今年の2月15日号に掲載された公募コンテスト企画「沖釣りフォトコンテスト」に、プロアングラーと釣りに行ける「シークレット賞」があったのを覚えているだろうか?
そのシークレット賞に入選したのが今回のゲスト・小俣あつみさん。
希望ツアーは「父とカワハギ釣り」で「宮澤幸則さんに教えていただきたいです!」
カワハギシーズンに入り、かつ、緊急事態宣言が解除されるのを待って、10月上旬、三浦半島久比里の山下丸への釣行がかなった。
と、いうわけで今回の「令和も釣りは楽しく真剣に!2」は、特別企画・宮澤幸則のカワハギ教室ツアーである。
PROFILE
みやざわ ゆきのり
●1966年大阪生まれ、三重大学水産学部卒。
釣り全般を愛好するが、陸っぱりのエギング、船のカワハギ、マルイカのエキスパートとして雑誌、新聞、テレビ、Webで最先端の情報を発信する。
グローブライド・ダイワ社員。
今回のゲスト
小俣あつみさん●沖釣りフォトコンテストにてシークレット賞入選。
3歳から父の健二さんと釣りに出かけ小学生より船釣りも。
キャスティング府中店にてアルバイトしている釣り好きで、釣魚料理とお酒も大好き。
山崎健二さん●長女のあつみさんと今でも船釣りに出かける74歳。
今ではあつみさんにほぼ勝てないそうだが鴨居のマダイだけは負けないそうだ。
潮が緩むとともにアタリを出せるようになり、ついに本命をキャッチ
出典:
「ちょい宙」をマスターしよう!
この日の釣り場は剣崎~松輪沖。
水深20m台とやや深く、中潮の最終日ながら下潮が強烈で釣りにくい。
最近、というか近年は潮が速くなったり二枚潮が強まる傾向がある。
そんなときでも安定して釣れるのが宮澤さんが提唱している「ちょい宙」の釣り。
簡単にいえば底からオモリをほんの少し上げて竿先をリズミカルに揺すって誘う方法。
竿の上下動が誘いと合わせを兼ねる釣り方で、穂先と穂持、ハリスの長さとハリの大きさがバッチリ合うと不思議なほどアタリが出て、カワハギが掛かる釣法だ。
釣り始めは予期せぬ雨にびしょ濡れになったものの、宮澤さんはあれよあれよと4枚をキャッチ。
「ぼくが釣ってちゃいけません」と、すぐに小俣さんにマンツーマンレッスン。
タックルは極鋭カワハギEX AGS LCとアドミラ100H。
仕掛けはハリス10cm、ハリはスピード7.5号。
「うわっ!軽い!」と合計185gの超軽量タックルに戸惑う小俣さんだが「これ、触りたかったんです」とテンションは高め。
宮澤さんが「ちょい宙」に際して教えた基本は以下の3点。
①エサをコンパクトにしっかり付ける。
②常にオモリを底スレスレに維持しつつ竿は水平を保つ。
③船がエンジンなどで動いて道糸が斜めになっているときは誘わずに糸が立つまで待つ。
これができれば、あとは竿先を揺すっているだけで釣れる。
とは言えこの①~③は奥が深かったりする。
①ではエサの管理と時間がかかっても焦らずエサ付けを繰り返す根気が必要だし、②は素早い底ダチの取り直しとリール操作が必要で、③は状況をイメージして判断するスキルを養う。
小俣さん親子と談笑しつつも宮澤さんは常に真剣にチェック。
しばしば竿に手を添えて②の竿を水平に維持するように修正。
これ、ベテランでもつい竿先を下げてしまいがちだ。
そして印象深かったのは③について「道糸が斜めになっているときはただでさえ仕掛けが船に引っ張られて動いているからカワハギがエサを追えない。そんなときは誘わないほうがいい」という説明。
船の上にいると忘れがちだけど、速潮時には人がゆっくり歩くぐらいの速度で仕掛けが横移動しているのだ。
「ちょい宙」で釣るために①エサをコンパクトにしっかり付ける
水管、ベロ、ワタの順で3回ハリに刺すようにする。時間がかかってもいいのでコンパクトに。が、宮澤さんの教え
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宮澤さんはアサリのむき身をタオルの上に乗せて上から「アミノソルト激旨」をパラリ。 タオルを畳んでその湿気で保湿。トレイに小出しにして使っていく
出典:
「ちょい宙」で釣るために②&③竿は水平を保ち、道糸の角度に気を配る
理想は道糸が真っすぐ下りて、竿は水平。「ちょい宙」の誘いが最も効果を発揮する
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潮が速いとき、船がエンジンを入れたりして道糸が斜めになっている間はカワハギもエサを追えない、と宮澤さん
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強烈な下げ潮に悩まされるなか、キャストして手前に流される間にアタリを出させて釣った宮澤さん
出典:
基本ができればカワハギは釣れるんです!
昼を過ぎて潮が減速するとともに、アタリが増えてきた。
釣れなくても宮澤さんから教わった基本をずっと繰り返し、ちょっとでも分からないと質問していた小俣さんはここで一気に開眼、昼前に1枚目を釣ると(いや本当にホッとしました)、沖揚がりにかけて尻上がり。
なんと宮澤さんと変わらないペースで釣るようになってしまった。
父・山崎健二さんと友人の新山さんにもマンツーマンで「ちょい宙」を教えてカワハギを釣ってもらうと、残り1時間は宮澤さんも真剣モード。
宮澤さんが掛けると小俣さんも掛ける。
誘いの動き、止めるタイミングなど、横から見ているとまるで宮澤さんが2人いるような釣り姿。
そして宮澤さんが11枚、小俣さんが9枚で迎えた最後の投入、小俣さんが掛けてツ抜けと思われたものの、ベラにて終了。
「色いろ教えていただき本当に楽しかったです」と語る小俣さんと「道具までお貸しいただき、本当にありがとうございました」とお礼する父・健二さん。
「カワハギ釣りは基本ができれば釣れるんだよってことを、お二人があらためて教えてくれました。今年も小型が増えてきたのでカワハギ釣りは楽しめるはず。さあ、ここから上を目指して、地獄にハマってください!」
すっきり晴れ渡った秋空の下で笑う3人の写真は、フォトコンテスト番外編の作品である。
健二さんの友人、新山さんにも竿を渡してコーチしていた宮澤さん
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最近のカワハギ釣りはベテランほど苦戦するもの。ぜひ、ちょい宙と長めのハリス&小さめのハリを試してみて!
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当日のカワハギタックル&仕掛け
タックルデータ
「極鋭カワハギEX AGS LC」と「アドミラ100H」は、小俣さん親子はもちろん、同船者や船着き場で向かい合った船の釣り人が「ちょっと持たせてください!」「うわ、かるっ!」と手にしては驚いたロッド50g、リール135g合計185gの超軽量カワハギタックル。
アドミラ100Hに巻いてある道糸は0.6号。ちょい宙では道糸の抵抗が少なく、立ちがよいほど釣りやすい
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自重50g。極鋭カワハギEX AGS LCの調子は1133。 超敏感かつ、しなやかながらネジレ感がまったく感じない
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極鋭カワハギAIR F1(1454)上と極鋭カワハギAIR VS(1244)下。正調91調子が好みの人にはF1がおすすめ
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極鋭カワハギレッドチューンAG S VS(1244)上と、極鋭カワハギレッドチューンN SF(1134)下。小俣さんは終盤、SFで連釣
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コンスタントに釣っていました
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元DKOチャンプ・萱沼昌樹さんは胴の間で10枚。増澤さんと2人して色いろ掛けまくっていた
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こちらはDKOファイナリストの増澤始さん。終盤は宙でバンバン釣っていました
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YouTubeにて 動画も公開中!
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隔週刊つり情報(2021年11月15日号)※無断複製・転載禁止