東京湾奥に居着くアジが、ますますグラマラスになっている。
羽田大師橋かめだやのライトアジ船を担当する野口船長も「一番うまいのは夏から初秋」と言い、なるほど納得のボディ。
釣り場はおなじみ横浜沖の水深18~20m付近で、タナは底から2m。
好日はトップ50尾を超える盛況ぶりだが、潮が効かない時間帯はなかなか口を使わないこともあるから、粘り強くコマセをまき続けることが肝心。
そうしてアジを足止めすれば、時合と同時に一気にアタる。
東京湾のライトアジで癒されるべく、かめだやへ!
私が勝手に名付けた「東京湾の癒し三魚種」とはシロギスとイシモチとライトアジ。
お土産が確実なので気負うことがなく、のんびりと釣りを楽しみたいときはこれらの釣りに出かけるのが私のフィッシングライフとなっている。
そこで今回は、東京湾のライトアジで癒されようと6月13日、釣友の塙くんと羽田大師橋際のかめだやを訪れることにした。
かめだやは貸し竿無料。夏の夜を楽しむ屋形船も元気に営業再開。
出典:
当日は関東の梅雨入り直後とあって、天気予報は昼前から雨とのこと。
集まった釣り人は私たちを含めて5名と少々寂しい。
そこで、コマセを効きやすくするために全員左舷に並ぶことになり、私たちはミヨシ2番から並んで席を取り7時半に出船となった。
40分ほどでポイントの横浜沖18mダチに到着すると、さっそく野口船長から、「下から2~4mの範囲でやって」と開始の合図が出た。
潮の濁りが強いことから、皆さん船宿から配られたアオイソメを付けて投入。
中にはよりアピール度を増すためにアカタンとイソメをダブルで付けている人もいた。
Tackle Guide
ライトアジの仕掛けはハリス2号2~3本バリが標準。
船が空いていてオマツリの心配が少ないときは3本バリがおすすめ。
付けエサは潮が濁っていたり食い渋り気味のときはアオイソメ、食いがいいときは付けやすいアカタンで手返しよく釣ろう。
今日は釣れるぞ!
しばらくの間はコマセを振り、アジの群れを船下に寄せてから釣れ始めるかと思いきや、なんと1投目からヒットさせたのは隣の塙くん。
バタバタとデッキをたたくのはコロッとしたいかにもおいしそうな22cmのアジ。
はたしてどこまで太るのか、見事な体高と厚み!
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この1尾が呼び水となったのか、船内で次つぎと同級が取り込まれる。
活性が高くコマセにアジが乱舞しているからだろう、徐々に食いダナも広がり、底から4mまでがヒットゾーンとなってきた。
すると、トモから2番目の三浦さんが竿をしならせて巻き上げを開始。
3本バリにパーフェクト、23cm級のトリプルを達成して気を吐く。
このところのアジの釣果はトップで50尾前後。
模様がよければ70~80尾となっていたため、今日はよい日に当たったかも!と喜んだ。
しかし、潮止まりが近づくにつれて徐々にブレーキがかかり始める。
高いタナではまったく食わなくなり、ピンポイントで底から2mが唯一のヒットゾーンとなってきた。
このころから海面バラシが各所で増える。
原因は食いが浅くなってきたことと、低いタナで食わせるとハリの掛かりどころが悪くなる傾向があり口切れしやすくなるからだ。
アタリのあとギューンと引き込めば、タナが合っている証拠。
ハリが上アゴに掛かっていることが多いからバラシの心配は少ないが、バタバタ、モゾモゾとしたイレギュラーなアタリは注意が必要。
タナを微調整して上アゴに掛かる確率を高めよう。
海面バラシを軽減するにはタモを使って取り込むのが一番だが、巻き上げ中にバレる場合は、電動巻きではなく手巻きにしたり、クッションゴムを付けたり、軟調子の竿に替えたりするのも手だろう。
時合がくると一荷やトリプルが多発。手返しを早めて釣り込もう。
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18~24センチの中アジ。夕げは極上の刺身やフライが待っている。
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9時過ぎ、潮が完全に止まってしまいパッタリとアタリがなくなる。
野口船長もあちらこちらと移動してくれるのだが、反応はあるのにまったく口を使わない。
しかしトモの常連の阿部さんは、「先日も午前中はトップで10尾前後だったけど、午後になって潮が動いてから50尾は釣りましたよ。
魚はいるのだからそのうち食い始めるでしょ」と涼しい顔。
阿部さんは居酒屋を経営しているらしく、釣ったアジを目当てに来店するお客さんも多いとのこと。
「アタリが遠くなってくると、どうしてもだらけがちになってしまいますけど、基本に忠実に、せっせとコマセを振り続けることがより早くアジの食い気スイッチを入れることになりますよ」とは船長の言。
食い渋っても粘り強くコマセを打ち、船にアジを着けること。
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【ライトアジのコツ】正確にタナを取ろう
アジ釣りのキモは「正確なタナ取り」とほとんどの船長が言う。
正確にタナを取るには、投入後、余計に道糸を出さないように必ずサミングしながら仕掛けを下ろし、着底後、トントンとビシで海底をたたいてしっかり糸フケを取ること。
2~3回に分けてコマセをまいて指示ダナに合わせ、そのとき道糸が斜めになっていたら、その角度を覚えておく。
タナを取った後、しばらくして道糸が垂直になった場合は仕掛けの位置が低くなっている。
逆に、より道糸が斜めになれば、仕掛けが吹き上げられて位置が高くなっている。
そんなときは、再び底まで仕掛けを下ろしてタナを取り直そう。
雨がアジを呼ぶ!?
10時半を過ぎ、いよいよ空模様があやしくなってきたので私も竿を出すことに。
すぐに最初のアタリがきたが、釣れ上がったのは20cmほどのカサゴで複雑な気分。
ようやくアジが食い始めたのはポツリポツリと雨が降り始めた11時ごろ。
三浦さんが25cm級のアジを釣り上げたので写真を撮っていると、私の置き竿がバタバタとたた
かれた。
急いで釣り座に戻って巻き上げる。
上がってきたのは22cmのプックラとしたアジ。
雨は次第に強くなったが、まるで雨がアジを呼んだかのように全員バタバタと釣れだした。
今までの渋さはいったい何だったの?と不思議なくらいだ。
投入のたびにアジがヒット。
時にはコマセを振る前からプルプルと食ってくるのだから、よほど活性が高まったのだろう。
「釣れるときに釣れ」は沖釣りの鉄則。
皆さん時合到来とばかりに気合を入れて釣りに集中している。
私もギューンと小気味いいアジの引きを楽しみながら釣り続けていたのだが、雨はさらに強まるばかり。
風も出てきて、ビュービュー、ザブザブと雨粒が体をたたく。
「おかず分は確保したから、ひとまず休憩」と一人、二人と船長の許可を得てキャビンに避難、もう揚がりませんか?とお客さん同士でアイコンタクト。
アジは相変わらず釣れ続いていたので船長はまだやりたかったようだが、お客さんの希望で12時に早揚がりとなった。
トップは三浦さんの26尾でサイズは18~26センチと中型主体。
私は1時間の釣りで12尾だった。
ちなみに好天に恵まれた翌日は50~101尾と絶好調。
東京湾のライトアジはこの先も十分安泰、皆さんもアジに癒されに出かけてみてはいかがだろう。
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隔週刊つり情報(2020年7月15日号)※無断複製・転載禁止