今が盛りのカツオ。
今回はこの魚を素材として、1本をムダなくいただけるよう、骨に残った身を使った料理と、ともすれば捨てられてしまうハラモを焼いた一品を紹介。
どちらも一度味わえば、病みつきになることうけ合い。
プロ技指南「細山和範」
1957年生まれ。
釣り好きの父親に連れられ、5歳で大原沖にビシママダイデビュー。
以来、しごかれまくり、釣りまくりの週末を過ごす。
20年ほど前からは伊豆諸島に遠征することが多く、獲物が豊富なときはメニューも賑やかに。
モロコ(クエ)の43.5kgをはじめ大物記録も多数。
最近はテレビ出演の機会も多く、真面目な語り口調を知る人も多いが、素顔は陽気な釣りおやじ。
カツオの三枚おろし
いくら魚をさばき慣れているとはいえ、一般の釣り人の三枚おろしでは中骨に身が残ってしまいがち。
「それがもったいないんですよ」と細山さん。
カツオに限らず、中骨に付いた身はおいしいので積極的に活用したいと話す。
そこで紹介するのが、香味野菜やネバネバ系と一緒にいただく中落ち丼。
彩りが鮮やかで目も楽しませてくれる。
①エラの後方から包丁
カツオにはウロコはないが、エラの後方や頭に近い背に硬い皮があり、それを避けるように包丁を入れる。
まずはエラの後方から包丁を斜めに入れる。
②腹部に包丁を入れる
カツオのハラモは焼いて食べるとうまいので、この部分が大きく取れるように腹部に切れ目を入れる。
③反対側も同様に
反対側もエラの後方から斜めに包丁を入れ、深く差し入れたところで中骨を断つ。
④腹部は浅く切る
腹部は浅めに包丁を入れる。
内臓を傷付けないようにすれば、まな板の汚れも軽減される。
⑤頭と胴を分ける
包丁を入れ終えたら頭と胴体を引き離す。
ハラモは身を三枚におろした後に処理。
⑥中骨に沿って包丁を入れる
背ビレの際から中骨に沿って包丁を入れる。
このとき、頭に近い部分の皮は硬いので、逆さ包丁で切れ目を入れてもいい。
⑦血合骨を断つ
腹側も中骨に沿って包丁を入れる。
次に尾をしっかり固定し、血合骨を断てば二枚おろし。
⑧半身が取れた
取れた半身は血合骨に沿って腹側、背側に切り分けるのが一般的。
ハラモの塩焼きを作る
①ハラモを切り分ける
ノド元とエラの下に包丁を入れ、ハラモを切り分ける。
②ここがうまい部位
脂の乗ったおいしい部位ながら、厚みがないために捨てられがち。
このように切り分ければ、おいしくいただける。
(上)①ハラモを切り分ける(下)②ここがうまい部位
出典:
酒塩で下ごしらえ
焼く前に日本酒でしめらせ、塩を振る。
脂の乗った部位なので、塩は強めに。
④オーブンで焼く
塩を振ってから15分ほど寝かせ、強火の遠火でオーブンで焼く。
⑤塩焼きの完成
カツオの中落ち丼を作る
①主役は中骨に残った身
今回はあえて、中骨にたっぷり身を付けた状態で三枚におろした。
ここから中落ちを取っていく。
②ていねいに身を取る
大きめのスプーンを使い、中骨の両面に残った身をていねいに取っていく。
③取った身をボウルへ
取れた身をボウルに移す。
この量ならおよそ2人前。
(上)②ていねいに身を取る(下)③取った身をボウルへ
出典:
④野菜で豊かな彩りに
夏から初秋にかけての野菜を豊富に使い、見た目の鮮やかさと、味のバラエティーを演出。
オクラ(軽くゆでたもの)、島ラッキョウ(タマネギでも可)、ミョウガ、長イモ、大葉のほか、食感のアクセントになるカリカリ梅を用意。
⑤具材をボウルに入れる
⑥混ぜ合わせる
ゆっくりと混ぜ合わせる。
オクラや長イモなどネバネバ系がほかの具材とほどよく絡むようになったらOK。
⑦ゴマ油を少々
脂の乗り具合を見て、もの足りないようであればゴマ油を少量加える。
⑧季節の果物をプラス
甘みを加えると、さらに味わいが豊かになる。
ここでは刻んだナシを使ったが、リンゴでもいい。
⑨ご飯に乗せて完成
器に盛りつけたご飯の上に具を散らし、卵の黄身をトッピングに加え、ゴマを振りかければ完成。
お好みで醤油をかけることも可。
細山流「カツオ釣りのコツ&タックル」
「カツオ釣りのコツは、船長の合図が出たら、手早く、確実に仕掛けを投入する。これに尽きます」と細山さん。
移動時に仕掛けのチェックやエサ付けなど投入準備を忘れずに。
細山さんのカツオタックルは、竿が剛樹「アルバカーレス155」もしくは「マジックバイトSR16」、リールはPE10号を巻いたレバードラグ式大型両軸、ハリスはフロロカーボン18号前後を1.5m、ハリはヒラマサ14~15号を使用。
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隔週刊つり情報(2020年10月1日号)※無断複製・転載禁止