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飯岡沖のショウサイフグは特大の期待高まる好シーズン突入(幸丸/九十九里飯岡港)

隔週刊つり情報編集部

アタリもないのに仕掛けを上げてみるとエサはスッテンテン。

「くっそぉー」と腹が立つのはエサを見事に失敬した相手に対してではなく、アタリを察知できなかったふがいない自分に対してだ。
 
そんなエサ取り名人の正体はショウサイフグ。

ホバリングしながら音もなく忍び寄ってエサを食い尽くしてしまうのを得意技としている。
 
フグは良型になるほどエサ取りがうまくなる傾向があり、まるで忍者だ。
 
もちろんこちらも黙ってエサを取られてばかりというわけにはいかない。

あの手この手を駆使してアタリを出して掛けてやろうと真剣だ。
 
取るか掛けるか。そんな駆け引きが楽しい難敵ショウサイフグと対決すべく、5月28日に九十九里飯岡の幸丸へ出かけてきた。
 
外房~茨城のフグ釣りではアオヤギエサが定番だが、このところアオヤギが不漁のため入手困難な状態が続いているとのこと。
 
幸丸でも1パックはアオヤギが付くが追加のエサはアルゼンチンアカエビとなっており、アオヤギエサは宿の在庫がなくなり次第終了となるらしい。
 
そこで今回、私は以前から試したかったエサを持ち込んでみることにした。

船の写真

釣り場は飯岡沖。水深15~20m前後の浅場を狙っている

タイム釣りの注意点

船宿で受付を済ませた後に船着き場に向かう。

フグ担当の実川船長が準備をしていたのであいさつすると、「今日は取材になるかどうか分からないよ」と先制パンチを食らってしまった。

「えっ?一昨日の釣果は13~31尾となっていましたが」と私が言うと、「昨日の大雨で川からの濁りと、まだかなりウネリが残っているからなぁ」と渋い顔。
 
釣果を左右する要因としては、潮の流れ具合、水色、水温変化、ウネリ、底荒れなどがあるが、泳ぎがあまりうまくないショウサイフグはウネリが強いと砂の中や根の隙間に潜ってしまい釣れなくなってしまう。
 
4時半に私を含めた6名で出船。

湾口を出た途端に昨日通り過ぎた低気圧の影響で、ウネリが次つぎに押し寄せてくる。

船はゆっくりと航行し普段なら30分で着く飯岡沖のポイントに50分ほどかけて到着する。

「水深は15m。若干根があるので注意してください」と船長から開始の合図が出た。
 
風もなく、潮もさほど速くはないが、いかんせんウネリが高いので仕掛けを海底で安定させるのも一苦労。

それでも皆さん、アタリをとらえようと穂先に神経を集中する。
 
しかしフグからのアタリはなく、巻き上げるとエサはそのまま残ってきた。
 
ちなみにフグの釣り方の一つに、5~10秒に一回シャクリを繰り返すタイム釣りがあるが、注意点はフグを散らす原因にもなるのであまり速く強くシャクリすぎないことだ。

実川船長も、「タイム釣りは空合わせで掛けるものと勘違いしている人もいるみたいですが、あくまでもフグを寄せる誘いの動作の一つです。タイム釣りにこだわりすぎると集中力が薄れて釣りが雑になってしまい、アタリがきても合わせのタイミングが遅れる傾向があります。おすすめするのは、ゆっくりとした誘いでエサの存在をフグにアピールし、常に神経をとがらせておいてアタリがきたらすぐに合わせられる態勢をとっておくことです」
 
加えて、着底したら張らず緩めずのゼロテンションにすると、よりアタリをとらえやすいとのこと。

釣行の写真

釣り方の基本はゼロテンと誘いを兼ねた空合わせを一定のペースで繰り返す

全員にアタリ!

最初の場所で20分ほど粘ったが、型が出ないことから、少しでも底荒れの少ないと思われる水深20mに移動。
 
左舷が何やら騒がしいので駆け付けてみると、胴の間の山下さんが4kg級のヒラメを上げていた。
 
しかし、このポイントでも肝心のフグからのラブコールがないため、一昨日に好釣果が出た水深12mの浅場へ移動となる。
 
すると1投目に右舷ミヨシの北村さんが25cmのショウサイフグを掛けたものの後が続かない。
 
再取材を覚悟したが、せめ持ち込んだエサの実証実験はしたいものだ。

そこで左舷ミヨシの戸川さんに、「これを付けてみてくれませんか」と私が手渡したのはカキ。

塩で締めたものだが、それでも軟らかいのでアオヤギの間にサンドイッチにして付けてもらった。
 
すると投入直後にククッときて20cmのショウサイフグが掛かってきた。

その後、カキエサは食われるもののフッキングには至らずエサ切れ。

効果は分からないまま実験終了となった。
 
残り時間も1時間となり、アオヤギをエサ付けした仕掛けの写真を撮ったついでに仕掛けを投入してみた。
 
すると1投目に25cm、2投目に28cmのショウサイフグが釣れ上がり、3投目には15cmのカサゴがヒットしてきた。

「あれっ? いるじゃないの?」と再び投入するとコツンとアタリ。

間髪入れずに合わせを入れると、ズドンと重たい手応えと強烈な引き込みが襲ってきた。

「まさかヒラメか?」と慎重に巻き上げているとギュギューンと横走り。

それを見た船長の、「鈴木さん、それはサメだなっ」という言葉にテンションはダダ下がり。

しかし、釣れ上がったのは40cmのショウサイフグだった。
 
私一人だけこの好調さはいったい何だろうか? 

皆さんと違うのは集魚アイテムを付けている点。

船長は誘い方がマッチしているのかもと言うが、定かではない。
 
私はこの1尾で竿を置く。

次第にウネリが収まってくると、ようやく各所でフグが掛かり始めたが、無情にも沖揚がりの時間を迎えてしまった。
 
当日はウネリの影響をまともに受けて、釣果は0~3尾と大不調に終わったものの、これから産卵に向けてフグが群れる季節になるので、期待はまだできるはずだ。

釣り人の写真

丸まると膨らんで上がってきた30cm

釣り人の写真

チラシバリ仕掛けを使う人も

釣行の写真

食いが立ったらテンポよく釣ろう

釣り人の写真

この位置に掛かれば合わせのタイミングはバッチリ

釣り人の写真

エサを取られる前に掛けられればベスト

知っ得!濁り潮には集魚アイテム

濁り潮には集魚アイテムをおすすめ。

当日の私の仕掛けにはカワハギ用の「花火」と25㎜のグリーンのケミホタルを装着。

これでカサゴを含めて4連続ヒットとなった。

仕掛けの写真

ケミホタルなどは常にバッグに忍ばせておこう

Tackle Guide

竿はカットウフグ用がベストだが、胴がしっかりして穂先が敏感なカワハギ竿も流用可能だ。

カットウバリは根掛かりの多いポイントでは一段式がトラブルも少なく、結果的に釣果をのばせる。

当日のショウサイフグ仕掛け

隔週刊つり情報(2022年7月1日号)※無断複製・転載禁止

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