ピンク糸と同じく仕掛け作りや竿の補修に使われる糸には、「補修糸」「握り糸」などがあり、釣具店で市販されているので手に入れやすい。
補修糸はピンク糸よりも細い番手がそろっており、仕掛け作りのほか、ガイドの取り付けや竿の補修でも使われる。
ここでは補修糸を用いたガイドの取り付け方法を紹介する。
補修糸には、極細、細、中、太、極太 の5種類の番手があり、それぞれカラーバリエーションも豊富
出典:隔週刊つり情報
(上)巻き止める作業は、補修糸をピンと張っておきロッドを回しながら行う(中)引き抜き用のループを利用して補修糸を巻き付け部分に埋め込む(左下)コーティング剤はクリア樹脂が扱いやすい(右下)片足ガイドの場合はガイドの前方にも4~5回巻いておく
出典:
ガイドのサイズに合わせた太さの補修糸を選びロッドを回しながら巻き止めるのがコツ
補修糸はピンク糸と同じナイロン100%の撚より糸だ。
同じくらいの太さならピンク糸よりもややしなやかな質感を持ち、極細から極太まで太さの違う5種類がある。
さらにカラーバリエーションも豊富で、ロッドの補修などでは好みの色を選ぶことができる。
極細でハリス1号、極太は6号ほどの太さになる。
ピンク糸よりも細い番手があるので、仕掛け作りでは細いラインを使う仕掛けや、ロッドのガイドの取り付けなどに適している。
竿のガイドを一つ破損したときに、ガイドの取り付け方法を覚えておくと、自分で簡単に修理できる。
このときガイドを巻き止める糸として補修糸が使いやすいが、竿の外径やガイドのサイズに合わせて番手を選ぶ。
小物釣り用のロッドのトップガイドおよび4番ほどまでの片足ガイドなら「極細」、ロッドの中央の外径が1㎝前後のところの両足ガイドなら「中」から「太」の番手が向いている。
イラストでは、両足ガイドの取り付け方を取り上げたが、片足ガイドも基本的な手順に変わりはない。
取り付け作業の手順は難しくないが、いくつかコツがあるので覚えておきたい。
まず、補修糸はピンと張って、ロッドを回しながら巻き付けると隙間なくきれいに巻ける。
もし隙間ができるようなら、そのつど指で巻き付け部分に押し込んで密に巻く。
最後は補修糸の端を巻き付け部分に埋め込むが、このときに糸を引き抜くループをあらかじめ作っておく。
3号前後のフロロカーボンハリスで3㎝長のループを8の字結びで作り、引き抜きやすいように結びコブの後ろにも、2㎝ほどの間隔を開け二つのコブを作る。
巻き止め作業の最後に、このループを一緒に巻き込み、端糸をループに入れて引き込み、巻き付け部分に埋め込むと、結びコブを作らずに補修糸を固定できる(工程⑥~⑩)。
片足ガイドも同じ手順になるが、ガイドの足を巻き止めた後に、ガイドの前方にも4~5回補修糸を巻いてフィニッシュするのがコツになる。
また、補修糸を巻いた後はコーティング剤を塗り、補強と塩分からの保護の処理を施す。
エポキシ樹脂は扱いがやや難しく乾かす手間がかかるので、クリア樹脂を使うと簡単にコーティングできる。
塗り方のコツは、一度に厚く塗らず、薄く一度ずつ乾かしながら、3~4回に分けて塗るときれいに仕上がる。
補修糸は溶剤の染み込みがいいので、瞬間接着剤を使いたくなるが、乾くと白濁してしまうので注意したい。
補修糸を用いた竿のガイドの取り付け
①ガイドの位置を決め、セロテープで片足を仮止めしておく
②ガイドの足の長さの倍の位置から補修糸を巻き始める。初めはこのように端糸を交差させる
③初めの5~6回はゆっくりとロッドを回し端糸を一緒に巻き込み、その後は端糸をまたいで巻く
④ロッドを回して補修糸を巻き止め、途中に隙間ができたら、巻かれた糸を爪で押し戻して隙間を埋める
⑤ガイドの足を2~3mm巻いたところでいったんストップ
⑥あらかじめ作っておいた糸抜き用のループをガイドの裏側に当て一緒に巻き込む
⑦ガイドの足の曲がりまで巻き止める
⑧補修糸を3cmほど残してカットし、端を糸抜き用のループに通す
⑨糸抜きを引く。このとき端糸は引いて張っておく
⑩端糸が巻き止めた糸に少し入ったところで、いったん糸抜きを止め、余分をギリギリでカットする
⑪糸抜きを完全に抜き、巻き始めの端糸をカットして片側の巻き止めが完成
⑫反対側も同じ手順で巻き止めればガイドの取り付けは完成。コーティング材を塗って仕上げる
隔週刊つり情報(2019年12月15日号)※無断複製・転載禁止