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[出会いを求めてフラリと釣行。カマちゃんの船宿探訪(第10回)]ゆるりと楽しむ深場のライト五目

隔週刊つり情報編集部

関東の一大船釣り基地とも言える金沢八景界隈。

一角にある金沢漁港には十数軒の船宿が軒を連ねる。

そのうちの一軒、野性味たっぷりの若船長と笑顔の素敵な若おかみが切り盛りする船宿、蒲谷丸を訪ねてみた。

12tの第三蒲谷丸を担当する蒲谷政徳船長は、昭和46年9月生まれ、おとめ座の46歳。

ロン毛の頭にタオルを巻き、怪しいサングラスをかけて操船する風貌からは想像できないが、仕事が趣味だと言わんばかりの生活を送る、いたってマジメな男である。

カマちゃん・釜井 昌二 (かまいしょうじ)

魚も釣りも好きだけど、山登りも大好きなフィッシングライター。

アトリエぷらり・おさかなイラストレーター。

A.T.LAB・フィールドアドバイザー

多様な出船形態で釣り人を受け入れ

「ボチボチ引退したい」と呟きつつ、いまだ現役続行中の蒲谷繁行船長、おかみのとしえさん夫妻の長男である政徳船長は、中学校と高校時代は、ハンドボール部でバリバリの体育会系部員として過ごした。

高校在学中、大学へは進学せずに家業を継ぐことを決意。

高校卒業後は、近隣の某職漁船で修業することになった。
 
当初一年間を予定していた修業は5年におよび、きっちりと仕事をたたき込まれて帰還。

「アナゴを割かせたら、だれよりも早かったし、きれいだった」と漁師時代の仕事ぶりを自画自賛。

そう自慢できるくらい漁師の仕事に誇りがあったし、経験を積んで自信があったに違いない。

周囲から見ても、その働きっぷりは目を見張るものがあったらしい。
 
当時、蒲谷丸もアナゴ漁を中心とした職漁船だったのだが、時流の変化をとらえ始めていた繁行船長は、職漁の傍ら仕立船限定で釣り人を受け入れ始めていた。

時の流れに乗って、船体や船宿設備を遊漁向けに改装し、徐々に遊漁での出船頻度が増えていったそうだ。
 
そして平成8年に遊漁船へ完全移行。

現在は仕立のみならず、予約乗合もある。
 
5t弱から12tの大中3隻の船で半日船、一日船、一日船より少し実釣時間が短いショート船と、バリエーションに富んだ出船形態で釣り人を迎えるようになった。
 
周年楽しめて、ポイントが至近のライトアジは親子連れやカップルの来訪が多い蒲谷丸の金看板。

軽装で遊べる時期にはクーラーボックス一つで遊びに来るビギナーも少なくないという。
 
蒲谷丸を訪れる釣り人の電話対応や受付を担っているのは、政徳船長の妻、若おかみの智恵さん。
 
智恵さんは八景界隈のおいしいモノやお店にめっぽう詳しい。

以前、教えてくださった金沢八景駅前「鳳月堂」のいちご大福は、とてもおいしかった。

寄り道やお土産の情報は、彼女にたずねることをおすすめする。
 
蒲谷丸は、そんな家族経営の船宿で、週末には雇いの船長と仲乗りさんが手伝いに来る日もあるから、スタッフは総勢6人ということになる。
 
政徳船長夫妻の長男翔太君は、もうすぐ高校を卒業する。どちらかといえば色白で、父親のような野性味を微塵も感じさせない彼もまた、この春から職漁船で修業することが決まっている。

がんばれ、翔太君! 

港の写真

金沢漁港は関東の一大釣り船基地だ

釣り人の写真

半日船へ遊びに来る親子連れやカップルは多い

思い思いに楽しめる自由な雰囲気の五目釣り

取材に出かけたこの日は、深場ライトウイリー五目の一日船に10人の釣り人とともに乗船させていただいた。
 
目指した洲ノ崎沖は潮が速くて苦戦中との情報を得て剣崎沖からスタートしたものの、魚の食いは今一つ。

トゴットメバルなどの顔を少し見ただけで館山沖へ移動となった。
 
底上3~7mの指示ダナを狙っていると中アジが釣れ始め、次第に食い気がアップ。

多点掛けする人が出始めた。

「底物を狙ってもいいですが、根掛かりに注意してください」と船長からのアナウンスがあり、何人かの釣り人がアマダイ釣りで使うような仕掛けを投入した。
 
すると、持参のサバの切り身で狙った右舷大ドモの方がウッカリカサゴとカイワリをキャッチ。

胴の間の女性二人は黄色い歓声を上げながらオキアミエサで30~38㎝のアマダイを釣り上げた。
 
ほどなくして右舷胴の間で竿が大きく絞り込まれ、1㎏級のマトウダイが登場。

左舷胴の間ではオニカサゴも上がった。
 
徐々に五目釣りっぽくなってきたな~と眺めていたら、右舷ミヨシの方の竿が激しくたたかれ45㎝の良型アマダイをキャッチ。

うれしそうな顔が印象的だった。
 
お昼過ぎから風が強まるとともに潮の流れも変わり、釣りづらくなってしまったものの、アジを主体に色んな魚が交じって結果は9~23尾。

写真のような魚たちでにぎわった。
 
深場ライトウイリー五目はおおむね6月まで続く。

当日はアジ主体だったが、状況によりイサキ主体の五目釣りとなる。

仕掛けやエサなどを思い思いに準備して、のんびり楽しんでいただきたい。

釣り人の写真

当日のポイントはアジが中心だったが、場所によってはイサキが中心となることも

釣り人の写真

持参したサバの切り身で底を狙い、ウッカリカサゴとカイワリをゲット

釣り人の写真

小型ながらマダイも交じった

釣り人の写真

オキメバル(トゴットメバル)も定番魚だ

釣り人の写真

アマダイは交じるとうれしい魚の一つ。当日最大は45㎝

釣り人の写真

キダイはこのサイズになると鯛めしやアクアパッツァがうまい

釣り人の写真

珍しや、こんな大きなシキシマハナダイが釣れた

蒲谷丸の深場ライト五目仕掛け例

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釣行の写真

ゲームロッドと小型電動リールの組み合わせで楽しめる

エサの写真

(左)アミコマセと付けエサ用のオキアミ(右)レンタルのビシと船宿仕掛け

船宿information

東京湾奥金沢漁港 蒲谷丸

電話 045・781・8552

神奈川県横浜市金沢区海の公園9番地

予約乗合、仕立(平日は5名~、土日祝は10名~)。

一日船、ショート船、午前および午後船あり。

不定休。

船宿アクセス

・車/首都高速湾岸線幸浦インターまたは横浜横須賀道路並木インターから金沢シーサイドライン沿いの道を金沢八景駅方面へ進み約5分。

・電車/金沢シーサイドライン野島公園駅から徒歩5分。

京浜急行金沢八景駅からの送迎可(要予約)。

乗船の流れ

船宿の写真

①車の場合、港入口を右折して港内を進み、黒一丸手前のスペースに駐車する②乗船する船を確認し、釣り座を確保する③船着き場前の船宿で受付する(乗船料の支払い、仕掛けなどの購入④下船後は軽食が用意される

蒲谷丸サービス

レンタル品の写真

(左上)船宿前の流しで手洗いや道具の洗浄ができる(右上)ライフジャケットは大人用はもちろん、子供用の貸し出しもある(左下)たくさんのレンタルタックルで大人数の仕立船の受け入れも可能(下中)長靴も貸してくれる(右下)リピーターはスタンプを貯めるとお得

新しくなった金沢八景駅

昨春から京急と金沢シーサイドラインの金沢八景駅が直結して利便性が高まった。

また、エレベーターとエスカレーターが完備となり、とかく荷物がかさばる釣り人の乗降もスムーズになった。

駅周辺の写真

(左上)京急と金沢シーサイドラインの駅が直結して利便性がアップ(右上)金沢八景駅にはホームと地上直結のエレベーター専用改札ができた(左下)送迎の待ち合わせ場所は国道16号を渡り、ケンタッキーを右に見て直進したすぐ先のベンチ(右下)船宿スタッフが金沢八景駅への送迎を行ってくれる

蒲谷丸の釣り物とシーズン

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隔週刊つり情報(2020年3月1日号)※無断複製・転載禁止

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