休みの日はのんびり釣りをして、新鮮な魚料理を囲んでリフレッシュしたい。
そんな人にイチ推しの釣り物が東京湾のアジ。
抜群の安定度と食味のよさで釣り人の期待に応える優等生だ。
潮流の速さが特徴
9月中旬に釣行した三浦半島走水港の関義丸は、周年のアジ乗合を看板に掲げる老舗船宿。
午前・午後船の2便制で出船しており、午前船なら夕食前に魚をさばく時間にも余裕がある。
また早起きが苦手な人は午後船に、とことん釣りをしたい人は午前&午後船と通しで乗ることも可能。
午前・午後の半日船の料金は6000円とリーズナブルで、一日通しで乗ると割引きがあり9000円になる。
当日は午前船で乗客は総勢20名と大盛況。
定刻7時半に関口道義船長の舵取りで出船となる。
天候は曇天で風はほとんどない。
15分ほど走ったところで走水沖のポイントに到着。
水深は40mほど。
タナは底から2~3m。
走水という地名の由来は諸説あるが、その一つが走水の位置が観音崎と富津岬に挟まれた東京湾で最も狭い浦賀水道にあり、その潮流の速さに由来するというもの。
速い潮流にもまれた当地の居着きのアジは身が締まった中~大型主体。
とりわけ黄金色をまとった魚体は脂の乗りが抜群で、一晩寝かせて身に脂がなじんだ刺身は最高だ。
同船はオモリ130号のビシアジスタイル。
潮が速いときが多い当地の釣り方は、底ダチをしっかり取ることが大切。
着底時に仕掛けが流されて大きく糸フケが出たときは、1mほど巻き上げ、そのまましばらく待つ。
上潮だけが速いようなら再び仕掛けがトンと底を打つ。
これを2~3回繰り返して、道糸が真っすぐ立ってからタナを取るようにする。
タナの取り方は、底から2~3回に分けてコマセをまきタナに合わせて待つのが基本だ。
ただし、投入した仕掛けが流されて着底し、何度か底ダチを取り直しても仕掛けが船下に寄らないような潮が速いケースでは、仕掛けは横にたなびきコマセも横に流れるから、タナの1m下でコマセをまき、そのまま待つとアタリがくることも多い。
同船は毎週訪れるファンも多い
出典:
午前・午後船と通しで楽しむファンも
出典:
黄金色に輝く個体は脂乗り乗り
出典:
目下の釣り場は走水沖の水深40m付近
出典:
タナは底から2~3m前後
出典:
タナはやや高め
釣り始めて20分ほどするとようやくアタリが出てきた。
右トモで上がったのは30cm級のアジ。
コマセが効いて群れが船下に着いたのか、船内あちこちで竿が曲がる。
取り込まれるアジは30cm前後の良型ぞろいだ。
強いアタリがきて40cm近い大アジを取り込んだ左トモのベテランは、「この大きなアジが釣りたくて走水に通ってるんですよ」と喜色満面。
この日は小潮のため潮流は緩やか。
コンスタントにアジを上げている人にタナを聞くと、最初は底から2mで始めたがアタリがなかったため、少しずつタナを上げて探ったところ3mでアタリが出るようになったとのこと。
潮流が緩い場合、仕掛けは下に垂れ下がり、コマセも下へ沈下していくので、底から2mでアタリが出ないときは、さらに50cm刻みでコマセをまいて上方にタナを取り、アタリが出るタナを探るのも手だ。
2時間ほどで食いが一段落すると、船長は移動を告げた。
10分ほど走って到着したポイントは沈船周り。
「ここは上からタナを取ってください。上から40mでコマセを振って、1m巻いて待ちます。40mより下に仕掛けを沈めると根掛かりするので気を付けてください」とのアナウンスで再開。
沈船にアジの大きな群れが着いていたのだろう、早々にアタリが出た。
右ミヨシで25cm級が上がり、続いて左ミヨシで30cm級が取り込まれる。
早朝のポイントではアタリがなかった初心者もようやくアジを釣り上げオデコ脱出。
それまでの不調がうそのように、アタリが続いて数をのばしていく。
底からのタナ取りは、しっかり底ダチを取らないとタナボケしてアタリが出ないことがある。
一方、上からのタナ取りは一見難しそうだが、道糸の色変わりと目印で仕掛けとの距離を確かめてタナに合わせればいい。
糸が立つように船の姿勢を修正しながら流してくれるので仕掛けがタナから外れず、初心者にも釣りやすい方法といえる。
食いが立つとタナ取り直後にアタリがくる
出典:
アタリに軽く合わせて上アゴにハリ掛かりさせればバレにくい
出典:
ハリスがヨレたら新しい仕掛けに交換しよう
出典:
ビッグなゲストも
このころから青空が広がり、魚の活性が上がってきたのか、慣れた人は追い食いを狙ってダブル、トリプルで取り込んでいく。
「左舷でヒラメが上がったよ」
船長の声に左胴の間に駆けつけると、2kg級のヒラメがタモの中で暴れていた。
話を聞くと、アジが掛かったあとに強いアタリがきて仕掛けを切られ、ハリス3号の仕掛けに交換し、その直後の投入でアジにウバ食いしてヒラメが上がったきたそうだ。
沈船周りはマダイやワラサなどの青物も回遊する好ポイント。
マダイはハリス4号3mの1本バリ、青物はハリス6号2mの2本バリ仕掛けなどを使い、持参したサバの切り身を付けてゲスト狙いに興じる常連客も多いようだ。
その後もアジの食いは順調、11時45分に沖揚がりを迎えた。
釣果は22~38cmのアジが一人2~30尾、平均で20尾前後の人が多かった。
同船は2隻体制で出船しており、目下の釣り物は午前・午後船のアジと、午前船のタチウオ。
予約状況により午前船はアジ、もしくはタチウオの2隻出しになる場合もあるので、船宿ホームページ、もしくは電話で出船予定を確認のうえ釣行していただきたい。
ハリ掛かりしたアジにウバ食いしてヒラメが登場
出典:
慣れた人は追い食いを狙って数をのばした
出典:
慣れていない人は仕掛けが扱いやすい2本バリがおすすめ
出典:
30cm前後の良型が多かった
出典:
アジは肛門付近に硬いトゲがあるから魚つかみがあると安心安全
出典:
アジを一晩寝かせると身に脂が回ってうま味が増す
出典:
知っ得!貸し道具は1隻先着5本まで
「アウトドアブームで、貸し道具を希望する初心者の人が増えたんですよ。ありがたいことですが、走水沖は潮が速いからオマツリもしますし、初心者が多いとスタッフの手が回りません。そうすると常連さんにもご迷惑をおかけするので、貸し道具は1隻先着5本までにさせてもらってます」と船長。
初心者の対応と常連客への心づかいゆえの船宿ルール。
レンタル希望の人は釣行日を決めたら早めに予約しよう。
貸し道具は竿、電動リール、テンビン付きのビシ、ロッドホルダーのセットで2500円
出典:
貸し道具完備で初心者でも楽しめる
出典:
当日のアジ仕掛け
一般的なビシアジ仕掛けはハリス2号2~3本バリだが、走水沖で釣れる40cm級の大アジを視野に入れた関義丸の船宿仕掛けはワンランク太めのハリス2.5号2m3本バリ。
船宿や船で販売しているのでお試しを。
釣り船予約サイト「釣割」のスタッフがオススメする釣り船はこちら!
【三浦半島(神奈川県)マアジ船】人気ランキング
【三浦半島(神奈川県)マアジ船】価格ランキング
隔週刊つり情報(2021年10月15日号)※無断複製・転載禁止