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[帰ってきた沖釣り探偵(第9回)]オモックの可能性をもっと探れ!大物チャレンジ編

隔週刊つり情報編集部

大成功を収めたオモック初調査以後、探偵Kはオモックのさらなる可能性について、監察官Kと頻繁に会合(←単なる飲み会とも言う)を重ねてきた。
 
アマダイやヒラメみたいな底生魚は釣れないのか? 

カツオやイナダみたいな魚食性の高い魚にはどうなんだ?
 
結局のところ・・・探偵が現場でトコトン試すしかね~べ!!
 
ってことで、取材に出かけたカツオ船でオモックをぶん投げてみるも、釣果はゼロ(撮影の合間にちょっとやっただけ)。

私的にタチウオ釣りへ出かけて終始オモックに没頭するも、結果は下の基本データ#1のとおり。

う~む、経験も実績もまだまだ足りねえなぁ・・・。

ところで、乗合船でオモックを試す場合、ほかの釣り人とのタックルバランスを気にしなくてはならない。

一般的に手に入りやすいナツメオモリの号数に準じて、オレは8~40号までのオモックを量産してある(ナツメオモリは100号まで市販されている)のだが、これを使ってほかの釣り人とたびたびオマツリしてしまうようでは、乗合船での使用は厳しくなる。
 
とすると、ライトタックルを受け入れている船で、かつ、こういった釣り方に理解がある船長の元でないとオモックは試せないし、楽しめない。
 
はて、オモックにアタックしそうなナイスな魚がいて、オモックを存分に楽しめるファンタスティックなフィールドは、関東のどこにあんだべさ?

基本データ #FILE 01・改めて・・・オモックとは?

以前、その可能性を実釣検証したオモック。

ご覧になっていない方もいるはずなので、改めて紹介しておこう。

オモックとは、ナツメオモリに針金を通してアイ(輪)を作り、そこにアシストフックを付けたもの。

これを巧みに動かし、ナツメオモリ特有の動きで魚のバイトを誘う。

エサは付けない。

オモック

(左上)タックルはオモックの号数に合わせて使い分けると釣りやすい(右上)歯が鋭いタチウオ狙いということでオモックの下側にトリプルフックを付けてみた(下)オモリにバイトしてくるので、必然的にこんな感じでフッキングする

私的極秘調査報告・東京湾のタチウオはオモックがお嫌い?

9月某日。

魚食性が高く、オモックに反応しそうなタチウオでの実釣を試みた。

当日は富津沖の浅場を狙い、トップ30本を超えるような好日にもかかわらず、オモックでは5バイト3ヒットと撃沈。

それも好時合の連チャンヒットのみで、苦しくもどかしい釣りを強いられた。

ただ、タチウオがオモックに反応したことは間違いない。

走水沖の深場狙いなど、場面を変えての再挑戦を検討中である。

シャクること4時間、ようやくキタ~ッ!

今回、オレが目を付けたのは外房大原のヒラメ。

当地のヒラメ船はライトタックルを受け入れているし、ヒラメはオモックに食いつきそうなターゲットの一つ。

オモックのさらなる可能性を探るにはピッタリっしょ!?
 
期待に胸を膨らませて挑んだのは、大原港・勇盛丸のヒラメ&マハタ乗合。

オモックのようなゲーム性の高い釣りに理解がある永谷船長のもと、エサ釣りのお客さん二人&監察官Kとともに岩船沖を目指した。
 
この日狙った水深は40~60m。

オレは40号のオモックをセットしたスロージギングタックルと15~25号のオモックをセットしたタイラバタックルを用意。

自作のオモックに祈りを込めて、リフト&フォールやボトムバンピングで果敢に海底を攻める。

釣行の写真

当日は岩船沖の水深40~60m前後をエンジン流しで狙った

「反応を示していますね」と船長がコメントしたとき、深さ約15mまでの範囲で無条件にリールを巻き上げたり、ワンピッチジャークを行い、ジギングのように青物も意識してみた。

この日、最初のヒットを獲得したのは永谷船長で、小型のマハタをゲット。

少し経った後、3㎏級のサワラも上取ることができた。

監察官Kにはイナダ。

トモさんにはマハタ。

ミヨシさんにはヒラメ。

時間が経つにつれて、エサ釣りの皆が何らかの魚に遭遇し、魚が浮かんでいないのは最終的に自分だけとなった。

頑張りたい、オモック!

諦めずに、私!

そして、再びヒットしたのは監察官K。

ゲームロッドを力強く握りしめ、見事に2㎏級の良型ヒラメを上げた。

自分が操作するオモックの周囲にも、間違いなくそのオモックを睨んでいる魚がいるはずだ。

その信念で4時間以上連続して引き続けた。

とうとう15号のオモックに魚が食いついた。

ザコゴンッ!

恐ろしいほどの重さが竿全体に重く冷たく押し付けられ、竿がベース近くまで大きく曲がった。

強く引っ張る力に耐え、少しずつ上げようとしたその時。

嗚呼。

ああっ・・・

絶望の深みのまま、収船時間を迎えた。

釣行の写真

マハタは1㎏前後が主体

釣行の写真

この日は監察官Kが大活躍

釣行の写真

イナダなど青物のアタリは少なかった

釣行の写真

2㎏級のヒラメ。さらに大きそうなアタリもあったが残念ながらハリス切れ

基本データ #FILE 02・勇盛丸のヒラメ釣り

勇盛丸のヒラメ釣りはマハタとの両狙いとなることが多く、主に大原~岩船沖の水深40~100mと、当地としては深場を中心に攻める。

多くの場合、風を船の舷に当てる横流しではなく、帆を立てたエンジン流しで狙う。
 
ポイントの海底はフラットな岩礁帯。

それゆえ、さほど根掛かりはしない。

永谷船長は、一般的な釣り方はもちろんのこと、周囲に迷惑をかけない範囲であれば、色いろな釣り方を受け入れている。

「スピニングタックルで狙う人もいます。シーバスロッドとPE2号を巻いたスピニングリールの組み合わせがいいようです。オモリは15号とかで楽しんでいますよ。イワシの群れが回遊している時期にスロージギングで釣果を上げた人もいます」とのこと。

もちろん、オモックも歓迎!

釣り船の写真

(上)船着き場は大原港脇に新装した「いさばや」のすぐ裏手(中)マハタも普通のヒラメ仕掛けでいい(下)オモリ80号を使ったノーマル、オモリ30~60号を使ったライト、いずれもOKだが、釣り座は船長が指定する場合がある

勇盛丸のヒラメ仕掛け例(左)と当日のオモック仕掛け(右)

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釣行の写真

根掛かりしにくいポイントを流してくれるので釣りやすい

釣行の写真

マハタ狙いなら少し高めにタナを取ってみてもいい

釣行の写真

海底より5mくらい浮いた反応でサワラをキャッチ

今回の調査結果~オモックの可能性をもっと探れ!~大物チャレンジ編~

オモックの可能性を見つけるにはさらなる実釣によるデータ蓄積が必要

今回一打数1バラシに終わった探偵の結果。

まさかアシストフックに結んだアシストラインが噛み切られるとは想定外だった。
 
できればオモックが掛かった魚を写真に収めたかったが、こればかりは仕方ない。

取材日は魚の活性がそれほど高い状況ではなかったゆえ、

☆オモックに魚が口を使うシーンを永谷船長に見せられた

☆姿は拝めなかったけれども良型の魚がオモックにヒットした
 
この2点だけでも評価すべきだろう。

ただ、オモックの可能性云々を言うには実釣を重ねて、もっと実績を残す必要がある。

今後、大型の魚や歯が鋭い魚を狙う場合は、より強度のあるアシストラインで挑むとしたい。

釣行の写真

切り裂かれたシーハンター8号。大型魚を狙う場合はアシストフックの改良が今後の課題に

探偵K流オモックの作り方

初めてオモックと出会ってから、試行錯誤しながら製作してきたオモック。

ここでは、探偵Kが現時点で最良と考えているオモックの作り方を解説しよう。

〇工具・・・tool
ペンチまたはプライヤー、ニッパ、釘(太さ2㎜ほどのもの)

〇材料・・・material
オモック本体:溶接リング#4番、ステンレス線(またはピアノ線)の針金 #22または#24、ナツメオモリ

アシストフック:アシストライン(SEA HUNTER8~10号)、ハリ(オーナーカット船ヒラマサ14号、gamakatsuソイ鈎20号など)

オモック

①ピアノ線は硬く、加工しにくい。初めて作る人にはステンレス線がおすすめ②溶接リングに針金を通し、端から3㎝ほどのところで折り曲げる③折り曲げた針金を本線に6~7回巻き付ける④針金にナツメオモリを通す

オモック

⑤オモリから突き出した針金にオモリの端のところで釘を巻き付ける⑥釘を3~4回くらい回して針金を締め付ける⑦釘を抜き、針金の端をニッパで切り落とす⑧出っ張った針金の端をプライヤーで押し込む

オモック

⑨外掛け結びでアシストラインをハリに結ぶ⑩ハリから2~3㎝ほどのところに一重結びでコブを作る⑪本体の溶接リングにコブをくくり付けて抜けないことを確認する⑫余分なラインを切り落として完成※2本バリでもいい

探偵”K”の報告書

オモックで釣るのは楽しいのか? 

この数カ月間、ことあるごとにオモックを試してきたが、オモックでの釣りは率直に楽しい。
 
では、何が楽しいのか? 

何よりも、こんなもので魚が釣れてしまうということに面白さを感じるのだ。
 
幸いにも、初めてのオモック実釣でアカハタやカサゴが面白いように釣れたことで、「こんなもので魚が釣れるのか?」という、オモックへの疑念は払拭されている。

だからこそ、もっと大きな魚や意外な魚をオモックで釣り上げたい! 

そんなワクワクが止まらないのである。
 
探偵Kのオモック調査。

今後も継続していく予定である。

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隔週刊つり情報(2020年1月1日号)※無断複製・転載禁止

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