ブリはスズキ目アジ科ブリ属の魚。
同属のヒラマサ、カンパチとともに青物ご三家として、数ある青物の中で頂点に君臨している。
均整のとれた体型と精悍な顔つき、パワーとスピードを兼ね備えた申し分のないファイト、そして食通をも唸らせる抜群の食味。
釣りのターゲットとしては、いずれ劣らぬ超スーパースターである。
見た目もよく似た3種だが、カンパチやヒラマサが世界中の温帯から亜熱帯域に分布するのに比べ、ブリは沖縄を除く日本各地と朝鮮半島にしかいない。
ほぼ日本特産といっていいほど純和風の魚なのだ。
成長とともに呼び名が変わる出世魚として知られ、関東では20㎝前後をワカシ(1㎏未満)、30㎝前後をイナダ(1~2㎏)、60㎝前後をワラサ(3~6㎏)、80㎝を超えるとブリ(7㎏以上)と呼び、関西では同様にツバス→ハマチ→メジロ→ブリと変わり、最大で20㎏になる。
この2通りが主流だが、地方によってそれぞれ独自の呼称があるので、ブリの地方名は全部で100種類近くになるという。
産卵期は冬の終わりから晩春にかけて。
主に九州や四国の沖で産み出された卵は2日ほどで孵化する。
最初は海面近くをバラバラに泳いでいるが、1㎝くらいに成長すると海面に漂うホンダワラなどの海藻の下に集合し、ここを生活の場とするようになる。
モジャコと呼ばれるこの稚魚は、黄色の地に赤褐色の横縞が10本ほど走り、親とはずいぶん見た目が異なる。
3年で60㎝に成長
モジャコはその後、海藻とともに黒潮や対馬暖流に乗って日本列島を北上しながら成長を続ける。
10㎝くらいになると背中に青みがかり、ようやくブリらしくなる。
ワカシクラスになると次第に海藻から離れて内湾や沿岸で群れをなして大きくなり、イナダ級になると沖合へ出て回遊生活に入る。
1年で体長25~30㎝、3年で体長約60㎝、体重3㎏に成長するとされている。
主食は魚類のほかイカ、タコ、エビ類など。
春から夏はエサを求めて南から北へ、秋から冬は産卵のために南の海に戻るのが3年魚以上の生活パターンだ。
北陸地方で有名な冬の寒ブリ漁は、北の海でエサをたらふく食べて丸まると太った魚が、産卵のために南下する途中を定置網で狙うもの。
たっぷりと脂が乗り、刺身の味は文句なく極上。
ブリの漁場というと、どうしても日本海のイメージが強いが、かつては相模湾の小田原周辺でも大漁に沸き、昭和のピーク時には6カ所の定置網で計60万本ものブリが揚がったという。
その後はいったん減少したものの、近年ブリの漁獲量は回復基調にあり、関東周辺では相模湾~東伊豆を中心に晩秋ごろから釣れ始め、遊漁船では冬の青物の横綱として頂点に立つ。
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隔週刊つり情報(2019年12月15日号)※無断複製・転載禁止