世の中バタバタしている間に早くも初夏6月。
沖釣りファンが気になるのは日々の感染者数ではなく、東京湾奥のマダコ開幕模様。
平成3年のマダコ大発生に次ぐ豊漁となった昨年、果たして今年はどうなるのか?
去年が単なる一過性のもので今年はパタッとタコがいなくなってしまうのか、それとも・・・。
まあ頭の中で想像しているだけでは仕方ない、とにかく現場を見るのが一番と6月1日、東京湾奥浦安の吉久に出かけてみることにした。
タコがいるのかいないのか・・・
この日は普段、マダコ船の舵を握る峯岸船長が所用でお休みだったため、いつもはフグ船の大沢船長がピンチヒッター。
午前7時に18名で出船となる。
まずは根掛かりのない千葉県側から様子を見ていくとのことで、ポイントの姉ケ崎沖に到着したの7時40分ごろ。
岸寄りの水深6~7mから流していく。
期待に反して最初の流しは不発。
続く流しでは船中3杯のマダコが上がったが、いずれも300g級の小型で、すべてが竿釣りの餌木だった。
ちなみに昨今の人気を反映してか、当日は乗船者の3分の2が竿釣りだった。
その後もいくつかのポイントを探ったが、乗ってくるのは餌木ばかり。
根掛かりがないということで皆さん2本付けでキャストして探っている。
ただ、たま~に乗ってくるのはやはり小型ばかりで、せっかくの初物をリリースしている人もいる。
小ダコが多いからテンヤには掛かりづらいのだろうか。
でも小ダコが多いということは湧きがあるということだから、決して悪い話ではない・・・のだが、釣れるペースは昨年をイメージしてしまうと全然悪い。
潮止まりで乗りが悪いのか、湧きが少ないのか、判断しかねる状況だ。
小ダコは餌木のほうが掛かりやすいようだ。
出典:
1時間ほどして船長は川崎沖への移動を告げる。
こちらのポイントは根掛かりがあるから餌木は1本にしたほうがいいとのアドバイスも出る。
9時、到着したのは川崎新堤。
数年前にもマダコが大湧きした、湾奥の定番タコポイントである。
水深は8~9m。
根掛かりするリスクが高いため、竿釣りから手釣りに切り替える人も何人かいた。
ここでは開始からポツリポツリとマダコが上がり始める。
それも餌木ばかりではなく、手釣りのテンヤにも乗ってきたから、千葉県側よりも湧きがいいのだろうか。
型は500~600g級の食べごろサイズもいれば、イイダコみたいなチビちゃんもいるし、時には昨年の残りと思われる2kg級も釣れたりとバラバラだ。
釣れ具合も流しっ放しの乗りっ放しという感じではなく、不発の流しもあれば、しばらく流し込んでいくうちに船中バタバタッと乗ってきたりなど多少のムラっ気がある。
この辺りは非常に悩ましいところ。
昨年と比較しすぎるのもどうかと思うのだが、去年からタコ釣りを始めた人にとってはあまり釣れないと感じてしまうかもしれないという懸念がふと頭をよぎる。
まあ過去に船中数杯、型を見られれば御の字という低迷期を経験してきた身にとっては、普通どころか上等クラスの釣れ具合なのだが・・・。
手釣りには手釣りならではの魅力がある。
出典:
今年の夏も盛り上がりの予感
ともあれ11時ごろにはほぼ全員が型を見て、堤防の内側に移動、ここから自分も道具を出してみる。
もちろん竿釣りだ。
毎年、シーズン初めの1杯を釣るまでは根掛かりなのか乗りなのかよく分からない不安に襲われるのだが、怪しいと思ったらとにかく合わせてみることが大切。
それが根掛かり防止にもなる。
この日も最初は数回スカったが、やがてこれは間違いなくタコだろ!っていう感触。
じっくり乗せて、エイヤッと合わせたときのズシッとした重量感はやっぱりたまらない。
これは手釣りだろうが竿釣りだろうが変わらないタコ釣りの魅力だ。
今年の初物は約1.5kgのナイスサイズで大満足。
船中でも最大3.2kgを筆頭に2kgオーバーがけっこう上がっていたが、初期にしては良型が多いのは昨年の恩恵なのか?
当日最大は3.2kg。
出典:
2kg級は船中5~6杯上がった。
出典:
昼ごろからは少しずつ羽田方面のポイントを探っていく。
浅い所で水深4~5m、深くて10m。
油断するとすぐに引っ掛かってしまいそうなガリガリのポイントもあれば、砂地に所どころ石が転がっていそうなガラ場ありと、海底形状は様ざま。
いずれのポイントでも流すたびにポツリポツリと型は出るが、際立った乗りはなく拾い釣りの様相となる。
自分もどうにか2杯を追加して、やがて午後2時半に沖揚がり。
結果はトップ15杯が2名で、ツ抜けした人が5~6人、0が一人出てしまったが、5~6杯釣った人が多かった。
3分の1ほどの人がツ抜けした。
出典:
その後の様子も気になって各船宿の釣果を数日チェックしてみると、トップが20杯に達する船もあれば、10杯台に低迷?する船もありと、日により船により釣れ具合には多少バラツキがある様子。
ということで現時点での判断は、昨年ほどではないにせよ、マダコの湧きは例年に比べればよい。
昨年以上にマダコ船を出す船宿が増えている・・・ことから、今年の夏も湾奥のマダコは盛り上がること必至と予想する。
今回は開幕初日の状況報告に徹してしまったが、次号では仕掛けやタックル、釣り方など餌木タコ特集を組む予定。
ご期待いただきたい。
これが食べたかったのだ!マダコのアヒージョ風
本来ならタコ焼き器を使ってガーリックバターで焼いたマダコをバゲットに乗せて大勢でにぎやかに食べるマダコのエスカルゴ風、通称「タコカル」を食べたかったのだが、今や一緒に食べる家族もいない寂しい独り身。
小鍋で一人前を作れるアヒージョ風とした。
アヒージョは魚介類をオリーブオイルだけで煮るものらしいが、コクを出すためにバターをひと欠け投入するのがオレ流。
トウガラシと刻みニンニク、スライスしたエリンギを加え、仕上げにパン粉とパセリを散らせばでき上がりさ。
彩りにプチトマトなどを入れてもOK。
出典:
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隔週刊つり情報(2020年7月1日号)※無断複製・転載禁止