待ってました!キハダ・カツオ【前編】
江藤剛さんは茅ケ崎生まれの茅ケ崎育ち。 茅ケ崎港・沖右衛門丸の船宿まで車で5分の地の利もあり、昨年キハダ・カツオ船に約30日乗船し、25~37kgのキハダ23本を手にしている。 釣行日…
隔週刊つり情報編集部PR
相模湾に澄んだ潮が差し込むとともに、待望のキハダ・カツオの新群れが続ぞくと押し寄せ、コマセ釣りの模様がグングン上向いている。
行くなら今だ!
目次
前編ではキハダ仕掛けの作り方、釣り方について解説されていました。
今回はいよいよ実釣です。
8月28日、午前6時、小坪港の洋征丸は22名の釣り人を乗せて相模湾に繰り出した。
前日より湾内でもナブラが見え始めたようだが、取材する者にとってはクルージングに終わったらどうしよう・・・という一抹の不安もあった。
ところがどうだろう。
航行すること50分、湾央西部の海域で大きなトリヤマに遭遇。
海面にはカツオとキハダが入り交じってベイトのイワシを追い、海面を真っ白にしているではないか。
「新群れだね。いいナブラだ!」
一夜にして入ってきた大ナブラ。
ソナーにもしっかり反応が出て船長も興奮を隠しきれない様子だ。
「マグロ狙いはハリス6mくらい、カツオ狙いの人は2mくらいでね」
と言われても皆さん一様にキハダ狙いのようだ。
「やってください。20~30m!」
しかし、やはりというか、まだベイトに夢中でオキアミには反応を示さず、何度もアタックを繰り返すもアタリは皆無。
こんな状況のときはやはりルアーが有利で、舳先でジグを投げていた島さんにヒット。
2kgサイズとやや小ぶりだが、船中第1号のカツオが上がった。
デッキをたたくカツオのビート音。
いやぁ、どれほど会いたかったことか。
ナブラはいたるところにあるが、その後もアタリは訪れることはなく、昼近くになって東側の船団に合流。
「カツオは10~20m、マグロは30~40m」
やはりオキアミへの反応は鈍く、空振りの投入が続いたが、時合は突然訪れた。
左胴の間の方にヒット!
しかし残念、瞬殺でハリス切れ。
と思ったら今度は右胴の間でも強烈なアタリ。
しかしこれも残念、オマツリで無念のハリス切れだ。
「きたよーっ!」次に声を上げたのは左ミヨシの茂木さん。
右大ドモ氏にもヒットしたようで、スタンディングでのファイトが始まった。
先に勝負がついたのは大ドモ氏。
6.8kgのキメジが上がる。
茂木さんはまだまだヤリトリの真っ最中。
絶対にバラさせまいと高木船長がサポートに付き、慎重すぎるくらいに慎重にキハダとの距離を詰めていく。
およそ30分のバトルの軍配は茂木さんに。
21kgのキハダがタモ取りされたと同時に歓声と拍手が沸き上がった。
茂木さんの仕掛けはハリス22号、8m。
ハリはジャイアンとキハダマグロ16号。
チモトの結び目には、ピンクのスキンを巻き付けてカムフラージュ。
付けエサのオキアミも選別し、うま味調味料に漬け込んだものを使用しているとのことだ。
この流しでは右胴の間の栗原さん、平井さんにカツオもヒットした。
沖揚がり間際、ジグでカツオを上げた島さんが、今度はエビングでビッグヒット。
オマツリもあり、ヒヤヒヤしたシーンもあったが無事回避。
25分のファイトで上がったキハダは30kg目前の29kgだった。
コマセでの船中釣果はカツオ2本、キメジ1本、そしてキハダ1本。
「この大ナブラがコマセに反応し始めたら、すごいことになりますよ」
帰り際の船長の言葉どおり、翌日からスイッチが入り、遅れていた夏が一気に爆発。
相模湾の夏はこうでなくちゃいけない。
その後も釣況は衰えることなく、文字どおりの連日絶好日が続いている。
8月28日、茅ケ崎港の沖右衛門丸へ。
同船では相模湾でコマセ釣りの模様が急上昇した数日前から連日キハダが上がっており、ついに到来したチャンスをつかむべく大勢のファンが駆けつけ2隻出しとなった。
木村康弘船長が担当する5号船に釣り人17名とともに乗り込み6時に出船。
真沖に向かって約1時間走ったところで船団と合流した。
周囲でキハダやカツオの跳ねが見られ、フラッシュソナーに巨大なナブラの反応が出ている。
「いいですよ、30m」
この日は大半が常連さんで全員キハダ狙い。
海面下の浅ダナにカツオの反応もあるようだが、船長はキハダに的を絞って指示ダナをアナウンスする。
群れはゆっくり移動している様子で、しばし流し込んだがアタリが出ない。
その後は船団で群れの進行方向に先回りして投入を繰り返したが食い渋り気味。
ほかの船でカツオは上がっていたが、キハダはなかなかオキアミに口を使わない。
「昨日は釣れ始めたのがお昼ごろ。たぶん今日も食い出すのは遅いですよ」とキハダ必釣技のノウハウを取材させていただいた江藤剛さんは言う。
江藤さんは前日も5号船に乗船し、今年の初キハダ26kgを釣り上げていた。
11時過ぎ、突然あたり一面に巨大なナブラが沸き船団の動きが慌ただしくなった直後、キハダのヒットを周囲の船に知らせる回転灯があちこちの船で回り始めた。
「食った!」
本船も右トモの佐藤秀次郎さんにヒット。
しかし100mほど走って魚が止まり、巻き上げ始めたところでトラブル発生。
電動リールのコードがバッテリーから外れ、水深カウンターがリセットされ電動巻き上げが不能になる。
そこで手を差しのべたのがベテランの岩田寿春さん。
ラインをたぐってアシストし、10分足らずでキハダを引き上げ29kgが大ダモに収まった。
佐藤さんは、江藤さんにキハダ釣りを教わったとのことで、仕掛けはハリス22号10m、ハリはカットヒラマサ14号。
ハリの結びは外掛け結びで、大きめのケイムラ玉をチモトにかぶせて結び目を隠していた。
再び船団と合流し、指示ダナ30mで再開。
周囲を見渡すと回転灯が回っている船が数隻、時合は続いているようだ。
左ミヨシの岩田さんと胴の間氏にダブルヒット。
残念ながら胴の間氏は魚が疾走した直後にハリがスッポ抜けてしまったが、一方の岩田さんは置き竿釣法でファイトの真っ最中。
魚が止まると、パワフルな大型電動リールにものをいわせて中速で巻き上げ、ヒットから15分ほどで難なくタモに収まったキハダは26kg。
岩田さんの仕掛けはナイロンハリス22号3.5mと28号3.5mをパワースイベルで接続したテーパー式。
ハリはカットヒラマサ15号、ハリの結びは外掛け結びとのこと。
その後もナブラを追って投入を繰り返したが、後が続かず14時過ぎに沖揚がり。
江藤さんがキハダとファイトする姿を写真に収めるのは次の機会に持ち越しとなったが、相模湾のキハダ・カツオの本格化を肌で感じた一日だった。
翌日以降はカツオの食いが上向き、同船でいい日はトップ50本以上の爆釣も。
キハダはムラがあるものの好日は5本(3隻合計)上がっている。
昨年の9月後半は、小田原沖で60kgオーバーが荒食いして釣り人の度肝を抜いた激アツの時期。
夢よ再び!
万全の準備で挑んでいただきたい。
隔週刊つり情報(2020年10月1日号)※無断複製・転載禁止
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