「僕が若かりしころの海」とはずいぶんと変わった。
とくにここ数年の変化はすごい。
東京湾ではアイナメが激減、メバルも以前と比べパッとしない。
逆にアジやクロダイ、タチウオなどは個体数が増えている。
昔はタチウオ自体そんなに釣れなかったのに、それがここ何年もの間釣れまくっている。
タチウオのように、釣って面白く食べておいしい魚が増えるのはもちろん大歓迎だ。
というわけで、銀色に輝く極上食材をゲットしに10月1日、三浦半島新安浦港の義和丸へと車を走らせた。
東京湾のタチウオは10月後半も大いに期待できそうだ
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その都度アナウンスされる指示ダナを聞き逃さないように
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前半はテンヤが優勢
義和丸は古くからタチウオ釣りを看板にしている老舗の船宿だ。
東京湾のタチウオ釣りの鉄板釣り場である猿島~観音崎沖が目と鼻の先という地の利もある。
6時過ぎに港に到着。
義和丸のタチウオ船はショート乗合で、この日は右舷がテンヤ釣り、左舷がテンビン釣りと釣り座が指定されていた。
義和丸ではテンヤ釣りはPE2号テンヤ50号、テンビン釣りはPE2号オモリ80号に統一している。
当日の操船は親方の甥っ子にあたる村上優輝船長で、まだ21歳の跡継ぎ船長だ。
お付き合いのある走水の船宿でも若い跡継ぎがデビューしており、僕の世代の釣り人にとっては孫のような年回りということになるのだが、若い船長は見ていて応援したくなる。
左舷(テンビン)7名、右舷(テンヤ)7名を乗せ、定刻の7時15分に出船。
僕は無難にテンビン釣りをチョイスし、左舷胴の間に入ることにした。
港を出て右に舵を取り10分ほど走ると、あっという間にポイントの大津沖へ到着。
海上は北風が強く、海はやや荒れ気味。
しばらく反応を探してからスタートとなる。
水深は50mで、指示ダナは35~45mとのこと。
スタート早々の1投目、右舷ミヨシの四栗さんの竿が曲がった。
巻き上げてくると、メーターオーバーはありそうなタチウオがテンヤに掛かっていた。
四栗さんは義和丸の常連だが、「いやあ、いきなりきたから俺もビックリしたよ」と驚いた様子だった。
しばらくはカメラを手にして様子を見ていたが、右舷のテンヤ釣りの人は結構な確率でエサをボロボロにされているのに対し、左舷のテンビン釣りはアタリもないようだ。
続いて竿が曲がったのは右舷大ドモで、110cm指幅5本サイズの良型だった。
それから少しして良型を抜き上げたのは、右舷胴の間に座った平林さん。
親子で竿を出していたが、船上で同姓の方とご一緒するのは初めてなので、なんとなくうれしい。
そんな感じでポツポツ釣れるが、掛かるのはテンヤばかりで、テンビン釣りのほうは沈黙といった状況。
タチウオ釣りは、いつどのように様子が変わるか分からない。
群れがサッと消えたり突然現れるのは当たり前で、過去にもずいぶんと悩まされたものだ。
テンビン釣りも順調に
8時ごろ、左舷胴の間で竿を出す常連氏が90cmのタチウオを抜き上げ、テンビン釣りの船中1号がようやく上がった。
じゃあ僕も・・・と竿を出す。
このときの指示ダナは37~40m。
リールのハンドル半回転の誘いで、止めの時間をやや多めにして様子を見る。
それから30分ほどやって一度アタリがあったが、8時半前に37m付近のタナでようやくヒット!
気持ちのよい引きを楽しみつつ抜き上げたのは80cmほどの本命。
テンビン釣りでの船中2号をゲットすると、左舷ミヨシ、左舷トモで立て続けに同サイズが上がった。
右舷のテンヤ釣りの人はエサをかじられるだけでなかなかハリ掛かりしない。
逆にテンビン釣りの調子が上がってきたようで、僕も再び同サイズの2本目をゲット。
9時過ぎからはさらにアタリが多発。
沼尻さんは、左舷ミヨシで電動ズル巻きシャクリで誘いながら釣っていたのだが、これが面白いように掛かる。
カメラを手にして観察しながら沼尻さんに話しかけると、「いつもこんな感じの釣りをしているけど、リールのズル巻き速度もその日によって変わる。パターンが合うと、面白いように釣れるんですよ」とのこと。
ちなみに僕が観察したところでは、超スローの巻き取り速度。
水平にシャクった竿を下げるときに、フッ・・・とテンションを抜いて糸がフケる感じに誘っていた。
さっそく釣り座に戻って試したら2本釣れたが続かない。
沼尻さんと同じパターンで誘っても、圧倒的に沼尻さんが釣るペースが上だ。
まあ、そりゃあそうでしょうということで従来の慣れた誘い方に戻すことにした。
船は大津沖から走水沖を移動して、転々と反応を探る。
船の数は多いが、超接近して団子状になるほどではないので、好反応がドーンと出ている感じではないのかも。
それでもポツポツとタチウオをゲットできたが、アタリがあってもなかなか食い込んでくれずイライラする時間も続いた。
納竿の1時までそんな調子で釣れ続けて、僕はなんとか10本。
左の常連氏は12本、テンビン釣りの釣果は一人2~20本。
電動ズル巻きシャクリの沼尻さんが竿頭だった。
テンヤ釣りは一人4~10本。
右舷大ドモの常連氏が10本で、120cmクラスも交じっていた。
平均釣果は4~5本といった感じだろうか?
潮の状態で釣果に若干のムラはあるものの、おおむね魚影は濃く安定しているので、引き続き十分楽しめるだろう。
知っ得!タチウオの焼肉タレ漬け
ずいぶんと前に亡くなられた三浦半島走水港・勝洋丸の船長に教えてもらったのが焼肉のタレ漬けだ。
三枚におろした身を細く切って市販の焼肉のタレに漬け込むだけ。
冷蔵庫で数日寝かせるとおいしくなり、日持ちもするのでとってもおすすめだ。
タチウオは釣り味はもちろん食味も魅力
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Tackle Guide
基本的には1本バリ仕掛けがおすすめ。
1本バリのほうがエサの動きもよいためアピール力も強い。
昔のように魚影が少ないころは2本バリ仕掛けも有効だったが、魚影が濃い現在は1本バリ仕掛けで効率よく誘うのがよいと思う。
当日のタチウオ仕掛け
テンビン、テンヤともに取り込みはハリスをつかんで抜き上げる
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隔週刊つり情報(2022年11月1日号)※無断複製・転載禁止