純和風といえる青物の横綱・鰤を知る
ブリはスズキ目アジ科ブリ属の魚。 同属のヒラマサ、カンパチとともに青物ご三家として、数ある青物の中で頂点に君臨している。 均整のとれた体型と精悍な顔つき、パワーとスピードを兼…
隔週刊つり情報編集部PR
ここでは生きエサの泳がせ釣りで、7㎏オーバーのブリが狙えるエリアをピックアップ。
釣り場ごとの特徴と、エサの種類に応じた仕掛けの違いなど、様ざまな泳がせ釣りのバリエーションを紹介しよう。
目次
冬を迎え各地で釣れている7㎏超えのブリを、生きエサを使うダイナミックな泳がせ釣りで狙う専門の乗合船と、泳がせ釣りを受け付けてくれる仕立専門の船宿を表にまとめた(11月下旬現在、本誌船宿データベース調べ)。
まずは泳がせ釣りでブリが狙える釣り船について。
※乗合船と仕立船の情報については刊行当時(2019年11月)のものを掲載しています。現在とは内容が異なる場合がありますのでご注意ください。
泳がせ釣り乗合で最も出船軒数が多いのが、ヤリイカをエサにし、東伊豆初島周りを舞台に繰り広げられる年末恒例のビッグゲーム「夜釣りのイカブリ」。
今年は11月30日からスタートし、伊東港の第2三好丸、村正丸、宇佐美の秀正丸、網代港のつちそう丸、ゆたか丸、水弘丸が出船する。
相模湾~三浦半島では、大磯港の恒丸、茅ケ崎港の沖右衛門丸が、アジやサバを生きエサにする「泳がせ乗合」を出している。
また茅ケ崎港・湘南海成丸、ちがさき丸(スポット出船)、葉山あぶずり港・長三朗丸が、専用のサビキ仕掛けで宙層に群れるサバを食わせ、そのまま海底へゆっくり落とし込んでブリを狙う「落とし込み乗合」で出船。
小網代港・やまはち丸では、生きたヤリイカをエサにブリやマダイなどを狙う「ヤリイカ泳がせ乗合」を出している。
ある程度の人数が集まるなら、仕立専門の船宿を利用するのも一手。
泳がせ釣りを受け付けてくれる船宿は相模湾大磯港~三浦半島金田湾にあり、気の合う仲間同士でブリ狙いをぞんぶんに楽しめる。
また、表で紹介したほとんどの船宿は平日、もしくは土日祝日も含め4~6名から受け付けてくれるので、少人数のグループにもおすすめだ。
アジ乗合やヤリイカ乗合でも、いわゆるハモノ狙いで泳がせ釣りは可能だ。
ただし、すべてのアジ船やヤリイカ船でできるわけではない。
乗合船でブリを狙いたいのであれば、必ず事前に船宿に「泳がせ釣りをやってもいいか」を確認する。
相模湾~三浦半島、内房勝山~金谷のアジ船やヤリイカ船は泳がせ釣りが楽しめる船宿が多く、葉山あぶずり港・愛正丸もその一軒だ。
釣果としてハモノを載せている船宿はおおむねOKだろう。
ただし、本命はあくまでアジやヤリイカ、同じ船上で楽しむ泳がせ釣りは当然のこと周りに迷惑をかけない心づかいが必要だ。
また、泳がせ釣りOKの船宿でも、ほとんどは次のような条件付きとなる。
①釣り座は原則として船の四隅限定。
②混雑していないこと。
③潮が速い場合などオマツリするときは控えること。
①の釣り座については、予約時に決められる船宿もあるが、先着順の場合は早く船宿に行き、四隅、または船長が泳がせ釣りを許可する席を確保する必要がある。
また四隅の席が取れたとしても、釣り人の独断で竿を出さず、まずは船長の判断をあおぎ、許可を得てから道具を出そう。
ここからは、泳がせ釣りのバリエーションの解説。
泳がせ釣りの生きエサは大きく分けてアジやサバの小魚かイカ類になる。
その中で一番といっていいほど食いがいいのがヤリイカだ。
ヤリイカをエサに使う泳がせ釣りは、ヤリイカ乗合で船長の了解を得てのハモノ狙いか、仕立船でヤリイカを釣り、それから泳がせ釣りに転進するのが一般的な方法だ。
しかし、三浦半島小網代港・やまはち丸のようにヤリイカ泳がせ乗合を出す船宿もある。
出口訓船長によると、目下は生きエサとなるヤリイカの模様が今一つで、肝心のエサの確保が難しい日もあるようだが、泳がせの仕掛けを下ろすとアタリは活発。
本命ターゲットのブリを含め、ワラサ、マダイ、メダイなどの大物が頻繁に釣れている。
釣り場は小網代~城ケ島沖の水深100~180m付近が中心で、この時期は泳がせのエサにちょうどいい胴長20㎝前後のヤリイカが釣れるうえ、今年は6~7㎏前後のブリ・ワラサの群れが回っているとのこと。
タックルは下図のような泳がせ用とヤリイカ用の2つを用意する。
泳がせ仕掛けはイカエサでオーソドックスな掛けバリ・先バリ仕様の胴つき式だ。
タナ取りは底から5mを基準にその上下をゆっくり探る。
イカの反応が高いときは底から10m以上で食ってくることもあり、幅を持ってタナを探ることもヤリイカ泳がせのコツとなる。
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東伊豆の年末といえば「夜釣りのイカブリ」。
生きたヤリイカや冷凍イカをエサにしてブリを狙うことからこの名があり、ヤリイカの大場所でもある初島周辺が主戦場。
夜間、産卵で浅瀬に集まったヤリイカを捕食しにくるブリを狙うため、ヤリイカ、ブリともにポイントは水深50~80m前後と比較的浅い。
夕刻に出船し、まずはエサのヤリイカ釣りを1~2時間行い、各自が5~10杯ほど確保したところでブリに転進。
これがイカブリ乗合のおおまかな流れだ。
釣期は例年11月下旬ごろから年内一杯の短期決戦だが、模様がよければ年明けまで続く。
タックルの詳細は図のとおりで、ブリ用とエサのヤリイカ用の2つが必要になる。
ヤリイカ仕掛けは通常のプラヅノ仕掛けだけでなく、乗りの渋いときに効果的な、サメの身エサなどを巻いたエサ巻き餌木を用意すると万全。
プラヅノ仕掛けで釣るときは底から5mほどをシャクリ上げて探るが、エサ巻き餌木を使う場合は、底からオモリを少し切って置き竿で待つ。
ブリ用の仕掛けはオモリ120~150号の片テンビン式で、ハリス20~30号を使い、ブリが掛かってもリールのドラグをきつく締め込んでほとんど糸を出さずに一気に釣り上げる。
遊ばせずに取り込むことでオマツリを防止し、短い時合を逃さず、全体の釣果を上げる当地独特のスタイルだ。
ブリの指示ダナはおおむね底から8m。
標準仕掛けは全長4.5mで、イカエサが底上4m付近を漂うイメージで釣る。
ブリのポイントは初島周りの斜面を流していくから、こまめに底ダチを確認してタナを取り直すことが肝心。
夜間のイカブリは、イカを動かしすぎると食いが悪い傾向があるので基本的には誘う必要はない。
しかし、冷凍イカの場合、ゆっくり竿を上下に動かして誘い続けたほうがいい場合もある。
続いては、スタンダードなアジ、サバエサの泳がせ釣り。
泳がせ船が狙う相模湾・瀬ノ海周辺、大磯~茅ケ崎沖を舞台にした泳がせブリの釣期は11月~翌年2月の間。
カラーページをご覧のとおり茅ケ崎港・沖右衛門丸での取材日は7~9㎏級のブリが4本上がり、今後も期待十分の手応えだった。
目下のエサはアジが主体。
泳がせ船では、瀬ノ海周辺の水深100m前後で、早朝の1~2時間ほどビシアジ仕掛けを使って生きエサ用のアジを釣り、船のイケス、もしくは海水循環させたオケに入れておく。
こうして一人あたり10~15尾の生きエサを確保したところで泳がせ釣りが始まる。
ブリの釣り場は水深100~250m前後で、ポイントは生きエサの種類などによっても変わるのだが、エサがアジの場合は、魚礁周りやアジの群れに着いているブリを狙うため、アジの釣り場=ブリのポイントとなる。
必要なタックルは下図のようにエサ釣り用と泳がせ用の2つ。
エサ釣りはおなじみのビシアジ用、泳がせ用はオモリ80~200号対応の青物用ワンピースロッドとPE6号前後を300m以上巻いた中型電動リールを用意する。
泳がせ仕掛けはフロロカーボンハリス12~16号1.5m前後、ハリはヒラマサ14~16号の1本バリが基本だが、生きエサが30㎝近い大きさであれば親孫式を使ったほうがハリ掛かりがいい。
基本的に捨て糸は不要だが、根掛かりする場所では50㎝ほど付ける。
エサの付け方は様ざまだが基本は口掛け。
生きエサを海底へ下ろしたら、底から3~5mにタナを取る。
待つときは置き竿でいいのだが、誘いを兼ねたタナの取り直しを定期的に行う。
アタリはグンと竿先に明確に出るが早合わせは禁物。
慌てずに、強く引き込まれてから竿を起こして合わせよう。
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相模湾の「落とし込み釣り」は、専用サビキを使い、宙層に群れるサバを食わせ、そのまま海底へゆっくり落とし込んでブリを狙う釣法。
茅ケ崎港の湘南海成丸では11月上旬に乗合船を開始、初日に8.6㎏を頭にトップ6本と最高のスタートを切った。
その後の釣況は、エサとなるサバの群れが少ない日もありムラが見られるものの、鈴木敦船長によればブリの群れは例年以上に多いとのことで、今後の盛り上がりに期待したい。
茅ケ崎港出船で狙う主な釣り場は泳がせ乗合とほぼ同じ茅ケ崎~小田原沖の水深100~200m付近。
湘南海成丸、ちがさき丸の仕掛けは上図のとおり、ハリにピンクフラッシャーと羽根などを付けた太地ムツ17号などに、ハリス10号×幹糸12号前後を結んだ胴つき2~3本バリ。
オモリは150号と180号を潮具合で使い分ける。
葉山あぶずり港の長三朗丸は三浦半島沿岸を攻める。
仕掛けはブリ対応の食わせサビキとオモリ150号を使用。
主となるエサはサバだが、アジやウルメイワシなどの群れの反応があればエサとして狙うこともある。
タックルは泳がせ釣りとほぼ同様だが、ハリスが70㎝(食わせサビキは10㎝前後)程度と短いため、竿はブリのアタリを弾かずエサの食い込みがいい、竿先が軟らかめの落とし込み専用竿や遠征五目竿がおすすめ。
サバの反応を探して転々と移動しながら仕掛けを投入し、指示ダナの上から軽くサミングしてサバを食わせる。
続いてサミングしつつサバの引きなりに底まで落とし込んでいく。
ブリが食い付くとズルズルと道糸が引き出され、サバをしっかりと食い込み疾走するとグイッと竿が引き込まれる。
アタリなく着底した場合は、底上5mにタナを取り、底ダチを取り直しながらアタリを待とう。
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隔週刊つり情報(2019年12月15日号)※無断複製・転載禁止
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