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[熱血!照英の釣りバカ紀行(第3回)]タイラバが俺を導いてくれるお地蔵さまに見えてきた。

隔週刊つり情報編集部

午前3時半。

真っ暗な漁港で、知らないおっさんが紫外線ペンライトを怪しげな箱に照射しながら近づいてきたら、普通は逃げる。
 
でも、照英は違う。

「あ!それ、紫外線で光らないネクタイとか、タイラバを選び出す方法ですよね!」
 
紫外線おじさんは答える。

「そうそう。光量が多い昼間はシルエットでアピールしたいですからね。あ、ワタクシ、古谷と申します」
 
これが照英と、ダイワのタイラバ(ルアーその他もろもろ)開発者・古谷英之の初対面のあいさつである。
 
古谷英之の箱からは、タイラバ、ネクタイ、ワーム、メタルジグ、なんでも解説付きで出てくる。

まるで博士だ。
 
今回は古谷ハカセをパートナーに、タイラバで大ダイを狙う。
 
4時。

薄闇の中を出港する。

最大のチャンスは夜明け前後。

魚の警戒心が薄い、コマセ釣りの船が来る前など、様ざまな理由で、今、洲ノ崎沖のタイラバは朝一が最大のチャンスだ。

SHOUEI Profile

6歳のとき祖父から手ほどきを受け近所の川や釣り堀で釣りに親しむ。

中学以降は部活に没頭するが芸能界に入ると仕事を通して再び釣りに接し2017年より「照英・玲子の最強!釣りバカ対決 !!」にて約4年間ほぼ全ての船釣りを経験、完全にハマり釣りバカ道を歩む。

2021年よりダイワ専属アングラ ー。

洲ノ崎沖ってどこ?

房総半島のほぼ南端、東京湾に突き出した岬が洲ノ崎で、その沖一帯が洲ノ崎沖。

東京海底谷の深海へ続く場所で、沿岸から深海まで好漁場が続く。

鳥居の写真

大漁神様に願をかける。ちょっとシュールなパワースポットだ

逆に言えば、朝一を逃すと大ダイ獲得率はガクンと下がる

水深75mのポイントで開始。

照英も、仲間の表情も硬く、無言。張り詰めた空気とともに船は流れていく。
 
照英は粛々と着底、巻き、着底を繰り返す。

しばらくすると、真っすぐ下りていた道糸が、やや払い出した状態で落ち着いた。

「いい角度だ」

「釣れる角度ですね」

「いいですよこの角度は」

「素晴らしい角度だなぁ」

照英以外の全員が、照英の竿と道糸の角度に興奮している。

・・・なんだ、この人たちは?

何が「角度」なんだ?
 
照英には、その意味が分からなかった。

竿の写真

この角度に興奮するようになると、タイラバ中毒はかなり進行している

が!そのとき、リールを巻く照英の手に衝撃が伝わった。

・・・!!
 
その瞬間の照英の表情が、今回のメイン写真である。
 
道糸と竿が一直線に伸び、ソルティガのドラグが滑り出す。

「きた!きた?きたよ!」
 
リールの水深カウンターは100m近い。

一気に20m以上走られた。

出しては巻いて、を数回繰り返すと、海面下に白い大きな影と泡が浮いてきた。それは、

照英の自己記録を更新する3㎏のマダイであった。

照英も、古谷ハカセも、田渕師匠も、全員が小学生のような笑顔でマダイを迎えた。

「・・・本来はそんなに簡単に釣れるものじゃないんです」

何日も前から心配していた田邉忠宏船長が、気の利いたアナウンスで祝福する。

「いやあ、軽自動車にF1のエンジンを積んだような引きでした。それにしても、なんですか?あの角度っていうのは!」
 
ようやく照英語録が飛び出した。

古谷ハカセいわく、道糸が斜めに出て安定している状態は、マダイの泳層を横方向に、タイラバを長い距離引いてくることが可能。

横すぎては底ダチが取れない、立ちすぎては上下にすぐ通過してしまう。

その絶妙な「神の角度」が、夜明けの洲ノ崎沖に現れたのだ。

その後、ドリーム角度は出現しなかった。

それでも、古谷ハカセはスピニングによるキャストで神の角度を作り出し、タイラバの鬼・根岸発光人は秘密のネクタイを駆使してマダイを釣り上げた。

釣行の写真

潮に乗って横に走る。もう、大ダイとしか思えない引きであった

釣り人の写真

恋焦がれた大ダイがヒットした瞬間、照英は興奮や驚きよりも、不思議さに固まった。「神の角度」に触れた瞬間である

釣り人の写真

ダイワの古谷英之さんとあいさつを交わしてわずか1時間半後、念願の大ダイがタモに収まった

釣り人の写真

実は一番ホッとしていたのは六平丸の田邉忠宏船長だったりして

釣行の写真

「洲ノ崎はおれに幸せを運んでくれる」と照英。実際、船が洲ノ崎に近づくように流れる潮が最も大ダイがよく釣れる

照英の熱血!タックルインプレ

★REEL:ソルティガIC100P
もう、これしか使いたくないほどナチュラル。
こんなに小さいのに、回収も魚とのファイトも楽で、とことん滑らか。
今日はこのリールに本当に驚きました。

★ROD:紅牙EX N68HBーSMT
細身で軽くとても敏感でしなやかなのに、マダイが掛かったときには竿のパワーをすごく感じました。
また、メタルトップの安心感もすばらしいですね。

釣り人の写真

「だれかと一緒ではないものを選べるのがいい」タイラバのパーツ選びを楽しむ照英は、まねではなく「探す」タイプだ

タックルの写真

このセットを使ったら他は使えない。そう思ってしまうほど快適

ワームの写真

(上)開始時のタイラバ(紅牙ベイラバーフリーα)。赤を基調にしたド定番ストライク仕様(下)開始10分で古谷ハカセのアドバイスにより夜光ヘッド、オレンジネクタイ、グリーンのワームによるアピール仕様に変更。これにヒットした

照英のタイラバタックル

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「だれかのまねをするのではなく、俺をまねさせるぐらいの気持ちで向かっていかないと、マダイはこっちを向いてくれない」

わずかな経験で、本質をズバリと言い当てる照英。

「釣りに絶対はない。探り続けることが面白い。タイラバは単純に見えて、技がすごくある!」 

迷い試すことを楽しみ、箱をまさぐり、リールを巻きながら時折ニヤリと笑う。

その姿は、暗闇の漁港で紫外線ペンライトを持ってニヤつく、タイラバおじさんの一員である。

「タイラバが俺を導いてくれるお地蔵さまに見えてきたよ」
 
洲ノ崎が再び幸せを運んでくるのを待ちながら、タイラバの時はゆっくりと流れた。
 
ドリーム角度、アゲイン!

釣り人の写真

まるでハカセタイプと体育会系の仲よしコンビ。小~中学校のクラスメイトにいそうな2人である

釣り人の写真

マハタは定番ゲスト

釣り人の写真

アヤメカサゴも結構釣れる

釣り人の写真

日本中をタイラバで釣り歩くタイラバの鬼・根岸発光人も黙ってはいなかった

釣り人の写真

アタリが遠のき、潮が緩んだ時間にスピニングでキャストしてマダイを釣り上げた古谷ハカセ

釣行の写真

少人数で仕立ててタイラバ、おすすめです!

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