ピンク糸の利用法
マダイのテンヤのチメ糸やサルカンの接続部分の補強、あるいはスミイカテンヤやタコテンヤを自作する際の素材など、ピンク糸は沖釣り仕掛けの様ざまな用途に応じる便利なアイテムだ。 使い…
隔週刊つり情報編集部PR
ピンク糸は撚より糸であるため、しなやかな質感を持ち、編み付けなどの作業がしやすく確実に締められる。
今回はピンク糸の編み付け部分が効果的な働きをする「移動式掛けバリ」の作り方を取り上げた。
編み付けには二通りの方法があり、前回水中ライトの接続で用いた方法とは異なるパターンの編み付け方が、この仕掛けではポイントになる。
サルカンや枝スの結びで用いられる編み付けは、端糸を本線に一度ずつ、からげる方向を変えてハーフヒッチを繰り返す方法が取られる。
これは沖釣り仕掛けで用いられる一般的な方法になるが、編み付けにはもう一つ異なる方法がある。
本線に対して編み付け糸を交互に回し掛ける方法で、主にアユや渓流釣りなど淡水の釣りの仕掛けに用いられている。
沖釣りでは、PEラインの道糸にリーダーを接続する「FGノット」の作業と同じだ。
左ページのイラストでは、前者をA、後者をBとしたが、Bの方法には便利な特徴がある。
本線がフロロカーボンやナイロンなどモノフィラメントラインの場合、ラインの号数に応じたピンク糸でBの編み付けを施すと、編み付け部分を縮めた状態ではライン上をスムーズに移動でき、伸ばすとそこで固定される。
この特徴を生かし、ハリにピンク糸をダブルラインで結び、本線にこの編み付けを用いて結ぶと、本線上を自由に移動させられるハリとなる。
親孫式のハリを使うイカダイ仕掛けでは、エサとなるイカは釣って確保することが多いため、サイズが予想しにくい。
そこでこの結びを利用しイカのエンペラ付近に掛ける掛けバリを編み付け移動式にしておくと、本命のハリとなる先バリとの間を自由に調節できる便利な仕掛けができる。
親孫式の仕掛けとなるとヒラメにも応用したくなるが、ヒラメ仕掛けの場合はイカダイ仕掛けと本命のハリ位置が逆になる。
イワシのサイズに合わせて本命の親バリを移動式にすると、親バリにヒラメが掛かった場合の強度が不安になる。
ハリはピンク糸を本線に編み付けた摩擦力で固定されているので、強く引かれると滑る恐れがあるためだ。
移動式掛けバリは、まずハリにピンク糸をダブルラインにした外掛け結びがやりやすい。
結んだ後に2本のピンク糸を3回一重結びにして3つのコブを作っておくが、これはハリス本線とハリの間を少しだけ開けるため。
こうしておくとイカにハリを刺しやすく、ハリのミミがハリスに触れることを防げる。
ハリス8号前後で掛けバリがチヌ5~6号ならば、4~6号のピンクが作りやすい。
移動式掛けバリの手順は、以前この載で取り上げているが、ピンク糸の最も便利な利用法として今回再録した。
編み付けBは、枝スを出す位置を移動式にしたり、捨て糸の長さを自由に調節できる仕様など、様ざまな応用が利くので覚えておきたい。
1本の編み付ける糸を、交互にハーフヒッチで締める
2本の編み付ける糸を、交互に回し掛けて編み付ける
①ピンク糸(No.4~6)を30cm切り出し二つ折りにする
②二重の状態で掛けバリに外掛け結びで結ぶ。ラインが二重なので3 回転くらい軸に巻けばいい
③2本のピンク糸を一重結びにしてハリのチモトにコブを作る
④これを3度繰り返しコブを3つ連ねる
⑤ハリスにハリを一重結びで止める
⑥ハリとハリス、結び部分を指で押さえ、左右に振り分けたピンク糸の片方を、ハリスの下から回して巻き付ける
⑦もう片方も同じようにハリスの下から回して巻き付ける
⑧これを交互に14~15回繰り返す
⑨最後は2本のピンク糸を一重結びにして止める
⑩さらに2本のピンク糸を一緒に一重結びにするが結びの締め方に注意する
⑪2本のピンク糸を左右に開くようにゆっくりと締めると、ハリスに止めたコブと接するように結びコブができる
⑫余分なピンク糸をカットし切り口を軽くライターであぶって完成
隔週刊つり情報(2019年12月1日号)※無断転載・複製禁止
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