本格的に寒さが厳しくなり東京湾のタチウオ釣りが冬パターンへと変わり始めた。
浅場でバリバリ釣れていた夏場と違いタナが40~80m前後とやや深くなるが、ヒットしてから取り込むまでのファイトが長く、夏タチ以上に人気を集めているのが冬のタチウオ釣りである。
グイングインと竿をのす強引の連続は魅力たっぷり。
脂も乗って食べてもおいしいのは言うまでもない。
11月14日、タチウオ釣りで定評のある内房富津港の鹿島丸へと出かけた。
同宿はマダコやイイダコ、エビスズキなど伝統の釣り物で知られているが、最近はほぼ周年狙えるタチウオが大看板になっている。
当日は朝の6時までに集合とのことだったので、余裕をもって1時間前に船着き場に到着したが、すでに席取りのクーラーがズラズラと並んで大盛況。
人気のほどがうかがい知れる。
出船準備が済むと順番に乗船となるが、釣り座はきっちりと決められているので慌てることはない。
最後に乗ってもちゃんとスペースが確保されているから初めての方でも安心。
その気遣いも人気を集める理由の一つだろう。
現在は密を避けるため20名までの予約制だが、当日は予報もよく日曜日とあって満席だった。
全員が乗船したところで釣り方などのレクチャーをしてくれるので、初心者はぜひ聞いておくことをオススメする。
1人しかいなくてもノープロブレム!
希望者がいなければ即出船となる。
低水温で元気がない?
夏は港前の浅場からスタートして海堡周りを探ってから観音崎、走水方面へと釣り歩くのが定番コースだが、これからの時期は直接観音崎沖方面を狙うのがパターン。
航程は30分ほど。
到着してから群れを探して少しウロウロしたが、ほどなく反応が見つかり釣り開始となった。
「水深78m前後。多少高低差があります。下から10~15m前後まで誘い上げて」とのアナウンスがあり仕掛けが投入された。
ここのところ好調だったのですぐアタリが出るかと思ったが、船内だれの竿も曲がらない。
3日もシケが続いて水温が下がった影響か、反応があるわりにはタチウオに元気がないようだ。
ひとまず型は見たものの、後が続かずまた群れを探して移動となった。
富津のタチウオ船は出船が早く、釣り場に一番乗りすることが多い。
群れ探しも一からスタートになるが、そこが船長の腕の見せどころだ。
孝夫船長はイケイケの攻めの釣りが信条で、食わなきゃ食い気のある群れを探しまくるから常連さんからの信頼も厚い。
移動中もお客さん同士、「今日は渋いかな?」なんて会話も聞こえてくるが慌てる様子もなく、「そのうち釣れるでしょ」的な感じでドッシリと構えている。
しばらくして、神奈川や東京方面のタチウオ船も集まってきて名物のタチウオ船団ができ始めたが、思ったほど大きくはならない。
目下、湾奥の浅場から観音沖一帯までタチウオの魚影がいたる所に現れていて釣り船が分散しているらしい。
指示ダナは底から10~15m
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仲間と並んで竿を出せば楽しさ倍増
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フラッシャー付きの仕掛けで良型ゲット
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ベテランはマイペースで順調に釣る
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上げ潮で好転
何度か場所変えしていると、ヤル気のある群れに当たったようで船内で取り込む様子が多くなってきた。
コノシロの切り身エサのお代わりも多くなり、時合到来か!?
ちなみにエサのお代わりは船の前後にエサ用クーラーがあり、セルフサービスで持っていくシステム。
鮮度を保つため一度のお持ち帰りは7本以内が同船のルールである。
また鹿島丸の切り身は大きめ(長め)にカットされているので、短いのがお好みの方はハサミなどで切ればよい。
ようやく釣れだしたのはいいが、この時期としては型がやや小さい感じ。
それでもアタリが頻繁になってお客さんのシャクリにも気合が入る。
エサをかじり取られる食い逃げも多くなり、タチウオの活性が上がっているのが分かる。
これから帰りまで上げ潮だから、どんどんよくなるのは間違いないだろう、と思ったのだが・・・快晴、ベタナギ、風もなしの天気予報がちょっと外れて、次第に風が強くなってきた。
ウネリも出て船の揺れもやや大きく、写真を撮るとき油断すると転んじゃうぐらい。
釣りができなくなるほどじゃないのがせめてもの救いだ。
それにタチウオの食いもまだイケる感じ。
10時を過ぎてからの後半戦はアベレージサイズがアップして、メーター級も頻繁に顔を出すようになり、ようやく冬タチらしい雰囲気になってきた。
昼過ぎ、残り1時間のアナウンスとともに船は走水方面へ移動。
朝方は観音崎方面と同じくらいの船団ができていたが、午後は数隻と微妙な数。
釣れているのかいないのか?
時折銀色の魚体が踊っているのが確認できるから悪くはないようだ。
すぐに仲間入りして釣り再開。
水深もタナも観音崎沖とほとんど同じである。
こちらでもすぐ型は見たものの、サイズは先ほどと変わらない。
どうも今日はドラゴンが不在のようだ。
今シーズンは夏の浅い時期からドラゴンサイズが頻繁に顔を出していたから、冬本番に備えて休みを取ったのかもしれない。
結局ここで午後1時の沖揚がりを迎えて納竿となった。
最大は101cmで75~90cm前後がアベレージ。
トップは12本で10本が4名。
スソでも2本、大半の人が5~6本をゲットと皆さんお土産になったようだ。
孝夫船長は、「シケ前はトップで20~30本は釣っていましたから、冷たい潮に慣れればサイズもアップして、またバリバリ釣れだしますよ。冬タチはこれからが本番です」と前向きに話していた。
釣り場が深くなるにつれ、掛けてからの手応えが充実するのが冬タチのいいところ
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5~7本前後の人が多かった
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フィニッシュはハリスをつかんで抜き上げで
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知っ得!初心者は船長のレクチャーを受けるべし!
タチウオ釣りは誘いが大事!
エサ取り名人でもあるのでエサ付けも重要。
初心者の方は船長の出船前レクチャーは必聴。
沖釣り経験者でも久しぶりのタチウオ釣りなら聞いたほうが安心だ。
船長がエサの付け方や釣り方をていねいに教えてくれる
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エサ付けは写真のような縫い刺しに
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鹿島丸のタチウオ仕掛け例
竿はタチウオ専用のほかゲームロッドが人気。
超小型電動リールがお手軽で安心だが、手巻きリールでもOK。
同船は道糸はPE1.5号のルールで仕掛けはテンビン式の1本バリを推奨。
ルアー、テンヤはNGだ。
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隔週刊釣り情報(2021年12月15日号)※無断複製・転載禁止