【寒サバ】釣果に差が付く手返しの秘訣
サバはアジやイワシと並ぶ大衆魚の代表格ながら、冬場に沿岸で釣れ盛る脂が乗ったマサバは別格。
そのマサバを狙って例年1~3月ごろ期間限定で出船する「寒サバ乗合」が今年も外~南房、三浦半島などで1月からスタートしている。
釣況は早朝から入れ食いになることも珍しくない好模様で、1~2時間で40~50L級の大型クーラーが満タンになる日もある。
寒サバシーズン限定のお楽しみは今
外房勝浦港・釣丸を取材した1月中旬も30~50cm級のマサバが大漁。
丸まる太ったボディは包丁を入れると脂がべっとり付くほどで、白みがかった身はまさに旬、食味のピークを迎えている。
この時期のマサバは、しめサバ、味噌煮、塩焼き、鍋、干物とどう料理してもウマイ。
シーズン限定のお楽しみはまさに今だ。
1月下旬現在、寒サバ乗合の出船船宿は外房大原港の長福丸、御宿岩和田港の義丸、勝浦川津港の不動丸、勝浦港の釣丸、勝浦興津港の第二沖合丸、小湊寄浦港の小沢丸。
南房方面では太海港の聡丸、長作丸、江見太夫崎の渡辺丸など。
さらに三浦半島宮川港の二宮丸も「豚サバフラッシャー乗合」の看板で出船している。
外房~南房の寒サバ乗合は、早朝にサバを狙い、日が高くなってからヤリイカやスルメイカに転進するリレー釣りのスタイル。
しかしイカの状況次第でリレーする釣り物がオニカサゴなどに変わることもあるので事前に確認してほしい。
寒サバ取材にご協力いただいた「ジャパニーズダイニング凪」のオーナー、小島伸一さんも「この時期のマサバを一度食べると病みつきになりますよ!」と太鼓判
出典:
フラッシャーサビキは大型の多点掛けでもビクともしない太仕様
寒サバ用の仕掛けは下図のとおり。
サバの反応がいいピンクや赤系のフラッシャーと呼ばれる化学繊維をハリに巻いたサビキ仕掛けに、オモリ150~200号が基準。
釣丸の特製フラッシャーサビキ8本バリ仕掛けは、幹糸14号、枝ス8号の太ハリス仕様で、ハリは太軸の丸カイズ14号。
多点掛けしたサバを電動でグイグイ巻き上げてもハリスが切れる心配がなく、ハリ外しでサバを外すときにハリがのびるトラブルなども軽減する丈夫な作りだ。
サバはハリスが太くてもほとんど食いに変わりがないうえ、たとえ絡んでもほどきやすいので扱いが楽。
しかし、ハリ数が多い仕掛けの釣りに慣れていない人は、船宿仕掛けを半分に切った4本バリがおすすめ。
ハリ数を減らして手前マツリなどのタイムロスを軽減し、食いが立ったときに手返しよく釣ったほうが数ものびる。
また、薄暗い早朝しかサバが口を使わない日もあるので、仕掛けが複雑に絡んでほどくのに時間がかかりそうなときは、迷わず新しい仕掛けに交換してチャンスを逃さないように。
リレー釣り後半のイカ仕掛けは、ヤリイカはプラヅノ11cm、スルメはプラヅノ14~18cmの一般的なブランコ仕掛けでOK。
オモリは150号。
寒サバ用タックルはイカ用を流用する人が多く、全長1.8m前後のイカ竿とPE4号前後を300m以上巻いた小~中型電動リールの組み合わせ。
しかし、船宿や状況によってサバ用の使用オモリが150~200号と幅がある。
オモリ150号であればイカタックルで対応できるが、オモリ200号の場合は中深海用や青物用など強度に余裕がある竿を選ぶと安心だ。
そのほか、ハリを並べておくマグネット板や、指を保護して滑り止めになる指サック、もしくは滑り止め付きのグローブ、手かぎタイプのハリ外しなどがあれば万全だ。
外房の寒サバ仕掛け例
釣丸で販売しているフラッシャーサビキ。フラッシャーの長さは5cmとボリュームたっぷり、ピンクと赤を交互に配置
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リレー釣り後半のイカ釣りは一般的なブランコ仕掛けでOK。オモリは150号
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釣り方は簡単!しっかり追い食いを狙って釣果アップ
釣り方は簡単。
釣り場に着いて「150~170m」などと指示ダナがアナウンスされたら、フラッシャーサビキを絡ませないようハリを1本ずつ海面に下ろして、慎重にオモリを入れる。
指示ダナまで仕掛けが到達したら、リールのスプールを軽く押さえてみる。
ここで勢いよく出ていた道糸がスローになったらサバが食った最初のアタリ。
すぐには上げず、すべてのハリに食わせるつもりで追い食いを狙う。
マサバはハリ掛かりすると下へと引き込む傾向があるので、さらに強めにサミングしながら引きなりに10mほど仕掛けを送り込んでやる。
このときたくさんサバが食い付くと仕掛けが止められ道糸が出なくなることも。
放っておくと糸がフケてオマツリを招くので、この場合はすぐに巻き上げる。
サバは口切れなどの心配はあまりないので、電動リールの中速以上で巻き上げてオマツリを軽減しよう。
また、サバに食い気がないと、タナの下限を通過してもアタリがないこともある。
そんなときは、高速でタナの上限まで巻き上げ、サミングして2m刻みで段を付けるように止める、下ろすを繰り返しサビキを踊らせながら落とし込んでいくとサバへのアピール度が増し、ヒット率が高まる。
また、「水深200m、190から底まで探って」といったアナウンスで底付近に反応がある場合は、着底と同時にアタリがくることが多い。
底から少しオモリを持ち上げて待つと最初に掛かったサバが暴れて仕掛けを踊らせ追い食いするのだが、このケースはオマツリしやすいので10秒ほど待ったら巻き上げよう。
食いがいいときは指示ダナに仕掛けが入った途端にアタリがくる
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巻き上げは電動の中速以上でオマツリ軽減
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ひとたび群れに当たれば多点掛けが連発する
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寒サバ釣りは“落とし込み”で食わせる
釣り座のセッティング例
取り込みは焦らず仕掛けを絡ませないよう一手一手ていねいに!
寒サバ釣りのクライマックスといえるのが多点掛けの取り込み。
仕掛けを絡ませないように一手一手ていねいに行うことが肝心だ。
横尾船長がすすめるサバの取り込み方は、マグネット板などに順番にハリを並べながら取り込み、ハリにサバが掛かっていたらそのつど外す方法。
しかし、サバは引きが強いうえ、多点掛けとなれば重量は相当なもの。
慣れていない人や力に自信がない女性などは、手が滑ってハリを刺してケガをしないよう、幹糸をしっかりつかんで慎重にたぐり、ハリが掛かったサバが重ならないようにずらしながら順番に足元に並べてオモリまで取り込む。
続いて、オモリを海へ下ろし、下バリから順番にサバを外してゆっくり下ろしていくと仕掛けも絡まず安全だ。
サバは鮮度が命。
オケに入れたままにせず、早めに血抜きをして、水氷を張ったクーラーにしまい保冷して持ち帰ろう。
初心者におすすめの取り込み例
ベテランに学ぶサバの取り込みと保管方法
ベテランの小島さんの取り込みは、上バリから順に掛かったサバを外しなが取り込む。
釣れたサバはできるだけ早く血抜きを施し、水氷を張ったクーラーに入れて保冷する。
①ロッドキーパーで船ベリに固定したハリ掛けに、順番にハリを並べながら取り込んでいく②手かぎタイプのハリ外しを使い、ハリに掛かったサバを外す③下バリまで取り込んだら、仕掛けを絡ませないよう慎重に下ろして再投入
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小島さんのサバ釣り必須アイテム。左から魚つかみ、ナイフ、手かぎタイプのハリ外し
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血抜き用のオケに海水を張り、上がったサバは空のオケに入れておく
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手が空いたときに、魚つかみでサバを持ちナイフでエラを切り、海水に浸けて血を抜く
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血抜きしたサバを水氷を張ったクーラーに入れて保冷する
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プロが教える!サバの腹骨処理のコツ
①三枚におろした身の腹骨と血合骨の境を切り、腹骨をそぎ取るように包丁を進める②腹骨の先端まで包丁を進めたら、包丁の腹で身を押さえ、一方の手で腹骨が付いた身をつかみ、尾側にゆっくり引いて取り除く③腹骨(左)を取り除いた後、写真のように腹身が残ればOK
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隔週刊つり情報(2022年2月15日号)※無断複製・転載禁止