初夏の清々しい日差しが海へといざなう、沖釣り入門に最適なシーズンがやってきた。
海の中も同様で、潮が温むこれからは魚の活性は上がる一方。
東京湾の沖釣り入門ターゲットとして人気のライトアジも釣果が安定してきて、金色の魚体もピッカピカに輝きが増している。
そういえば最近アジを食べていないな~と思い、船宿のホームページを物色していると編集部から、「明日取材に行けませんか?」とライトアジの依頼がきた。
ビンゴ!世間でいうところの渡りに船であろうか。
4月中旬に出かけたのは東京湾奥深川の冨士見である。
同宿は江戸時代から続く老舗で、ハゼとシロギスが2大看板。
ライトアジはリクエスト乗合だが、平日でも3名から出船するので人気が高い。
午前6時ごろに船着き場に着くとマーちゃんこと斎藤正雄船長が出船の準備中。
あいさつをして状況を聞くと、「調子が上がってきたね。今日は常連のお客さん3人だから数より大型狙いでいくよ」とのっけからやる気満々だ。
狙いどおりの良型ぞろい
当日は予約のお客さんが全員そろったとのことで、定刻の7時20分より少し早めに河岸払いとなった。
高層ビルが立ち並ぶ下町の運河を抜け、良型アジを求めて目指すは木更津沖。
木更津沖は小型の数が出る釣り場という印象をお持ちの方もいるかもしれないが、季節やポイントによっては良型のおいしいアジが釣れるのである。
以前、内房金谷の船長からアジの本場は木更津沖だよ、と聞いたことがある。
なんでも昔はコマセにアサリを細かく刻んだものを使用していたこともあるそうだ。
釣り場に到着すると、すでに湾奥のアジ船が数隻浮かんでいて釣りの真っ最中。
時折銀鱗が光って見えているが、マーちゃんいわく、「ボチボチ釣れているのが確認できるなら、その船はバリバリに釣れているよ」とのこと。
今日は期待できそうな雰囲気である。
さっそく本船も仲間に入れてもらい、アンカーを投入してカカリ釣りで開始となった。
水深は20m前後、タナは底から2m。
「最初はコマセを一杯まかないとアジが寄らないよ~」とマーちゃんが声をかける。
この日のアジはご機嫌がよかったようで1投目から姿を見せた。
しかも丸まるとして肉厚の25cm級とサイズも申し分ない。
続いて同じ人に33cmの大型がヒット。
幅広で太っているから見た目以上に大きく見える。
もちろん黄金色に輝いておいしそうである。
入れ食いではないが、しっかりコマセをまいてタナを取ば投入ごとにアタリはくるようだ。
今日は昼過ぎまで上げ潮だから勢いは止まらないだろう、と早くも皮算用である。
単発でもどんどん数がのびていく釣れっぷりだが、「そんなにうまくはいかないよ。パタッと釣れなくなることもあるから、早く写真撮って釣りなよ」とマーちゃん。
お客さん3人と非番で仲乗りの手伝いに来た船長2人の写真を撮ったところで私も釣りに参加させていただいた。
私の道具はレンタルタックルだが、同宿の貸し竿はしっかり手入れされているので使いやすい。
沖釣り入門者はレンタルタックルが手軽でおすすめだ。
ビル街を見上げながら運河を下り海へ出る。
出典:
(左)釣り場は木更津沖20mダチ。(右上)コマセカゴはオモリ40号、 船宿仕掛けはハリス1.5号1.7mの2本バリ。(右下)コマセはイワシミンチ、付けエサはアカタンが配られる。
出典:
置き竿が効く!?
コマセカゴにコマセを詰めて投入し、指示ダナでコマセを振って待っているとほどなくアタリ。
久しぶりのアジ釣りでバラさないよう慎重に巻き上げる。
抜き上げたのは20cm弱と周りに比べてちょっと小ぶり。
続いて小さめのカサゴが釣れたが、ほかの方に比べ盛り上がりに欠ける。
ところが「ダブルできたよ~」とか「大きいのがきたよ~」と声がかかり、置き竿にして画撮りに行って自席に戻ると、なんとダブル、それも置き竿のたびに連発。
しかもサイズは25cm前後がほとんどで、小さくても20cmはある。
それが4度、5度と続いて、これには私も苦笑い。
アッという間にお土産を確保したが、ここで竿を収める理由もなく、すでに画撮りもほとんど終わっているので釣りに専念することにした。
コマセをまいて指示ダナで待っていると、竿先に大きなアタリがきてグイグイ引き込まれる。
アジは食味だけでなく引きの強さも魅力の一つ。
とくに上バリに掛かると一段と引きが強い。
仲乗り役の船長たちも合間に釣りをして晩酌のおかずをゲット。
東京湾の黄金色に輝くアジは船長の大好物である。
食い止まりを懸念したが、上げ潮が効いてアジの活性は高いようだ。
その後は単発が続いたが型がよいからノープロブレム!
サイズがよすぎて海面での口切れバラシもチラホラあるが、これはアジ釣りではよくあること。
1尾ずつタモ取りするもよし、水深が浅いからバラシを気にせず手返しよく釣るもよし。
この日は後者の方が多かったようだ。
昼ごろから風とウネリが出てくるとアタリが少し遠くなったが、少しタナを下げてコマセをまきつつ誘いをかけると食ってきた。
結局、風が強まり釣果も十分ということで、定刻の午後2時少し前に沖揚がりすることになった。
当日は一度も移動なしでそこそこ釣れ続き、釣果は17~33cmを一人18~43尾。
スソの方はひとしきりアジを釣った後、アジを泳がせてハモノのヒラメ狙いに専念していたようだ。
ちなみに私も31尾をゲットして久しぶりのアジ釣りを堪能。
夕食は刺身にたたき、フライと釣りたてのアジをおいしくいただいた。
まさに旬を迎えた東京湾のアジ。
大型連休にぜひ!
1分ほど待ってアタリがなければ仕掛けを入れ替え、コマセを効かせて船下にアジを寄せる。
出典:
(左)時合がくるとタナに合わせた途端に食ってくる。(右)抜き上げが基本ながら良型はタモで取り込もう。
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(左)25~28cm級が当日のアベレージサイズ。(右)エサが豊富な東京湾でスクスク育った居着きのアジは食味も最高。
出典:
当日最大33cm。冨士見のライトアジ船は3名から出船。
出典:
知っ得!ライトアジのコツ
「通常はタナに合わせてコマセを振って待っていればOK。アタリが遠いときは、指示ダナの下から2~3回に分けてコマセをまいて、軽く竿を上下に動かして誘いをかけると食ってくるよ」とは船長のアドバイス。
Tackle Guide
竿は全長1.8m前後の専用竿のほか、オモリ40号に対応したゲームロッドでOK。
仕掛けは2本バリがトラブルも少なくおすすめ。
船宿仕掛けはハリス1.5号だが、食いがいいときは2号がおすすめ。
船で支給される付けエサはアカタンで、アオイソメは持参となる。
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【隔週刊つり情報(2022年5月15日号)※無断複製・転載禁止】