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東京湾の伝統釣法・テンヤスミイカを学ぶ!タックルや釣りのコツを徹底解説!(根岸丸/神奈川県磯子港)

隔週刊つり情報編集部

テンヤスミイカ~今こそ見直す面白さ~

過去には相模湾で乗合船が出たこともあったが、現在スミイカを専門に狙うことができるのは東京湾だけ。

例年10月前後から始まり、翌年3月上旬ごろまでがシーズンになる。
 
スミイカの釣り方はアオリイカのように中オモリを使う餌木釣り(胴つき仕掛けにスッテを使う釣りも含む)と、シャコを縛ったテンヤで釣るテンヤスミイカの2通り。

以前はスミイカといえばテンヤの釣りと決まっていたが、20年ほど前に餌木の釣りが登場してからは、釣り方を区別する上で「餌木スミイカ」「テンヤスミイカ」と表記するようになった。
 
そのスミイカ、シーズン初期は中ノ瀬や木更津沖など水深20m以内の浅場がポイント。

その後、年明け前後から少しずつ釣り場が南下、海堡周り、竹岡~大貫沖、観音崎沖、久里浜~下浦沖などを狙うようになる。

それとともにポイントの水深も30~40m、50~60mと深くなり、年によっては70~80mくらいまで狙うこともある。
 
餌木スミイカは中オモリ8~10号と軽いので、水深20m以内を狙うシーズン初期の釣りになる。

深場では釣りづらくなるため、例年12月一杯で乗合船は終了する。
 
一方、テンヤのスミイカはオモリ20~25号なので深場も攻められ、年明け以降のスミイカはテンヤ一色になる。

今シーズンは早めに深場へ

例年、10月に入ってからスタートしていたテンヤのスミイカだが、ここ数年はエサのシャコの入手が難しくなっていることもあるのか、今年は11月から本格スタートする船が多かった。
 
今回取材した東京湾奥磯子の根岸丸は、さらに遅れて12月からのスタート。

釣行した12月21日は5回目の出船とのことだった。
 
直近の模様はトップで6~7杯という日が多くスミイカとしては苦戦気味だったのだが、ちょうど二日前からトップで10杯以上と急上昇。

そんなこともあってかこの日も13名と大盛況。

午前7時過ぎに新井清司船長の操船で出船となった。
 
今シーズンのスミイカが例年とちょっと違うのは、早めに釣り場が南下していること。

例年なら年明けごろから狙うポイントで、12月早々から釣り始めている。

根岸丸でもこれまでの出船で大貫~久里浜沖を狙っていたそうだ。
 
この日は「まずは近い場所からやっていく」とのことで、40分ほど走って到着したのは大貫沖30mダチ。

ここでは開始早々に左ミヨシ2番で400g級のまずまずサイズがテンヤに乗ってきた。

これはいいぞと思ったが、後が続かない。
 
次に乗りがあったのは1時間後、右ミヨシ、左胴の間、トモ2番と3連発。

スミイカは一定の場所にある程度固まっているようで、釣れるときは船中連続ヒットするが、釣れないときにはシャクろうが何しようがうんともすんとも言わない。

釣りの技術はもちろんあるが、それ以上に船長のポイント選びが釣果を左右する面もある。
 
スミイカの大ベテラン船頭である新井船長ですら思うようにいかないことは日常茶飯事で、「船1隻分ずらすからちょっと上げて」「違う場所に行ってみる」と、あの手この手を尽くす。

そして釣り人はその思いに応えるため、ひたすらシャクリを繰り返す。

釣り人の写真

テンヤのスミイカが一番面白い時期に突入した

船の写真

テンヤスミイカ乗合を出す船はあまり多くない。隔週刊つり情報船宿データベース加入の船宿では根岸丸のほか鶴見の新明丸、小柴の三喜丸、金沢八景の一之瀬丸の4軒。仕立は金沢漁港の久保弘丸が受け付けてくれる

スミイカタックルについて

テンヤスミイカ用の竿は柔軟な穂先と強い張りを持つ胴、カウンターバランスでシャクリやすいよう全長2.1~2.4mで、バットエンドが長めに設計されているのが特徴。

あえてほかの竿を流用するなら同様の調子のカワハギ竿やヤリイカ竿になるが、初めてなら貸し道具を利用したほうが無難。
 
リールは遠投するなら中型スピニングでもいいが、扱いやすさでは小型の両軸に分がある。

巻いておく道糸はPE1.5号の人が多い。

4号以上の太糸は潮受けしてオマツリしやすいので避けたほうがいい。

潮切れを考慮して1号以下の細糸を使う人もいる。

ちなみに以前根岸発行人のコラムで0.8号や1号の道糸でシャクったらプツプツ切れてしまったとあるが、それは単に道糸のメンテナンスが悪かっただけ。

シャクリで高切れが頻発するようではシャクリ方も強すぎる。

テンヤは深場を中心に狙うこれからの時期は船により20~25号を使う。

スッテを付けるかどうかは好みだが、付ける人は多い。

釣行の写真

数は少ないながらメーカー品の専用竿も発売されている

幹糸の写真

幹糸はテンヤとスッテが重ならない長さにするのがコツ

竿の写真

当日は2.1mの専用竿にアナゴで使っているリールを使用

テンヤスミイカ基本タックル

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思うように釣れないから面白い

スミイカの釣り方は①テンヤを海底で静止させて5~10秒ほど待ち、②40~50cmシャクリ上げ、③テンヤの重さを竿先に感じながらゆっくり下ろしていき再び海底で静止させる、この繰り返しが基本になる。
 
①で待っているときは、テンヤが船のアップダウンなどで動かないように竿先を斜め上へ構え、軽く糸フケを出しておくことがコツになる。

テンヤが海底でコトコト動いていると、スミイカが警戒して乗ってこないとされる。
 
②のシャクリは、力一杯やる必要はない。

スイッとテンヤを軽く持ち上げるようなイメージでいいが、水深が深い場合は気持ち強めにシャクるなど微調整する。

このシャクリは合わせを兼ねており、シャクったときに竿先がググッと押さえ込まれたらイカが乗っているのでそのまま竿を立てていきリールで巻き合わせる。
 
テンヤのスミイカ釣りは、釣り姿を見ているとある程度その人の技量が分かる。

経験を積んだベテランは、シャクリのフォームが様になっているからだ。

この日はスミイカ歴の長いベテランぞろいだったが、中でも左ミヨシの方はこれぞお手本というきれいなシャクリ方をしている。
 
聞けばテンヤから自作してしまうほどのマニアなのだが、その氏にあっても開幕時に釣行したときは2杯しか釣れなかったという。

いくら経験を積んでも思うようにいかないのは船長と同じで、だからこそ船長も釣り人もテンヤのスミイカに熱くなるのだろう。

釣行の写真

この日はほとんどの人がスッテを付けていたが、見ている限りテンヤに乗る割合が多かった

テンヤスミイカのシャクリ方と海中イメージ

釣り方の写真

①テンヤが着底したら竿を10時くらいに構えて軽く糸フケを出して待つ②テンヤが浮かないように竿で操作しながら5~10秒待ったら・・・③スッと軽く40~50cmほどシャクリ上げる

釣れないときこそ攻めの釣り

その後もポツリポツリと拾っていき、10時ごろには船中半分くらいの人が型を見ることができた。

とりあえず今日の状況なら頭が5杯になるくらいまで頑張りたいと船長。

10時半ごろには2杯目、3杯目を釣る人が何人か出てきたので、自分もここで道具を下ろしてみると、意外にあっけなくピンクのスッテにスミイカが乗ってきた。
 
やっぱりやってることは間違ってないんだと船長に確認してみると、基本はそれでいいんだけど、釣れないときに同じことを繰り返してもやっぱり釣れない。

そんなときは「攻めの釣り」をしてみるといいとアドバイスしてくれた。
 
攻めの釣り? 

「今は道具がよくなってるからね」と船長が見せてくれたのはオモリ部分が変則的な扁平になっているテンヤ。

こうしたテンヤは左右にスイングしながら落ちるから、ゆっくり下ろすのではなく、スッと竿先を下げてフリーフォールさせたほうがいいのだとか。

見ている限り、そんな釣り方をしている人のほうがよく釣っている気がするとアドバイスしてくれた。

なるほどねぇ。

確かにスミイカ釣りは目に見えない波のようなリズムがある。

自分のターンがくるまでひたすら耐えるか、自らの手でその波を変えるか・・・人によっても考え方は違うが、釣り方を変えるのは、釣れないときの一つの方法ではあると思う。

攻めの釣り方イメージ

昼を回ると左舷では全員型を見られたものの右舷ではまだ半数の人が釣れていない。

上げ潮への変わり目になって船長は観音崎寄りの深場、40~50mダチに移動を決めた。

しかし乗りのない流しがしばらく続き、船上は静寂に包まれる。
 
やはり好日は3日続かなかったか。

でも写真は撮れたし取材にはなったからよしとするか・・・そんなことを考えつつ半分居眠りしながらシャクっていると突然ズシッときた。
 
あ~ビックリした。

でも、これぞスミイカ釣りのだいご味。

取り込んだのは500g弱の良型で、テンヤに乗っていた。

やっぱりテンヤに乗せるとうれしいよなぁ~。

しかしこのポイントでの後続はなく、午後3時の沖揚がりまで残り1時間を切ったところで船長は27mダチの浅場へ移動を決める。
 
その作戦がズバリ当たって、それまで沈黙していた右舷トモの二人がオデコ脱出、うち一人は連釣である。

スミイカはかなり潮の流れにも左右されるイカで、前半調子よく釣っていた人でも後半はサッパリ、またはその逆も然りで、この日もそんなスミイカならではの展開。

終始コンスタントに釣った左舷胴の間の方と、中盤から追い上げた左舷ミヨシの方が6杯同数で竿頭。

0の人が二人出てしまったが、そのほかは2~3杯の人が多かった。
 
本格期を迎えるスミイカは本来、それほど数釣れるものではないが、いい日に当たればトップでツ抜けも期待できる。

また、日に日にサイズアップしているようで、年末の時点ですでに700gを超えるサイズも交じるようになってきている。

テンヤスミイカの面白さを体感するならまさに今だ。

テンヤの写真

(上)手前が新井船長の自作テンヤ、奥がスティングレータイプと言われるテンヤ(中)テンヤのオモリ形状にも色いろある(下)ベテランさんの自作テンヤ。オモリだけでなく竹串やカンナまで自作しているからすごい

釣り人の写真

当日最大は650gほどだったが、すでに700g超えまでサイズアップしている

スミイカの外し方

スミイカを取り込むときは、まずハリスが回転しないようテンヤまたはオモリをつかむ。

続いて①甲側から目の上をギュッとつかみ墨を吐かせないようにする②ハリを外す③甲を上にしてバケツに静かに置く。

③のときに乱暴に置くと墨噴射を食らうので注意。

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