2月23日、東伊豆宇佐美港の直正丸へ。
当日は午前船でアカムツ、午後はオニカサゴという人気根魚のダブルヘッダー。
毎度このパターンで出船しているわけではない。
伊豆方面では多くの船が予約制なので、最初に予約を入れた人の希望で釣り物が決まる。
各種根魚狙いを得意とする直正丸では、この2魚種の出船確率が高いものの、アマダイや時期によってはコマセ釣りもレパートリーに入るので、釣行に際しては船宿のホームページなどで予定を確認する必要がある。
集合は5時半。
準備が整った5時50分に2人のお客さんとともに、島田正則船長の操船で出船となる。
オニカサゴの釣り場は川奈~富戸沖の水深160m前後
出典:
熱海沖に到着
このところ吹き荒れていた西風も収まり、ベタナギの海を30分ほど北上して、熱海沖に到着する。
海岸線からの距離はわずか2kgほどだが、急深な地形のため水深は270~280mもある。
6時半、「オモリが底に着いたら3~4m上げて」のアナウンスで釣り開始となる。
仕掛けは胴つき3本バリ。
捨て糸はなく、下バリの親子サルカンにダブルスナップサルカンで200号のオモリを装着するスタイル。
潮が緩いときは全長3mの片テン仕掛けを使うこともある。
エサはサバの切り身が支給される。
定番のホタルイカは持参するか、予約時に注文しておくと別料金で用意してくれる。
1投目は空振り。
どうも潮が動いていないようだ。
潮が動かないのはどの釣りでも悪条件だが、根魚狙いでは致命的といえる。
それでも1流し20分くらいのテンポで投入を繰り返していると、約1時間後に右ミヨシでアタリがきて、30cm級のクロムツが上がる。
この魚は群れているので、場所に当たるとパタパタと続く傾向がある。
5分後、私も一荷で釣ることができた。
8時40分、右トモで久しぶりのアタリ。
浮上したのは本命のアカムツ。
30cm弱の小型ではあったが、ともかくこれが船中第1号。
さあこれからと期待するが、その後はクロムツやシロムツがポツポツと姿を見せるのみで、残念ながら11時に沖揚がりとなる。
アカムツの釣り場は熱海沖の水深270m前後。海岸線からの距離はわずか2km
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断続的に引き込めば本命の可能性大
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午前船はクロムツも上がった
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午後船は好転
午後の部は2名のお客さんを加え、総勢5人で12時に出船となる。
今度は30分ほど南下して富戸沖に到着。
水深は約160m。
仕掛けは片テン2~3本バリでオモリは150号。
エサはサバの切り身。
仕掛け着底後、タナを取り直すたびに5mほど道糸が出ていく。
これは、海底が急激な斜面であると同時に、朝と違って潮が速すぎるくらい効いているせいだ。
1投目は空振り。小さく移動して投入を続けていると、まず右トモでアタリがあり、まずまずサイズのアヤメカサゴが上がる。
続けて、右胴の間で35cm級のカンコ。
さらに5分後、左ミヨシで豪快に抜き上げたのは大型のオニカサゴ。
計ってみると1.7kg。
昨今、近場でこのサイズはなかなか珍しい。
いい条件が整ったのだろう、ここで私の竿先もコクンコクンとお辞儀を始めた。
竿を起こして合わせを入れ、巻き上げを始めると、けっこうな重量感を伝えている。
宙層まで上げてもグイグイと引き込むところを見ると、水圧の変化に強いオニカサゴの可能性が高い。
海面下にオモリがボワッと見え、テンビンを手に取ると、オレンジの塊が浮いた。
レギュラーサイズながらも、やはり本命のオニカサゴだ。
ところが、ハリスをつかんで抜き上げに入った途端、ポロッとハリが外れて、オニカサゴは潜っていってしまった。
「ハリが小さいんじゃないか、これ使ってみな」と船長お手製の仕掛けを渡される。
一般的な2本バリ仕様だが、先バリは蛍光ピンク、枝バリは金。
チモトには大きめの夜光玉が装着されている。
なんでも金バリがマイブームのようで、「オニカサゴには効くような気がする」とのこと。
好調の流れはまだ続いていたらしく、右トモでは30cm級のカンコ(ウッカリカサゴ)と1kg級のオニカサゴを連発で取り込んだ。
しかし、その後はアタリが遠くなり、空振りが目立つようになってきた。
当日のアカムツは30cm弱にとどまったが、40cm級も顔を出す
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オニカサゴは1kg級がアベレージ
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良型ラッシュ!
14時45分、船長は富戸沖に見切りをつけ、しばらく北上。
川奈沖まで移動する。
再開して30分後、またもいい流れがきてまず右胴の間、続いて右トモ、そして右ミヨシと連続でオニカサゴが浮上。
さらに20分後、右ミヨシ、また20分後に右トモで本命が上がる。
サイズは0.7~1kg級が主体と良型ぞろい。
結局、16時半に沖揚がりとなり、釣果は0.5~1.7kgのオニカサゴが船中8尾。
ほかカンコ、アヤメカサゴ、ムシガレイなどが交じった。
トップは右トモの方。
置き竿横着釣法の私などとは違い、ほぼ手持ちで丹念に誘い続けた努力が実を結んだ結果となった。
アカムツ、オニカサゴとも潮次第ではあるものの、天候と条件に恵まれれば、きっと満足できる釣果を手にすることができるだろう。
この方は午前、午後船と乗り継ぎともに本命獲得
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知っ得!クロシビカマスのさばき方
午前の部で釣れたクロシビカマス。
スミヤキ、サビ、ナワキリなどとも呼ばれるクロタチカマス科の魚だ。
鋭い歯を持ち、ハリスはもちろん時には道糸まで切るため、嫌われることが多いが、アカムツを彷彿させるほど脂が乗って味はいい。
ただ、普通の魚と違って皮裏にびっしりと骨が張りついているので、通常におろすと骨が当たる。
ハモのように骨切りして塩焼きにするか、三枚におろしてからスプーンで身をかき出し「たたき」や
「なめろう」などにするといい。
ハリを外すときは鋭い歯に注意
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Tackle Guide
水中ライトのほか、金や蛍光カラーのハリ、夜光玉、半割りのタコベイトなど、オニカサゴ釣りではアピールアイテムがよく使われる。
ただ、条件次第では外道を寄せる悪影響もあるので、スムーズに脱着できるようにしておくといい。
当日のタックル
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隔週刊つり情報(2022年4月1日号)※無断複製・転載禁止