラメ。
タモ取り、オマツリ対処、エサの補充、釣れた魚の神経絞めに血抜き処理と若船長も大忙しだ。
右舷トモ2番の菊池さんにアタリ到来。
朝方スッポ抜けバラシに肩を落としているだけになんとしても本命をキャッチしたいところ。
しかし引きがちょっと元気過ぎ。
イナダの冷やかしに苦笑いとなったが、次の流しではしっかりと本命を釣って面目躍如とした。
これで私を除く全員安打達成。私はというと、画撮りの合間に竿を出させてもらったが、殺気が伝わっているのか、竿を持っているときはアタリなく、離席中の置き竿にアタリがくる始末。
ヒラメのかみ跡を残し、エサ抜かれといいところなし。
11時過ぎの沖揚がりで、釣果は0.5~2.6kgを0~2枚。
12人で16枚と数はのびなかったが、私以外の全員がヒラメの型を見ることができた。
帰港後は昼食サービスとしておかみさん手作りのおいしいお弁当が振る舞われる。私はオデコだったが、このお弁当をいただけるだけで大満足。
2日後からは潮色も直り、再びベイト反応も見られるようになり、大原・太東エリアのヒラメ船は1kgサイズ主体に2~3kgサイズ交じりで連日トップ6~7枚と好模様が続いている。
今後水温が下がると、釣況はさらに上向き安定してくるはずだ。
勘栄丸は平日は職漁を営む兼業船だが、漁師とは思えないほど温厚な口調の大船長と、常に船内に目を配り何かあればすぐに飛んできて対処してくれる面倒見のよい若船長との親子船。
初心者にもおすすめだ。
船宿INFORMATION
外房太東港
勘栄丸
0470・87・2296
▼備考=予約乗合、5時集合。
一つテンヤマダイへも出船
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隔週刊つり情報(2024年12月15号)※無断複製・転載禁止