三浦半島長井漆山港の昇丸は5名から受け付けてくれるので少人数のグループにもおすすめの船宿。
漁師でもある船長が漁の経験で培ったノウハウを生かし、相模湾の多彩な釣り物を存分に楽しませてくれる。
【梶ヶ谷英樹船長に聞きました!】泳がせ五目のコツ
「エサのイワシは鼻掛け、または上アゴにハリ先を抜く口掛けにしてください。仕掛けを投入して着底したら糸フケを取り、底から1~3mのタナを探ってください。根周りを狙うので、オモリを底に着けたたままだと根掛かりしやすいので注意してください。タナをまめに取り直すことがコツで、タナの取り直しが誘いにもなります。アタリが出たら十分に食い込ませてから合わせるようにしてください」
親子三代で営むアットホームな船宿
昇丸の梶ヶ谷昇大船長が、漁の合間にお客さんを船に乗せるようになったのは30年以上も前のこと。
現在も釣り船の予約がないときは、ヒラメの刺網漁やタコツボ漁などに出るそうだ。
船は3隻体制で、梶ヶ谷昇大船長と息子の英樹船長、英樹船長の息子である涼船長(27歳)が舵を握り、親子三代にわたって訪れる釣り人を楽しませている。
英樹船長にこれからの時期のおすすめを伺うと、なんといってもイワシエサの泳がせ五目がイチ推しとのこと。
釣れる魚種はマハタ、アオハタ、ヒラメ、ワラサなどの青物、アカヤガラ、マトウダイ、ウッカリカサゴなど実に多彩。
スリル満点の釣趣と抜群の食味を味わえる。
釣り場は城ケ島沖や洲ノ崎沖の水深60m前後が中心で、今後水温の低下とともにイワシの群れが接岸すれば、浅場で良型のマハタや大型のヒラメが期待できるという。
もちろんエサの生きイワシは船長が用意してくれる。
この時期はアマダイも面白い。
釣り場は城ケ島沖や江ノ島沖などの水深80~90mで、25~30cm級中心に40cmオーバーも顔を出し、イトヨリなども交じるそうだ。
亀城根周りや城ケ島沖を狙うカワハギは、昨年と比べると状況がだいぶよくなり、今シーズンは25~27cm前後の良型がほとんどだという。
少し前には31cmも上がったそうだ。
春先にかけてはヤリイカもおすすめ。
釣ったヤリイカを泳がせて大型のマダイやワラサ、ハタなどを狙うこともできる。
釣り場は長井沖や城ケ島沖の水深150m前後で、つい最近もマダイやワラサをキャッチしたという。
亀城根周りなどを探るアオリイカも狙い目。
この時期は600~800g級が主体となり、1kgオーバーも交じる。
釣り方は中オモリ式のシャクリ釣りのほかティップランエギングも受け付けている。
そのほか冬場は、沖ノ瀬や洲ノ崎沖の水深300~400mを探るキンメやクロムツもおすすめだそうで、キンメは1kg級、クロムツは500~600g級主体に楽しめる。
梶ヶ谷昇大船長、英樹船長、涼船長は3人とも優しく穏やかな人柄で実に親切。
ぜひ皆さんも家族や仲間とお出かけいただきたい。
2021年の初釣りにイチ推しの船宿です。
相模湾の泳がせ五目仕掛け例
2kg級のマハタ登場。大盛り上がりの泳がせ五目!
昇丸を訪れたのは12月17日のこと。
神奈川県綾瀬市の平山充利さんが幹事を務めるグループが、泳がせ五目で仕立てた船にお邪魔させていただいた。
当日は6時半に出船。
舵を握る梶ヶ谷英樹船長に釣り場をたずねると、まずは洲ノ崎沖へ向かうとのことで、約1時間ほど走った水深60m前後で開始となった。
早々に左トモで竿が曲がりカメラを手に駆け寄ると、大きなアカヤガラが浮上。
なんともユニークな顔をしているが抜群においしい魚だ。
その後はアカヤガラが連発し、船を小移動させるとチカメキントキが釣れ上がる。
そしてここから食いが上向き、世田谷区の高村さんが2kgオーバーの丸まるとしたマハタをキャッチ。
直後に幹事の平山さんが竿を大きく曲げ、ややあって取り込んだのは1.5kg級のマハタ。
その次の流しでも平山さんは同級のマハタを追加。
ここではヒラメと思われるバラシもあり船上は大いに盛り上がった。
その後はマトウダイが上がったもののマハタは打ち止めといった感じになり、船長は城ケ島沖への移動を決める。
城ケ島沖の水深50m前後で再開。
ここで最初に竿を曲げたのも平山さん。
強い引きを交わして取り込んだのはイナダであった。
残り時間が30分となったところでダブルヒット。
海面に浮上したのはどちらも1kg級のアオハタで、2人からなんともうれしそうな笑みがこぼれた。
「最近はこの泳がせ五目がとても人気があって、出船回数も多いです。釣り場にイワシの群れが接岸するこれからが本番なので、ぜひチャレンジしてほしいです」と英樹船長。
これだけ高級魚がそろえば人気が出るのもうなずける。
自分もやってみたいと思った一日であった。
朝イチに釣れたのは赤くて長いアカヤガラ
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良型のチカメキントキもキャッチ!
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平山さんがマハタを上げた
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アタリがきてから引き込みを待つ時間はドキドキ!
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良型のマハタが浮上。タモ入れは仲乗り役の涼船長がサポート
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城ケ島沖で平山さんにヒット!
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強い引きを見せたのはイナダだった
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後半戦はアオハタが立て続けに上がった
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今回の釣り仲間
取材でお邪魔させていただいたのは、神奈川県綾瀬市の平山充利さんが幹事を務めるグループ。
釣り物は泳がせ五目です。
「泳がせ五目にハマりそうです」by 高村聡さん
当日最大2kgオーバーのマハタと1kg級のアオハタをゲットしたのは、この日が沖釣り2回目という世田谷区の高村聡さん。
「泳がせ釣りなんて難しそうだし今日はボウズ覚悟で乗船したんですが、あんなに大きなマハタが釣れて驚きました。引きもすごく強くて上げるまでドキドキでした。終盤にはきれいなアオハタも釣れて、すっかり泳がせ釣りにハマっちゃいました。今日の釣果は知り合いの居酒屋さんに持っていっておいしくいただきます」
初めて釣ったマハタのお味はいかかでした?
さぞかしおいしかったことでしょう。
正直うらやましかったです。
【幹事の平山充利さんに聞きました!】昇丸のココが好き!船長が優しくアットホーム感があって仲間からも大好評です!
「昇丸は20年以上前から利用しています。船長が優しくビギナーにもていねいに接してくれる点がいいですね。アットホーム感があって仲間を連れてきやすいです。ここの泳がせ五目は本当に色いろな魚が釣れて楽しいのでよくお願いしています。それと現在は中止していますが、下船後に船宿でいただけたおいしい食事も毎回楽しみにしていました。コロナ禍が終息したら、ぜひ復活してほしいですね。」
当日は7名で乗船し、船長に生きイワシを用意してもらいました。
ご協力ありがとうございました。
釣り船データ
(上)梶ヶ谷昇大船長(中)梶ヶ谷英樹船長(下)梶ヶ谷涼船長
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梶ヶ谷英樹船長が舵を握る第八昇丸。「最大15名まで利用可能で10~12名までが釣りやすい」と英樹船長
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昇丸の駐車スペースは港に入った左側
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隔週刊つり情報(2021年2月1日号)※無断複製・転載禁止